転職実況中継その9

最終出社日を終えた。有給消化中の自由の身。
引き継ぎは、完璧とは言えなかったかもしれないけれど、最後の数週間とかは正直もう辞める会社のことに100%を注げなかった。。まぁいっか、みんな頑張ってくれって思ったプロジェクトもある。でもちゃんとやり切った仕事もある。だから許して。少なくとも主務に関してはちゃんとした。

てなわけで、大きい会社を辞めること、出入りの多い会社を辞める場合は、こっちが思う人生の決断なんていう扱いではなく、とても事務的でとても簡単だった。拍子抜けしちゃうよって感じで。しかもコロナ禍とかフレックスとかそういうのもあって、最終出社日の挨拶回りとか、オフィスに人がいなさすぎてあっけなかった。(上司と定時過ぎまでお茶してたから、その間にだいたいの人が帰社してしまったのもあるけど・・・)でも、一番お世話になった上司(ていうか今はもう大事な友達)、そして一番私が辞めることで仕事の皺寄せがいってしまう同僚(とても仲良くなれそうな気がする人でもある)とはちゃんと話もできたし、大事な人を大事にしたい自分にとっては、これでいいって思う。みんな定時までオフィスに座ってて、定時間際に一人一人お菓子を配っていく、、みたいなのはもう古い慣習になるのかしら。

さて。やっぱり振り返ってみた。この4年余りについて。

留学から帰国し、あの時ピンポイントでやりたかったことをやれそうな会社、ただそれだけの理由で入った、全然興味のない会社。初期の暗黒時代が酷すぎて、辞める寸前までいった数年前。ただ、その時たまたま辞めた同僚の、チームのみんなに「次でも頑張ってね」「寂しくなるよー」って言われる姿を見て、「あれ、私が今辞めても多分こういう風にはならないぞ、それでいいんだっけ?」と思って、急転直下で転職オファー撤回したあの時、きっと私の神様が珍しく仕事したんだと思う。面白そうなプロジェクトにアサインされて、結局辞めなかった。

そして数年経ち、本当にあの時辞めなくてよかったと今思えてる。一緒に働いてきたいろんな人のことが頭に浮かんで、寂しいな、仲良くなれてよかったなって思えるくらいになれて、本当によかった。

未練はない。よく働いた。正直言って、よく頑張った。辛い時も長かった。ずっと幸せで楽しいことばかりじゃなかった。でも、最後の挨拶に書いたことは嘘じゃなくて。いいことばっかり覚えてる。いい人たちと働けて、世界中の人と働けて。また会いたいな、いつか会えたらいいなと思える人がたくさんできて。辞めるよのメッセージの後、メールくれたり、チャットくれたり、嬉しかった。結局仕事での繋がりってサクッと消えちゃうかもしれないけれど、それでも返信があること自体嬉しかった。

そして、この4年以上を振り返ると、自分がやってきたこと、積み上げてきたことは、もしかしたら間違ってなかったかもしれないなって。自分には何もないな、ってずっとずっと思ってきたけど、いろんな国やサービスの、いろんなチームや人と関わる仕事を、面倒なことを、投げ出さずにちょっとずつ積み重ねてきて、よかった。きっと他の会社では、少なくとも私が今までいた会社では、なかなかできない経験をできて。正直会社のことはいつまで経っても好きになれなかったけど、自分の職種、環境はとっても恵まれていたと思う。完遂していないプロジェクトもあるのだけれど、まぁそれはそれということで。

会社員として、社会人として、この4年余は劇的だった。よく頑張ったって今思えるから、寂しいよって言ってもらえる今を経験できてるから、前を向ける気がする。今までで一番長く働いた会社だし、変にネームバリューあるから会う人からよくイジられたし、なんだかんだ暗黒時代以外は自由に楽しく過ごせてた。

こういう風に会社を辞めるのか、って想像もしていなかったけれど、必ずその会社を去るときは来る。どういう風に去りたいか、それってそこでの仕事を頑張る一つの指標になるかもしれない。

私は、あの時逃げるように辞めないでよかった、少し我慢したり、耐えたり、そういうことも経験した。会社が好きか、とか、会社のルールがどうのこうの、とか意外と気にならなかったり、慣れたりするんだな、とか、絶対穴があるからぬらりくらりやれるわ、とか、色々学んだ。(もっと仕事のコアを学べばいいのにね)相変わらず私の専門はわからないままだけど、それは次のお仕事で深めていきたいと思う。

爽やかに、みんなありがとう、バイバイ!って去れて幸せものです。


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