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日本人は海外旅行も国内旅行もできなくなっていく

京都のオーバーツーリズムが問題になっている。都内でも、ホテルの値段が高騰していて、出張でホテルの上限を決められていたりすると、宿泊先を探すのにも苦労しているかもしれない。

出張だけではなく、普通に観光するにしても、「東京は高くて泊まれない」という状況になりつつある。
ホテルの値段が上がっているのは、コロナ禍でのマイナスを取り戻そうとしているのかもしれないし、他に理由があるかもしれない。

でも確実に言えることは、
需要があるということで、
その需要の一つは、円安によって日本旅行にお得感を感じている人たちによって生み出されている。

対して、日本国民はというと、かつてお得だった国への旅行がお得でなくなり、「じゃあ国内旅行にしようか」と思っても、気軽に旅行できるような値段ではなくなっている。

円安や円高というのは、相対的なモノサシであって、絶対的な基準があるわけではない。ドル円が90円の頃に比べたら、150円の今は確かに円安だけど、360円の頃に比べたら、大幅な円高だ。

何度も海外旅行に行っている人たちにしてみたら、お得感がなくなってきていると感じる場面でも、初めての海外旅行なら、同じようには感じない。

海外旅行における円の価値は、相対によってもたらさせる。一方で、国内旅行には、ある程度絶対的な価値基準が存在する。大人なら誰もが物価に関して一家言持っているだろうし、仮に持っていなくても、3つ星ホテルに2.5万円は支払いたくないだろう。

毎年、ゴールデンウィークには、国内、海外問わず旅行者が増える。ゴールデンウィークやお正月のような、カレンダー通りの長期休暇にしか旅行ができないのは、雇われ人のデメリットだけど、円安とオーバーツーリズムの今、かなり割高な支払いをしなければならなくなる。

投資で言うなら、こういう高くつく買い物をする人たちは、センスがない。新築のワンルームを購入したり、誰もが知る人気企業に投資したり、結局のところ、割高なものは高くつく。

他人のせいにするのは好きじゃないけれど、円安に関して言えば、悪いのは政治家や官僚のせいだと思う。あるいは日銀とか。マクロなものがうまくいっていないのは、トップがちゃんと仕事をしていないからだ。

裏金問題がニュースになっているけれど、そんなことで騒いでるのはアホだと思うし、時間の無駄だと思う。国民が怒っているのは、裏金そのものというよりも、自分たちの生活が苦しくなっているのに、裏では、政治家が自分たちの私服を肥やし続けているからだと思う。

少なくとも、私は裏金なんてどうでもいい。政治を円滑に進めるためにお金が必要ならば、勝手にすればいい。でもちっとも現実的な問題を解決できていないのに、私服を肥やし続けてばかりいるのは、納得いかない。

今の政治家は、親のクレジットを「自由に使っていいよ」と渡された大学生みたいなものだ。自分のお金じゃないから、見栄を張って綺麗事(他国への援助)にお金を使おうとする。

役人が自分の利益のために100スー分多く使うことは、納税者が自分で使うお金が100スー分だけ減ることを意味する。ただ、役人が使うお金は実際に支払われるもので目に見える一方、納税者の支出は実現しなかったものなので見ることはできない。

『自由の経済学 あなたの教授が教えてくれないこと』フレデリック・バスティア

政治家は、クレジットを現金に変えようと躍起になっている。一般人がマネーロンダリングをしたら捕まるけれど、なぜか政治家は捕まらない。今の日本の政治家は、クレジットを使って新幹線のチケットを現金化しようとしている奴らと、やっていることは同じだと思う。

クレジットのお金はいつか返済が必要だけど、彼らは借金で借金を返済する、多重債務者のようなライフスタイルを送っている。彼らと国が違うのは、彼らが死ぬまで借金に追われるのと違って、国の借金は、今生きている政治家には、少なくとも返済を迫ることはできないということだ。風船はいつか割れるけれど、それが割れるのは、もうちょっと先のことだ。だからクレジットを持った大学生は、際限なくお金を使う。

そんなわけで、旅行はもう、庶民の娯楽ではなくなった。まぁ昔は贅沢品の一つだったから、そこに戻っただけかもしれない。日本が好景気だった頃、アジアにとって日本は憧れの国だった。島国の日本は、海を渡らなければ外国に行くことができなくて、海から渡ってくる日本人は、経済力のある国民だった。

でもいつか、日本人は日本から出られず、いろんな国の人たちが、「日本は安い」と言いながら、「ここが海の檻に閉じ込められた国か」と見物に来るような時代が来るかもしれない。



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