【イントランス】2024年3月期決算説明及び成長戦略
2024年5月13日付で当社グループの2024年3月期決算を公表いたしました。
つきましては、これら決算内容の情報補足、そして当社グループの成長戦略について、公表資料をベースに解説していきたいと思います。
1.2024年3月期実績
(1)連結決算ハイライト
2024年3月期は、ホテル事業中心からホテル運営事業中心へと事業構造の転換に奔走した前期と比較し、売上増加、損失改善という結果となりました。
売上増加の要因は、不動産事業セグメントにおいて販売用不動産の売却が3件と大きく進展したことでした。
また、ホテル運営事業セグメントについては、前期は運営ホテル数が1棟のみであったものが、当期の運営件数は5棟となったことからホテル運営収益が拡大しました。
一方、当第2四半期において、ハーブガーデン運営事業が連結除外となったことで、ハーブガーデン運営事業の売上は前期比で減少しています。
利益ベースではいまだ赤字が残るものの、前期の大幅赤字からは縮小しており、次年度の黒字化に向けた構造転換を継続した事業年度となりました。
その他、いまだ売上貢献はないものの、その他事業として推進してきたインバウンド送客事業において、第3四半期より事業開始するなど、ホテル・インバウンド領域における成長を目指す当社としては、ようやく各事業が洗練され、まとまりを持ち始めた事業年度となりました。
(2)実績数値
2024年3月期の実績数値としては以下となります。
上述のとおり、前期比で売上増加、損失減少となりましたが、期首公表の業績予想を下回る形で期中に業績下方修正を行いました。
期首予想を下回った要因としては、ホテル運営事業の予想が未達であったことが大きな要因です。
当社グループとしては、ホテル運営件数拡大のためにも投資案件の発掘に邁進しましたが、案件発掘、精査、交渉等に大きな時間、労力をかけましたが、当社の投資に見合う案件が発掘できず、ホテル運件件数を伸ばすことができませんでした。
また、大阪の運営ホテル開業において、旅行会社とのシステム連携に遅延が発生し、運営開始時期に大幅な遅れが生じたこと、そして沖縄のホテルにおいて夏期のハイシーズンに台風ダメージを受け、営業停止・運営縮小となったことが、既存ホテルの収益を悪化させました。
(3)収益分析
2024年3月期の売上、営業利益を前期と比較した増減要因は以下となります。
当期の売上において大きく貢献した要素は、販売用不動産販売とホテルの運営数の増加でした。
また、営業損失の改善要因は、販売用不動産の売却、ホテル収益の改善、その他、未回収となっていた債権を回収したことによる販売管理費の減少といった要因がありました。
(4)セグメントの内訳
次に各事業セグメントについてご説明いたします。
まず、不動産事業の内訳ですが、上述したように販売用不動産による売上増加が大きく、その他管理受託や工事売上は安定的に推移するも、手数料売上は減少しています。
ホテル運営事業については、前期は1棟しかなかったホテルが5棟へ増加したことにより、売上はその分増加しています。
そのため、ホテル運営事業を核として成長を目指す当社グループとしては、一定の成果は残しつつも、当初計画の運営件数増加には至っておらず、今後はいかに事業パートナー等との協業によりホテル運営件数を増やしていくことができるかが重要な要素となります。
(5)運営ホテルのKPI
当社グループはホテル運営事業を成長の核として事業推進しておりますが、現在5棟あるホテルのKPI(重要指標)をホテル単位で解説していきます。
まずは、当社グループとしての第一弾のホテルとして2022年7月に開業したYUMIHA沖縄ですが、稼働率、単価ともこれまで低下傾向にありました。
しかしながら、2024年3月期 4Qから営業施策がじわりと効果を発揮し始め、ようやく4Qより稼働率、単価が持ち直し傾向となりました。
今後は、いかにこの施策を継続し、高級ヴィラとしての認知を高めて各種KPIを高めていくことができるかが成長のキーとなります。
次に、大阪のFOLIO心斎橋ですが、2023年7月に開業したものの上述のとおり、旅行会社とのシステム連携に遅延が生じたことで、正式稼働は2023年10月からと大きく遅れました。
このため、当初予算と比較し、売上は未達であったものの、正式稼働となった2023年10月からは順調な運営となり、稼働率、単価とも四半期ベースで着実な伸びを示しています。
そのため、今後については、いかに単価を引き上げていくことができるかがキーとなります。
最後に京都NAGI(三条、四条、嵐山)の3棟について見てまいります。
2023年4月より当社グループの連結となりました京都NAGI3棟ですが、京都という場所柄、どうしても桜の時期と紅葉シーズンに観光客が集中し、それ以外の時期は閑散となる傾向があります。
このため、稼働率、単価とも1Q、3Qは高く、2Q、4Qは低いという傾向であり、今後はいかに年間を通じてこれら数値を向上させ、平準化していくことができるかがキーとなります。
京都NAGI3棟は、2024年4月より国際的ホテルブランド バンヤンツリーブランドの「HOMM」ブランドとしてリニューアルオープンしていますが、今後の認知度向上による稼働率、単価の向上が期待されます。
2.2025年3月期計画
(1)事業計画の骨子
ここからは2025年3月期の計画についてご説明をさせていただきます。
当社グループはホテル・インバウンド事業を核とした成長を志向しておりますが、具体的な活動としては、「都市型投資」と「地方創生投資」への投資を推進し、ホテル運営件数の拡大を目指してまいります。
また、都市型投資は開発案件であるため、ホテルの開業時期が2~3年後となることで収益貢献も先となり、2025年3月期における収益効果はありません。
このため、2025年3月期の収益としては、既存ホテルへの投資でもある地方創生投資によるホテル運営収益と、小口不動産売買(インバウンド向け宿泊施設)による不動産収益により予算達成を目指します。
(2)連結予想
2025年3月期の連結予想値としては、売上2,593百万円、営業利益53百万円となります。
過去2年連続で損失を計上しているため、今期については不動産事業、ホテル運営事業とも大幅な収益拡大を目指し、黒字必達と考えております。
2025年3月期の計画値をセグメント別でご説明しますと、今期より不動産事業による売上をホテル運営事業が超過する見込みとなっています。
利益ベースではいまだ不動産事業による利益に依存する内容となっていますが、2025年3月期からようやくホテル運営事業を核とした事業構造が形となってきそうです。
3.成長戦略
(1)グループ成長戦略
続きまして、中期的な成長戦略についてご説明させていただきます。
上述のとおり、当社グループは都市型投資と地方再生投資による成長を目指しております。
2025年3月期から2026年3月期までの期間につきましては、収益として見込んでいるのは地方創生投資、そして小口不動産売買(インバウンド向け宿泊施設)となりますが、2027年3月期からは都市型投資のホテル開発が開業期を迎えることで、大きな収益につながる見込みとなっています。
(2)アクションプラン
具体的な中期目標のアクションプランは以下のようになりますが、各事業年度において着実な事業投資を進めることが前提となります。
これら計画が確実に履行された暁には、当社グループは大きな収益成長が見込めることとなります。
(3)ポジショニングと強み
当社グループは、サードパーティーオペレーターによるホテル運営を行うというスタンスにあります。
サードパーティーオペレーターについては、以下資料で説明していますが、このポジショニングは海外では一般的であるものの、日本では稀有な存在であり、こうした立場にある当社グループは、グローバルブランドやデベロッパーなどから注目されつつある存在となっています。
このため、このポジショニングを最大限に活用し、様々な事業パートナーと協業することで、ホテル開発・投資の実行がよりスピーディーとなることが期待できます。
以下資料にて、都市型投資(アパートメントホテル開発)と地方創生投資(リゾートホテル・旅館投資)についての開発・投資からエグジットまでの流れを説明しています。
(4)成長シナリオ
最後に、今後の当社グループの成長イメージをまとめると以下のようになります。
2025年3月期以降は、当社グループにとって非常に重要な事業年度であり、今後の成長を占う期となるでしょう。
このため、当該期以降については設定したホテル開発・投資を遂行し、これらを着実に達成していくことこそが、当社グループの成長モデルを実現する上で重要なものとなるでしょう。
当社グループの「2024年3月決算説明及び成長戦略」の内容は以上となります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
今後とも、イントランスをよろしくお願いいたします。
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