【おやすみ鯨の日記】残業の楽しみ
2023年3月2日
気づいたらなんと春になっていた。最近は風が強いなと思っていたらそろそろ春一番だというし、通勤は上着を着ながら歩くと汗ばむほどだ。昼間は外でご飯を食べたくなるようなポカポカ天気だし。だけど、夜の肌寒さが冬の、俺をそんな簡単に忘れさせるかよという強い意志を感じさせる。
最近仕事がとても忙しくて、毎日2時間は残業している。仕事はわりと楽しい。取り組んでしまえばほとんど苦ではない。取り組むまでは大変気が重いのだけれど。仕事したくない〜寝てたい〜と駄々を捏ねていると思ったら、パソコンに向かった瞬間、タイピングマシーンになる姿はさぞかし社会に従順にみえるだろう。それでも残業はそんなにしたくないもので、しても1時間ぐらいで終わらせたい‥と思うのだが、人手不足と業務量の大幅増加の強力タッグによりへとへとの毎日だ。しかし、そんな残業にも楽しみはある。
1
19:30ごろに食べるおにぎり。定時を少し過ぎた時間で、これは残業確定です、となったらこっそりおにぎりやパンを買いに行く。完全に夜のお供だ。これでどうにかお腹と気を紛らわすことができる。
2
誰もいない帰宅道での大合唱。わりと人通りの多い道を歩いて帰るのだが、21時を回るとまあほとんど誰もいないわけで。マスクも外してイヤホンで流れるさまざまな音楽を口ずさむ。中学時代、友人と毎日歌いながら帰ったのが、とても楽しかった思い出として残っていて、それをまだなぞるように歌ってしまう。大人になると外で歌うとか、恥ずかしくてできないけれど、暗い夜の広い道は誰も見ていないし、聞いてもいない。ちょっとMVみたいで嬉しい。
今日はウーバーイーツの自転車が横を横切った時、マックのポテトの香りが足跡になっていて、マスクを外していたから気づけたなと思った。
3
会社の人とのお喋り。みんな残業となると気が緩むようで、スラムダンクの話やSnowManの話、好きなお菓子の話や珈琲の話、わりと思いも思いの話をしだす。業務中なのは変わらないけれど、もうなにしたって帰り遅いしいいかアハハハ〜という気持ちが滲み出ていてなんか面白い。
もうすぐ社会に出て1年が経つ。日々の速さに驚くけれど、なんとかしてしがみついていたい。身長も1センチ伸びたしね。