【Interview】Web3をひらく人々/第2回-③ MeTown株式会社 代表取締役 田中一弘さん
Web3黎明期のフロントランナーにきく!『Web3をひらく人々』第2回は、MeTown株式会社(本社:東京都中央区、以下、MeTown)・代表取締役の田中一弘さんに伺っています。
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第2回-③地域の豊かさと都市の利便性を融合するライフスタイルを
―「夕張メロンNFT」は、地域産品の参加型予約プログラム「MeTown(β)」の第一弾です。Web3の特性を活用すれば、世界の誰しもが、「第2のふるさと(2nd Home Town)」となる場で、多くの人と繋がり主体的に愛着を持ってオンライン上のファンコミュニティに関われることを具現しました。
今回のプログラムは実験的でした。本当に人が集まるのか未知数でしたけれど、思えばSNSで世界中の誰しもが無料で繋がれる時代に、有料のNFTを購入し価値観を共有しようという人が250人を超えるほど集まったなんてすごい事です。良好な体系をつくれたと自負しています。ここで得たノウハウを夕張市だけではなく、オール北海道の各地に、ひいては他の地域にも還元できるよう努めたいです。
おそらくこの仕組みは知られるほどグローバルになっていくと思います。メイドインジャパンのクオリティを好む日本贔屓の外国人にまでニーズが広がれば、販売価格をもっと上げてもよいかもしれません。 “第2のふるさと”に貢献したい人の国籍は問われません。自治体の経済規模や人口規模や、立地もあまり関係なく、シンプルにそのまちに「貢献したい」という人たちの共同体がオンライン上に生まれるんです。バーチャルなまちの住民とリアルな地域の人たちを乖離しないように配慮するのが私たち運営の使命。実践を重ね、地域活性に情熱を注いでいるリアルな住民たちとの協力体制も構築しながら、焦らずさらによい流れを作っていきたいです。
―地元を離れ別の場所を生活の拠点にしている田中さんのような方にも、代え難い場になりそうですね。
極論を言うと、このプログラムは、自分のために開発しているような感じもしています。ここまでくると、自分はもう夕張市側の人間なんですよね。アイデンティティは、すっかり夕張市の一員です。それがすごくよかったなと思っています。コロナ禍で故郷の北海道に3年も帰れず、地元に何の貢献もできていないもどかしさが募っていましたから、このプログラムで夕張市に貢献でき、地元の方々に感謝までしていただき満たされています。この充実感を1人でも多くのユーザーさんと分かち合えたらと思います。
―MeTownは、デジタルを起点に地域の豊かさと都市の利便性を融合させたライフスタイルの実現を目指しています。私自身の生活も省み、これからの時代の豊かさを問う提言だとも思えました。
大学時代にニュージーランドで競走馬を飼育しているおじいちゃんのもとに1週間ほどファームステイしました。馬の糞を片付けるお手伝いをしながら、おじいちゃんに「どうしてこの仕事をしているの?」と尋ねると、「豊かだから」とおっしゃったんです。聞けばそのおじいちゃんは、もともとショービジネスの中心で活躍されていたミュージカルの演出家で、忙しい生活から一転、心静かな豊かさを求め、都会を離れたんだそうです。たしかにその場所では、都会の喧騒の中では忘れてしまいがちなごくごく日常の自然の営みや時の流れにあらためて気づかされ、感じることができました。今日もまた日が昇り、また日が沈み…なんていうか…言葉には表し難い感覚なんですが、自分なりにおじいちゃんの言う「豊かさ」を体感し、未来が見えた気がしたんです。当時味わったあの静かで圧倒的な豊かさが、弊社が目指す世界観に大いにいきていると思います。
MeTown株式会社
※NFT
記録の改変・改ざんが極めて困難なブロックチェーン技術によりデジタルデータやコンテンツの唯一無二の価値や真正性、所有権を示すことができる代替不可能な”デジタル証明書”