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ランダムダンジョンの攻略方法/制作の考察
この記事は WWA Advent Calendar の22日目です。
●2025/01/04 更新
下記2項目を追記しました。
■追記:ランダムダンジョンの楽しさについて
◇追記:サンプルダンジョン
◇はじめに
ローグライク(ローグライト)が大好きないぬ26です。
私のおすすめはこんな感じです。
・風来のシレン6(王道ローグライク、システム回りも優しい)
・Slay the Spire(デッキ構築ローグライト、来年2が出るらしいよ)
・サイコロ元素師(デッキ構築ローグライト、スマホで手軽に遊べる)
・Backpack Hero(デッキ構築ローグライト、steam版がおすすめ)
あまり長々と詳細を語ってしまうと、
WWA Advent Calendarとは…になるのでこの辺で。
さて、WWAのジャンルに「ランダムダンジョン」が存在します。
私はこのランダムダンジョン(以下、[ランダン]と略す)も大好きです。
(ローグライト…といえるかは微妙ですが…)
私が今まで作ってきたランダンは以下の通りです。
【らんだむたわぁ】(一応ランダムダンジョン、一応)
【ランダムオーブン】(戦闘毎アイテム破壊が特徴)
【ミックスサイクル】(合成ありの繰り返し挑戦するダンジョン)
…あれ思ったより少ないなあ。
今回はランダンについて、
遊ぶ上での攻略法と作る側での手順、考察を記述しています。
(ランダンを流行らしたいというのが主目的です。)
◇ランダムダンジョンの攻略
今回の攻略では、下記の点を重点に置きます。
・クリアすること
・ステータスが高くなること(ハイスコアを狙うこと)
タイムアタックや縛りプレイをする場合は
攻略の趣旨が異なるため、今回の考察からは除外します。
■システムを理解する
あらゆるゲームに言えることですが、
ゲームへの理解を深めることが重要です。
・生命力/攻撃力/防御力/特殊のステータス/アイテムの優先度
敵のステータスによって攻撃力・防御力の重要性は変わりますが、
特に戦闘回数が多い敵や強制的に戦闘する敵に対して、
有効なステータスを優先して強化しましょう。
-生命力+防御力が低い敵は攻撃力を上げよう
-防御力が高い敵は被弾回数を減らすために攻撃力を上げよう
-攻撃力が低い敵は被ダメージを減らすために防御力を上げよう
-バランスが良い敵はバランスよくステータスを上げよう
・マップ構成の把握
ランダンでは、探索可能範囲が制限される場合があります。
(フロア移動すると前のフロアに移動できなくなる等)
プラスアイテムの回収はもちろん、
敵を倒して所持金やステータスが上昇する場合は、
生命力と相談して戦闘することとなります。
■プラス効果を優先して探索する
ランダンでは、敵やアイテムの配置がランダムであることが多いです。
まずは敵との戦闘を避けて、すぐに取れるアイテムを入手しましょう。
敵との戦闘が避けれなくなった場合、アイテムを多く入手する道か、
未確認の画面に進める道のどちらかを考慮して進みましょう。
例外として、透明の物体(罠など)が存在する場合は、
マップ探索自体がリスクとなるので注意しましょう。
■セーブについて
セーブ機能がある場合、戦略が大きく変わります。
・ランダム抽選が再度行われる場合、リセマラする
リセマラ…リセットマラソンの略。
良い結果が得られるまでリセット(ロード)しなおすこと。
宝箱等を開けるとランダムでアイテムが出現する場合、
最良のアイテムが出るまでリセマラしましょう。
・ランダム生成が事前に全て行われる場合、下見をしてから攻略する
現在のWWAの仕様として、
ランダム生成はゲーム開始時に全て抽選されます。
ゲーム開始時に別ブロックでセーブをしてから、
1回下見として内容を把握しつつ軽くクリアする。
その後、別ブロックに保存してるデータで攻略する。
事前に内容がわかるため、有利に立ち回ることが出来る。
セーブ可能な場合、ゲーム性が大きく変わります。
ハイスコアを切り詰める場合には重要ですが、
プレイ時間は嵩みますね。
クリアのみを目指す場合は、ある程度妥協をしても問題ありません。
◇ランダムダンジョンの制作の考察
■制作の流れ
まずはどのようなランダンを作るか、大まかな仕様を決めましょう。
(下記は一例です)
・ゲームコンセプト
-広大なマップを探索する
-1画面のフロアを何層も潜って
-何度も探索し、少しずつ強くなって攻略する
・ステータスの変動
-敵戦闘後に能力アップアイテムを入手する
-所持金を使用して、特定のステータスを上昇させる
-アイテムを入手、所持中効果や使用効果により上昇する
・特殊な仕様の提案
-アイテムを合成で強化させる
-コストを支払い、物体破壊などの特殊効果を発生させる
-状態異常を実装し、それに対抗するアイテムを用意する
基本的な仕様が決まったら、
場面別に出現テーブルを作成しましょう。
・場面1に出現する敵
・場面1に出現するアイテム
・場面2に出現する敵
・場面2に出現するアイテム
…etc
これらをマップに配置すると完成です。
なお、繰り返し同じマップを遊べるようにするには、
物体パーツを再配置する機構が必要です。
■バランス調整について
ランダム要素のゲームにおいて、
ゲームバランスの調整は難しいと思われます。
[期待値]×[配置される物体の数]で
大まかな最終ステータスは予測できますが、
よりバランス調整がしやすい工夫を提案します。
・物体の数を増やす
試行回数を増やすと、分散が小さくなります。
つまり、ランダムに配置するパーツが多い程、
バランスがとりやすくなります。
・物体ごとのリターンの差を小さくする
例えば、敵がステータス強化アイテムを落とすようにすると、
たとえアイテム出現数が少なくてもバランスが崩れにくい。
・プレイヤー側からステータスを調整させる
敵から入手できる所持金により自身を強化出来たりすると、
攻撃力や防御力が偏った場合でも、
プレイヤー側で調整出来るので、実質バランスを保つことが可能。
↑の「物体ごとのリターンの差を小さくする」効果もありますね。
・配置場所により、テーブルを決める
マップに配置するランダム選択パーツを使い分け、
「このマスは敵/アイテムが出現する」と
ある程度確定させておくと、
バランスが調整しやすくなります。
スタート地点付近は確定でアイテムを出現させると、
いきなり強敵に囲まれて詰む…ということは避けられます。
・アイテムを再抽選させる、その際に確率を変動させる
例えば、通常のアイテムの代わりに宝箱を用意し、
中身をランダム抽選します。
この際、scriptを用いて確率を変動させます。
-例1:宝箱の中身を配列で管理、選択されたものは除外する
100個の内に大当たりが1個ある場合、
100回引けば必ず1個手に入る、複数は手に入らない
宝箱の数が可変の場合は、補充の処理を忘れずに。
-例2:各アイテムの当選確率を用意、当たったアイテムの確率を下げ、
それ以外のアイテムの確率を上げる
アイテムの偏りを減らす方法として便利です。
(ランダンではないですが、【トレジャードアイング】では
マスの配置やカギの生成など、様々な抽選に用いています。)
・備考:低確率による楽しさ
上記はゲームバランスを調整する方法です。
あえて低確率の要素を含ませて、
それを引けたときのプレイヤーへの快感を与えることは、
ゲーム体験のアクセントとなります。
:例:
・レアアイテムを入手して通常と異なる強力な効果を得た!
・攻撃したら会心の一撃がでて大ダメージを与えた!
・メタルなレアな敵が出現、倒すと経験値を大量ゲット!
この低確率の要素は調整が難しいです。
ゲームメイクできるレベルの強さとなってしまうと、
バランスが崩壊してしまいます。
上手く使い分けましょう。
(例えば、初代風来のシレンの分裂の壺は入手率が低いものの、
加えて吸出しの巻物2枚入手した時点で何度でもアイテムを分裂、
無限増殖が可能となり、ゲームバランスが崩壊してしまいます。)
■追記:ランダムダンジョンの楽しさについて
人によって何が面白いのかは様々だと思います。
ですので、自分が面白いと思うものを作るとべきと考えています。
私がローグライクな好きな理由は下記2点が大きいです
・与えられたリソースをやりくりすること
・アイテム間の相互作用、コンボにて有利にすること
WWAで私が特に好きな
【ランダム合成ダンジョン】【骸伝 いつか見た虹】
は上記の要素が含まれていますね。
主軸となる特殊システムに対して様々なアイテムを搭載すると、
ランダムダンジョンの面白さにより深みが増すと思います。
上記作品はアイテムの種類が非常に多いですが、
短めの作品なら通常の強化アイテム+レアアイテムを搭載すると
ちょうどいいかもしれません。
■セーブ可否について
ゲーム中のセーブの可否について、
基本的にはセーブ不可にするべきだと私は思います。
プレイ時間が長くなる場合や、
カジュアルに遊んでもらう場合にはセーブ機能は助かりますが、
ハイスコアを狙う場合はリセマラが必要となり、
面倒と感じる人がいるかもしれません。
プレイヤーに優しくする手段として、
下記を提案いたします。
ゲーム内の説明を細かく表記する
効果が不明な事象が発生した時、
特に確率で発動する場合、何が起こったのか理解もできず、
プレイヤーは理不尽と感じる場合があります。
戦闘終了後の特殊効果や、透明の罠が発動した場合などは、
テキスト表示(ピクチャ機能も◎)で何が起こったのか表示しましょう。
また、スタート地点に説明部屋を設ける等の対応も親切でいいと思います。
1プレイ単位を小さくする
ゲームそのものが長いと、セーブ不可の場合に
プレイが難しい場合があります。
1プレイ単位は短めに設計すると良いでしょう。
ゲームオーバー時、1手戻す機能を作る
セーブ不可での一番大きなストレスは、
誤操作によるゲームオーバーと思われます。
(失敗して即終了はローグライトでの醍醐味ではありますが…。)
ゲームオーバー時に1手戻す機能を用意すると優しいと思います。
例:生命力変動時に座標を記録、ゲームオーバー時に復帰する
◇おわりに
いかがでしょうか。
ランダンについて思っていることを書いてみました。
この記述を参考にして頂けると嬉しいですが、
必ずしもこの内容通りに作る必要はありません。
今後も様々なランダンが産まれることを祈っています。
◇追記:サンプルダンジョン
サンプルダンジョンを作成しました。
【サンプルランダン1】
特に不具合が無く、scriptのコメントを整理し終わったら、
noteにzipでアップロードしようと思います。
明日12/23のWWA Advent Calendar 2024は、
まつゆき様の
「node SEAを利用した wwa-server のWindows向けバイナリ生成法」です。
WWA制作者向けの内容ですね(無難なコメント)。
おたのしみに~。