転職実況中継 その7
月曜日。
上司に伝えた。辞めますって。
WFHだと、ほんとサラッと、ちょっと話せますか?的な感じでコール設定して、雑談とかも正直出てこず、単刀直入に、辞めます。。って言った。
反応は結構あっさりしてた。
え、なんで!いつ!的な反応はあったけれど。
とりあえず、本当の理由とはちょっと違うような気もするけれど、会社の考えがいつまでも見えないのがちょっとなぁとずっと思ってて、でも働いてきた人たちは好きだよ的な、要は人が原因で辞めたいわけじゃない、新しいことをしたいんだ的なことをふわっと伝えた。
なんと言っても日本語でも微妙な感じなのに、細かいニュアンスを英語では伝えられなかった。
何かできることはある?って聞かれて、本当にわかんなくて、今までと同じように辞める日までは一緒に働きたいって言った。退職の意思を変えるようなことはないけれど。
I could have been a better managerって言わせてしまってごめんねって思ったり。どういう存在が良い上司かはわからないけれど、私も今まで何人もの上司と働いてきたけど、今の上司はかなりユニークだったし、一番近い存在だったなと思う。次の上司から、人のマネージについて学べるといいねって言ってくれた。coordinationやorganizingのコンピテンシーについて言われたり。そもそも今の会社はnot too badだけれど、別にベストじゃないし自分らは十分もがいて色々やってきたやんか、的な感じで。
自分ら3人しかチームにいなくて、一応日本以外マーケットへのコミュニケーションを色々やってきてるんだけど、正直できること、自分らの必要性はなかなか広げられなかったし深めきれなかった感はある。30代でペーペーでもないし、結構一緒に頑張って仕事してきたんだけどね。
上司も、次の仕事探すモチベーションになったわ的な感じに最後はなってた。もう一人のチームメンバーも遅かれ早かれ辞めそうな気はする、とも。
上司自身も何社も転職してるし、周りが転職することも慣れてるし、むしろちゃんとこういう時間、機会を持って伝えてくれてありがとうって言われた。
日本人の感覚とちょっとやっぱ違うのかな。もちろん自分たちは普通の上司部下よりだいぶ同僚って感じで、土日にちょこっと遊んだりしたこともあったし、飲みにもたまに行ってたし、友人に近い感じだから、寂しいよー的なことは言っていたけど。転職自体にはすごくポジティブに受け止めてくれて、happy for youと言ってくれて。ここよりもいい機会があったらさっさと行きなって常に言っていたし。私の方がよっぽど身構えていた感はある。あと、頭のいい上司だから、私が出張のことを濁していた段階で、何かあるかも?とは思っていたらしい。そりゃそうよね、私出張好きなの知ってたもんね。というわけで、あとは本当に事務的にことを進める。どんどん重くなるプロジェクトも、細かいタスクの割り振りが始まる前に、退職するからプロジェクト抜けることを伝えたい。後々なんでやねん早く言ってよってなるのも嫌だしな。。。地味に色々気が重い気もするけれど、今まで考えてきたり責任感じてた仕事が、いざ離れるとなるとなんのためにやってたんやろ?とも思う。
なんとなく心が重くなりそうだったから、仕事の後にゴルフの打ちっぱなしに行った。
その道中、1社目の退職の頃のことを思い出した。
1社目を辞めるときは、心も体もボロボロで、何が起きているのか、何をしているのか、正直不思議だった。辞めるしかなかった。そしてすごくすごく辛くてネガティブな辞め方だった。本当に恵まれた素晴らしい会社、環境にいたのに。
で、退職時にお世話になった人たちに書いたメールに対する私への返信を、多分1年近くかな、怖くて開くことができなかった。そして時が経ち、ずっと未読にしていたメールを開けられるようになった。そこには、新卒以外で入る人も、途中で辞める人もほとんど居ないような会社で、数年しか会社に居なかった、鼻っぱしの強い小娘に対しての、大先輩ひとりひとりからの温かな返信があって。この会社で君はよく頑張ってたし、これからどんな道に行くんだとしても君の未来は明るいはずだよ的なことが書かれていて、号泣したのを思い出した。
今まで、そしてこれからの私の仕事の道程は、その人たちに誇れるものだろうか。
胸を張って、あの最初の会社から、紆余曲折を経て、これだけ成長した社会人になっているよって言えるだろうか。
まだ100%では言えないけれど、言える自分に近づいているかもしれない。まだまだ遠いかもしれない。
また次の世界に行くけれど、どんな時でも、見守ってくれる人、助けてくれる人、応援してくれる人が周りにいることを忘れたくないなって改めて思った。今の上司や同僚も、そういう存在だなと思えて、とても幸せだなと思う。