狭間で
「君らしいね」という言葉が私らしさを固めてくれたから。私が私らしくいる限り、あなたに生かされていると思ってしまってずっと悔しいの。
あなたからの「大丈夫」で何でも大丈夫になれたから。今でも心の中で問いかけてしまいます。「これでいいのかな」も「私が違うのかな」も、全てを飲み込んで優しい言葉を喚くように残していったから。私の奥にこびりついて、どうにも剥がれてくれません。
素敵なものに出会う度、好きなことに触れる度、あなたの存在が私の中を掠めます。
何をしていても心強いけれど、何をしていても寂しいの。
「あなたならきっとこう言うだろうな」が自然と思いついてしまうと同時に、その度にあなたの不在を痛いほどに感じて私が私でなくなるような気がします。
全て紛れもない事実だけれど、きっとほとんど私の勘違いだよね。
私は私で良かったのに。あなたに出会ってから欲張りになってしまいました。
気付かないくらい大きくて見えないくらい小さい、私の由々しく切実な欲望のような願望を、シャガの花が代わりに謳ってくれているようです。