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【資本主義を体感する】高級ホテルのラウンジとチェーンカフェと図書館と『ヒルビリー・エレジー』と

『ヒルビリー・エレジー』という本の中に、こんな一節があります。

仕事が欲しければ、オンラインで求人情報を検索して、10通ほど履歴書を送り、向こうから電話がかかってくるのを待つ。

中略…

問題は、このやり方で応募すると、ほぼ確実に失敗に終わることだ。あの1週間にわたる面接を経験して、成功者たちは、ふつうの人たちとはまったくルールのちがうゲームをしていることに気がついた。

『ヒルビリー・エレジー』J.D.ヴァンス 関根光宏・山田文 訳 光文社 2017年 332p

あなたは、テレビの政治家が国民の反感を買うような発言をするのを見て、不思議に思ったことはありませんか?

「なんでわざわざあんなこと言うかな…」と。

あるいは、
「彼らの頭の中はお花畑なんじゃないかな?」と。

私はずっと思っていたのですが…

たぶん、彼らは別にふざけているわけではなくて、単純に住む世界が違うので、庶民の実態が見えておらず、結果、反感を買うような発言をしているだけです。

悪気なくです。

「いや、そんなはずないでしょ?」と思う方は、3杯のコーヒーを求めて1日彷徨ってみましょう。

私の言わんとすることが、
きっとお分かりになるはずです。

3杯のコーヒーで資本主義を体感する

資本主義を体感する簡単な方法は、
3杯のコーヒーを飲んでみることです。

資本主義とは、資本を多く持つものがピラミッドの頂点に近づけるシステムですが、その理由は、世の中のあらゆるモノに値付けがされているからです。

お金があればたくさんの物が買えて、
たくさんの経験ができて、
周りから賞賛されます。

反対に、お金のない人は、
落伍者として、ゴミを見るような目で見られます。

「買える」「買えない」は、
資本主義社会における重要なモノサシです。

しかしながら、私たちは普段、自分の階層に合った生活をしているので、資本主義社会を肌で感じることはありません。

コンビニ行けばおにぎりを買えるし、
カフェに行けば、コーヒーを飲めるからです。

一方で、資本主義社会を強烈に感じている人たちも、世の中には存在します。

例えばそれは、お金を見せれば、人は目の色を変えるということを知っている人たちです。

貧乏家庭に生まれた子供も、
空腹を通して、資本主義を体感します。

良くも悪くもですが、
宙ぶらりんな中流階級は、
資本主義を理解することなく大人になります。

まぁ、理解しなくても大人になれるし、普通に生活できると思うのですが、そういう人たちは、「The 王道」みたいな人生を歩むことになります。

  • ある程度の年齢で出世が頭打ちになる

  • 定年まで働くことになる

  • 働いても働いてもお金がない

  • 結婚して、車を買って、家を買って、子供を産んで、仕事を辞められなくなる

  • 同じ人間とは思えないような美人と出会うことができない

で、そうじゃない人たちは、人生のどこかで人格が変わるほど強烈に、資本主義を体感しているケースが多いと思います。

といっても、仮に「そんな経験がしたい」といって、すぐにできるものではありません。

でも簡単な方法もあります。

それは、3杯のコーヒーを飲んでみることです。

つまり、顧客層や価格の違う3つの場所に行ってみるということです。

高級ホテルのラウンジの顧客層

多くの高級ホテルにはラウンジがあり、
宿泊客問わず、誰でも利用できます。

多少のドレスコードがある場所もありますが、基本的には、よほど汚い身なりでなければ、誰でも利用できるはずです。

高級ホテルのラウンジの顧客層は、
基本的に上品な人たちが多いです。

  • 外国人旅行客

  • 仕事ができそうなビジネスマン

  • 暇を持て余した老夫婦

  • カップル

コーヒー1杯が2,000円とかなので、ファストフードにいるような、噛まずに食べて、とんでもない速さで出ていくような客は1人もいません。

清潔感のある、
余裕のありそうな客ばかりです。

そして気づくのは、
女性の美人率の高さです。

ドリンクの味に関しては、
特別美味しいとかはないです。

それにも関わらず、
高級ホテルのラウンジに行く人たちはいます。

それはなぜでしょうか?

  • 独り言で怒鳴っているようなおじさんがいない

  • 下品な会話をしている人がいない

  • 高校生や大学生がいないから静か

  • 適度な静かさなので会話しやすい

  • スタッフの接客レベルが高いので、嫌な思いをすることがない

  • 雰囲気が良い

とりあえず、社会人になってから関係性が浅い人とデートをするなら、ホテルのラウンジに行きましょう。

デートがうまくいくこと間違いなしです。

チェーンカフェの顧客層

チェーンカフェといっても、スタバなのか、ドトールなのか、店のカラーによって全然違いますが、平日は1人や商談中の会社員で席が埋まっていて、休日は、若いカップルなんかが多いですね。

時間帯にもよりますが、
基本、騒々しいのが特徴です。

大声で、昨日観たテレビの話とか、
マッチングアプリで出会った人の話とか、
政治の話なんかをしている人たちもいます。

あとは、ホテルのラウンジに比べて、
けっこうガサツな人が多い印象です。

例えば、
クチャクチャ音を立てて食べ物を食べたり、
大きな音で鼻をかんだり、
テーブルにドサっと荷物を置いたり、
ものすごい勢いで椅子を引いたり…

時間帯によっては、
1人で読書したり、
勉強したりしている人たちもいます。

そう言う人たちが集まる時間は、
すごく静かです。

チェーンカフェに行けば、
日本のスタンダードを知ることができます。

このカテゴリーに属する人たちは、
同じカテゴリー内の人と出会い、結婚します。

仕事に嫌気がさしたり、旅に出たくなることもありますが、基本はカテゴリー内をぐるぐる回って、命のバトンを繋いできます。

民主主義を語るなら、
絶対に忘れてはならない存在です。

図書館の顧客層

図書館にコーヒーはないと思いますが、無料施設のような場所として考えてください。

このカテゴリーには、ハローワークのような無料の職業相談所や、児童福祉施設なども含みます。

要するに、セーフティーネットのような場所です。

図書館については、単に勉強目的の高校生なんかもいるのでちょっと違いますが、いわゆる弱者のカテゴリーです。

私も最底辺の生活をしたことがあるのですが、このカテゴリーに属する人たちは、世の中から透明人間のような扱いを受けます。

都会のホームレスをイメージしてみるとわかるかと思います。

ボロボロの服で道端に横たわっているのに、ほとんどの人たちは無視して歩いていますよね。

少し前に読んだ本では、
餓死した30代の男性のことが書かれていました。

発展途上国の話ではなくて、
日本の話です。

炊き出しに並ぶ20代や30代の人たち、
お腹を空かせた子供たち。

本当に助けるべき人たちは見えづらいので、無視されるか、支援が届かないのです。

このカテゴリーに一度でも属してみれば、マクドナルドは贅沢品だと感じるようになるはずです。

自分にとって居心地の良い場所を見つける

3杯のコーヒーを飲んでみれば、1杯のコーヒーしか飲んだことのない頃よりも、世の中のことが少しわかるようになるはずです。

街中を歩いていると、たまに、喚き散らしているおじさんっていませんか?

私はごくたまに見かけて、
目を合わせずにその場を去るのですが…

この世の中には、そんなおじさんを手品みたいに目の前から消す方法があります。

それが、自分が属するカテゴリーを変えるという方法です。

ただこれは、私たち自身にも言えることで、もしも仮にあなたが、求めているのにも関わらず、3高男子(古い)や、スタイル抜群の美人と出会えていないのなら、あなた自身が彼らの世界から消されている可能性があります。

そしてこれこそが、政治家が問題を解決できない理由なのではないかと思うのです。

まぁとにかく大事なことは、
3杯のコーヒーを飲んでみることです。

「貧乏になりたい」と思う人はいないと思いますが、「やっぱり普通が一番」なのか、「たくさんのお金を持っていたい」のか、

自ら体験してみれば、
自分が居心地の良い場所がわかるはずです。


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