無人島に何をもっていくか
ずばり、三島由紀夫の本、「不道徳教育講座」です。
私は無人島でサバイバルしたいとは思いません。衣食住は容易に利用できるとします。そうでなかったら死にます。
そうすると無人島生活の一番の問題は「退屈」ではないでしょうか。
家事だけやって寝る。この生活が続けば日常に変化がなさすぎて病むでしょう。
また私は文字がない空間が怖い。文章を読んだり、書いたりするのは他人と私の存在確認のためかもしれません。
そんなわけで本を持っていきたい。
ではなぜここで「不道徳教育講座」を選ぶのか
その謎を解明するために、一行はアマゾンの…いえなんでも。
選ぶ理由は一つ、何度読んでも飽きない良書だからです。
「先生を内心馬鹿にすべし」「知らない人と酒を飲むべし」などなど一見すると不道徳なことばかり書かれておりますが、古くからの道徳では伝えられない、世の中の真理、人間の真理を鋭くついているという、三島の深い教養と文章のセンスが光る作品です。
これ一冊もっていけば世間とは隔絶された生活でたっぷりとその本を味わうことができ、もし世間に復帰できれば無人島に行く前と違う世界に見えそれもそれで楽しそう。復帰できなければ純粋に三島由紀夫の世界観に浸れ、それに感化されて何か小説かエッセイでも書いて死ぬのでしょう。
というわけで私は本を持っていきます。
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