【エッセイ】7倍のご褒美より、等倍の幸せを。
今年のクリスマスは、11時から始まった。
その日は、というかここ1年、寝つくのが遅いせいだ。
決まった時間に寝て、決まった時間に起きて、学校へ行く。
それができていた去年までの自分が信じられない。
加えて、眠りが浅くなったせいで、夢を見ることが日常茶飯事と化していく。
その日は、中学時代のクラスメイトにばかにされて目を覚ました。
こわばった顔で目を覚ますと、枕元にある有線イヤホンつきのスマホに手を伸ばす。
青い光が、朝8時を鮮明に映し出す。
部屋の窓から手が届く範囲にベッド