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【社会起業家取材レポ #21】 すべての人が「好き」と出会い、「好き」と生きる~インタビュー編~

SIACの学生が東北で活動する社会起業家の取り組みを視察・取材する「社会起業家取材レポ」。今回は、SIA2022卒業生の荒木義彦さんにお話を伺いました!

視察レポート編はこちら


荒木義彦さんについて

子ども時代に趣味としていたゲームをきっかけにプログラミングに出会う。37歳の時に営業職から転じて、本格的にプログラミングを生業とし始める。現株式会社アイティプロジェクト代表取締役。東北の子どもたちに向けて体験機会を提供する活動「ロボサバ」「とうほくプロコン」「PCN仙台」など情熱を持って取り組んでいる活動は多岐にわたる。『すべての子どもたちが誰1人取り残されることなくICTの体験をすることができる社会』を実現することを目標に掲げ、イベントやプログラムへの参加をきっかけとして人生で何か1つ"楽しい!"と思えるものを持って生きていってほしいという願いが荒木さんの活動力の源となっている。子どもたちからは、親方と呼ばれている。

インタビュー

Q:震災後からICTの体験機会を子どもたちに提供するという活動を始められたとのことですが、なぜ震災後に子どもたちに目を向けたのですか?

子どもたちに向けた活動は2015年から始めているんです。2000年から現在の会社を運営しているのですが、震災後に東北を中心に活動したいと思い仙台に拠点を移しました。当時からすでにIT技術者が不足していくということが見えていました。そんな時知人から活動の誘いが来て、面白そうだと思い、子どもたちに体験させたいなと軽い気持ちで始めました。

Q:軽い気持ちで活動を始めたとのことですが、今では熱い想いを抱かれているのですね。

はい、そうですね。やってみて分かることって多いと思うんです。みなさんも子どもたちの様子を見て感じたと思うんですけど、子どもたちの本気になる目・笑顔、そして面白い・楽しい・悲しいなど子どもたちの表情・感情。これを見ていると、どんどん体験させなきゃという想いが強くなっていきました。あとは、親がいない孤児院や、海外の環境が整っていないところなどに行く機会があったのですが、そういうところにいる子どもたちに触れる中でもすごく子ども時代の体験の重要性を感じたんです。そんなこんなで、こんなにアツい親方になりました。

Q:様々な取り組みをなさっていますが、最終的な目標は何ですか?

まず第1条件は「すべての子どもたちが誰1人取り残されること無く、ICTの体験をする」ことですね。最終目標は「すべての人がプログラミングをきっかけに何か"楽しい"ということを見つけて、楽しいと思えることと共に人生を生きてくれる」ということです。今私は、子どもたちのICT体験の場を作るということでは、道が無いところに最初の道筋を作っている段階だと考えています。その道筋を誰か後進が歩いていけるよう繋げていきたいなと思います。

Q:今後事業ではどのようなことをしていきたいですか?

子どもたちの体験のためには大人の理解がとても大切なんですよ。どんどん大人の理解を進めていく、ICT教育に関わる関係人口の拡大をしていきたいです。

Q:大人達から反対意見などはあったりするのですか?

ありますよ。別に子どもにやらせなくていい、もっとわかりやすいことの方がいいという意見もあります。けど、そういう意見にふれるたびに、はたしてそれは子どもたちを見て言っているのかなと思います。大人は自分のやってきたことを基準にして考えてしまうけど、子どもはまだ引き出しがあまりありません。珍しい体験・新しい体験は、やってみたい・楽しいと多くの子どもたちが感じる(子どもたちの無邪気な好奇心をくすぐる)と思っています。

Q:子ども相手の企画が多い中、どのように利益を生み出していますか?

色々な大人に想いを話してお金を集めています。でも、それだけじゃダメなので、もっと活動の重要性・必要性を分かってもらうために、大人にもICT体験をさせたりしています。やっぱり理解してもらうには、想いだけじゃ伝わらないので、考えすぎずとにかく行動をして実績を作ることを重視しています。

Q:最後に未来の起業家たちに向けて一言お願いします。

とにかくやっちゃいなよ。考える前に動いた方がいいと思います。動いた結果、課題を見つける。正しいとかはないからどんどんやっていく。ずっと調べてる人は動かない。動いた人が明るい未来を見られるんじゃないかなって思います。

取材・執筆担当:稲葉福音・中島幸・原田紗希

編集後記

小学校で行われているプログラミング教室の視察では、子どもたちが放課後の時間に目を輝かせて、自分でプログラムを組んで出力を試すということをひたすらに繰り返す様子を見ることができました。「無我夢中」という言葉がぴったりと当てはまる子供たちの様子に、この環境こそが荒木さんの描くビジョンの「好きと出会う」を表している場所だと感じました。サポートするスタッフの方々も子供たちと一緒に試行錯誤しながら、プログラミングに取り組んでいらっしゃっていてとても微笑ましかったです。このような環境が、どこに居ようと体験できるようになる未来を非常に楽しみに感じました。
(学生事務局 鈴木)

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