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その2~ひとり法人の事業なんて何でも構わない

準備し過ぎない。まずは入り込む。


ひとり法人を設立する事そのものは、資本金を準備したり法務局で登記したりと、事務手続きをこなすだけなので、特に難しい事はなにもありません。

問題は、「何の事業を起こすか」です。

多くの人がまずここで悩んで止まってしまうと思います。
「これまでの自分のキャリアと辻褄が合った事業にしなくては」
「よそには無い斬新な商品やサービスを準備しなきゃ」
「綿密に市場調査して、事業計画書も作らないと」

などと肩に力が入ってしまい、考えているうちにぐるぐると悩んで身動きがとれなくなっていきます。

あくまでも私の個人的な意見ですが、「事業なんて何でも構わない」と思っています。

無い知恵を絞って無理矢理に新しい商品とかサービスを考える時間をかけるのなら、すでに世の中で一定の支持を得ている商品カテゴリーとかサービス分野に「まずは入り込む」方が、後々プラスに働きます。

習うより慣れろ、です。

私の事業は、健康食品のサプリメントの企画と販売なのですが、正直な話、
起業する際に、
「誰も見たことの無いような商品を作って人々の健康を劇的に改善しよう」
というような、高尚な目標を掲げた訳でも何でもありません。

いろいろな商材をネット販売で試すうちに、
「大きな資金が無くても参入しやすそうだな、免許も資格も要らないし」
くらいの動機で始めました。

まずは見様見真似でやってみる

最初はamazonで売れている製品を仕入れて、相乗り出品(同じ商品ページにぶら下がる出品形態)からスタートしました。

たいていの場合は、先発の出品者がすでにその商品ページ上でのシェアを持っていますので、後発の出品者はまず売れません。

ですが、少ない数量でも自分自身で選んだ商品を世の中に出してみることで、販売動向のデータを見る目が養われていきます。

どの季節に動きが良くなるのか?
曜日ごとの傾向はあるのか?
時事的な話題との関連性があるのか?
その際、どんなキーワードで検索されているのか?
等々を真剣に考えるようになります。

私の場合、そのような研究を2年程続けたことで、だんだんと
amazonの中のどのカテゴリーであれば、入り込む隙間がありそうか?
という目が養われていきました。

そこで次に
「小規模でも自社のオリジナル製品を作ってみようかな。
粗利が全然違うし」
と考え方がシフトしていきました。

この際、やはり意気込んで他社に無い斬新な製品を作ろうなどとは考えず、
他社製品を参考に、パッケージや内容などを少しだけ捻りを加えて、自社製品を作成しました。

私は音楽が好きなのですが、例えると、
「誰も聴いた事の無いような革新的な曲」を作るのではなくて、
「過去のヒット曲を研究して、王道のコード進行をベースにサビや転調を少し工夫した曲」
を作るような感じです。

そもそも世の中のほとんどの商品やサービスで、まったくのゼロから生まれたものなどはごくごく僅かです。
ほとんどは過去のものを下敷きに改良して、それをまた別の誰かが改良して…の繰り返しです。
もちろん著作権や商標を侵害するのはまずいですが、他社が引いたレールを上手く利用させてもらって、まずは自分のオリジナルを世に出してみる事を優先すべきです。

それでも最初からがんがん売れるような甘い世界ではありませんが、小さくてもトライアンドエラーを繰り返していくと、自然とアイディアはこなれていきますし、中期スパン・長期スパンでの計画が頭に浮かぶようになります。
それらをひたすら自分一人で煮詰めていけばよいのです。

もう上司も同僚もおらず、居るのは社長である自分だけなので、
会社に所属していた頃のように、報告や共有のために誤字脱字レイアウトに腐心してパワポ資料を作ったりする必要はありません。

そんな暇が合ったら、自分の中の思考にできるだけ時間を割くことが、事業を着実に育てていくことにつながります。


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