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通勤ラッシュから学んだ、人生遠回りするべき理由

「あーーーー。今日もあの人ごみの中をかきわけてかなきゃいけないのかーーー」


最近引っ越して、職場まで行くのに電車を使い始めた。


以前は自転車で行っていたので、通勤ラッシュに巻き込まれることなく快適だったが、今は違う。


電車内はそんなに混まずに快適だけど、乗り換えるときの人ごみが、本当に嫌!


ちょっとでも電車から降りるのが遅れると、後ろの集団に入ってしまう。


早く降りて前の集団に入れれば、人と人との間隔が割と広いので、乗り換えまでの道程でコーナーの内側を攻めることができて時短になる。


しかも、周りも歩くのが早い人が多いから、スムーズに乗り換えられる。


けど、後ろの集団に入っちゃうと、人同士の間隔が狭くて歩きづらいし、しかも周りの歩くスピードも遅い。


前の人が歩くのが遅いと


「チンタラチンタラ歩いてんじゃねーよ」


ってイライラするし、逆に自分が遅いと、自分にぶつかってきそうな勢いで抜かれることもある。


だから、前の集団に入るために、今までは電車の扉の前に1番に立って、着いて扉が開いた瞬間に1番で飛び出すようにしていた。


でも、毎日毎日そんな日を過ごすようになって、だんだんとこう思うようになっていった。


「朝から何で人と競争してんだ?」

「そんなに急いでどうすんの?たかが2~3分、いや1分も変わらないときもあるのに」

「1日の始まりから心ザワつかせると、何か1日嫌な気分になる」


そして、そう思うようになってある時、僕は先頭で扉から飛び出すことをやめた。


もう朝から神経をすり減らしたくなかったから。


とはいっても、一番で飛び出さなくなったからといって、イライラが減るわけではなかった。


当然そうなるだろうとは思ってたけど、前の人とか周りの人の歩くペースが遅いのに、やっぱりイライラしていた。


そんな時に一つ思い付く。


「人がごみごみして自分のペースで歩けないのが嫌なら、ごみごみしてないところを歩けばいいんだ」


「じゃ、ごみごみしてない所ってどこだろう?」


そうやって探したところ、2箇所見つけた。


一つは、進行方向と逆側の通路。


日本人が規律正しいからなのかは分からないけど、進行方向と逆側はたいてい空いている。


例えば階段。

上りの矢印が書いてある方には上る人がいるが、その逆側(下り)を上る人はあまりいない。


「そっち側を歩けば、みんな抜かせるじゃん」


そうは思ったものの、やはり逆走するのは気が引けた。


さすがに、人目が憚られた。


そこで、もう一つの箇所に目を向けてみたけど、そこを歩くのは気が進まなかった。


だって、そこはいつも避けてきた場所だったから。


そのもう一つの箇所というのが、コーナーの外側。


コーナーの外側ということは、当然遠回りだから、距離的には長くなってしまって時間がかかっちゃう。


きっとそんなことはみんな分かっているんだろうな。


「わざわざ遠回りする人なんかいないよね。だから人が少ないんだよね」


そう思って始めは敬遠していた。


でも、日に日にイライラは募るばかり。


そして、もうそこ以外に、混み合わない場所は見つけられなかった。


「とりあえず一回だけやってみよう。何もしないでこのままこんな通勤をするんだったら、いい結果は出ないかもしれないけど、試しにやってみよう」


そう考えて、ついにコーナーの外側を歩く決心をした。


今でも、初めてそこを歩いたときの爽快感は忘れられない。


人同士の間隔が広くて、自分の歩きたいペースで歩ける!


さらに、周りを見る余裕もできた。


「みんな窮屈そうだなー」


今までは気付くことはなかったが、コーナーの内側は人が溜まっていて、流れが遅い。


まるで川の流れのように。


それに比べて外側は、人が少ない分、早く歩くことができる。


そして、周囲を見れると、


「あの人とあの人の間は何かスペースがあるぞ!あそこを歩けばスムーズに進めそう」


という場所も見つけることができるようになった。


結局、遠回りした方が、目的地に早く着けることが分かったのだ!


もちろん、予想が外れてうまく歩けないときもあるけど、7割以上は何もしない人より早く着ける。


遠回りしない人を目で追って観察してたから間違いない。


しかも、自分のペースで歩けるというあの清々しさは、多少の時間には替えがたい。


だから今でも、コーナーは外側を歩くようにして、内側で歩きづらそうにしている人を見ては、ちょっとした優越感に浸ってる笑


その経験からふと思った。


「これって人生に似てる」


元プロ野球選手で数々の偉大な成績を残したイチローさんも


「遠回りが一番の近道」


と言ってるし、お笑いタレントで数々の名言を残してるゲッターズ飯田さんも


「人生が上手くいかない人ほど、近道を選ぼうとしている。これまで上手くいっていないなら、遠回りした方が本当は近道の可能性が高いもの」


と言っている。


まさに、通勤ラッシュもそうだ。


距離的に近い道を選ぶと、みんなも同じ事を考えているから、混雑してしまって目的地まで着くのが遅くなってしまう。


でも、あえて遠回りすることで、ごみごみしてなくて快適だし、スムーズに動くことができる。


結果、目的地まで早く着ける!


そんな人生訓を、通勤ラッシュから学んだ。


「こんな大事なことを教えてもらえたのだから、通勤ラッシュも捨てたもんじゃないね」


と思ったけど、でもやっぱり、明日もあんな人ごみの中歩くの嫌だー!

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