今日はペルー企業との商談。
プレゼンの準備を何回もし、全て頭の中に記憶済み。
早速、会議室に現れるペルー人。
小柄だが、肉厚の胸板に鋭い眼光。
まるでインカ帝国の戦士。
眼光に威圧されたあなたの頭の中は真っ白に…
なんてことにならないように、
食べておきましょうか。ペルー料理。
「どういうこと?」と思いましたね。
例えば、想像してみましょう。
眼光の鋭いインカの戦士が、
昼食後に設定された会議の際、
会議室に入ってきて開口一発目に
「サシミの横にあった緑色のモノ、
アボガドのペーストだと思ってタベタラ、
今まで体験したことの無い激痛が鼻を中心に顔面を襲イ、
まだ涙が止まりマセン。」
と、言ったり、
「あのカレーパンというものは芸術デスネ。
パンの中にカレーなんて今まで想像したこともありませんデシタ。
いま、このバックの中に、カレーパン10個入っテマス。」
なんて言ったら、
思わずこちらも何か言い返したくなりますし、
突っ込みたくもなります。
ペルー料理なんて知らないよ!
という声も聞こえてきそうですが、
牛肉の野菜炒め、【ロモサルタード】か、
魚介類のマリネ、【セビーチェ】を食べておけばいいでしょう。
【ロモサルタード】がかつ丼、
【セビーチェ】が刺身。というような位置付けです。
ペルーを代表する料理ですし、日本人の口にもよく合います。
別にボケる必要はありませんが、あなたなりの正直な感想を伝えればいいのです。
冒頭でインカの戦士。という表現を使いましたが、
海外で日本人のイメージと言えば、幕末のサムライ。
会議室で時間前から待つあなたを見て、
相手は日本刀を持つサムライの凄みを感じてしまう事でしょう。
さらに、準備万端のあなた。
異常なくらい前向きのオーラが出まくっているはずです。
その雰囲気を一瞬で壊し、
笑顔と笑いに包んでしまうテーマの一つが、
料理の話題なのです。
私は通訳として両国の間に入ることがありますが、
日本に南米人が来た場合には、代表的な日本食を食べてもらい、
南米に日本人が行ったときは、代表的な現地の料理を食べてもらいます。
勿論、その料理の説明もし、自然に話題が口をついて出てくるようにしておきます。
これから合う相手の食の嗜好がわかった場合には、
あえてそれを食べてもらったりしてしています。
この様な形で、楽しみながら、
商談成立への布石を敷いておくのです。
ただ、アイスブレイキングをしているだけではありません。
アイスブレイクするだけなら、色々な方法があります。
今までいろいろな方法を試してみましたが、
経験上、この「その国の代表料理」の話題が一番長持ちします。
「みんな」が参加したくなり、一言モノ「申したく」なる話題のようです。
そう、「みんな」が「申したく」なるのがキーポイントです。
相手が数名の場合は、このおしゃべりの中で、
誰が決定的な発言をしているのか、
誰が会話のフォローをしているのか、
冗談好きなのか、
それとも、すぐに切り上げて、本題に入りたいのか。
等という情報がササっと手に入ってしまうのです。
相手の大将が誰なのか、
どれぐらいの発言の権限を持っているのか、
どれぐらいの決定権を持っていそうか、
周りにいる人との力関係はどれくらいか。
周りにいる人は同等レベルのなのか、右腕か、
それともただのメモとりか。
誰に向かって話せばいいのか。
誰に納得してもらえばいいのか。
等という情報がササっと手に入ってしまうのです。
相手がすぐに話題を切り上げるような態度であれば、
すぐ次に、ミーティングが入っているのかもしれないですし、
要点だけをすぐに知りたい性格の方かもしれないです。
要点だけを絞ってすぐに商談に入ればいいのです。
逆に、おしゃべりが伸びるようであれば、
しっかりと相手のおしゃべりに乗り、
行間を読みながら情報収集を始めます。
ここで相手の本来のニーズがぽろっと見えたりします。
折角準備して記憶したプレゼンですが、
相手の要望に沿った切り口から見せる為の微調整ができるかもしれません。
会議前におしゃべりをする時間が全くないような状況の際、
いきなり自己紹介をするような状況の場合は、
言語はやはり現地の言葉、スペイン語でやるのがよろしいでしょう。
「こんにちは、私の名前はxxxです。」
という自己紹介文は、インタネットで検索すればすぐでてきます。
そしてスペイン語は英語と違って日本語読みでOK!カタカナ読みで十分通じます。
母音が一緒なんですね。
これを利用しない手はありません。
余裕があれば、
「本日は、お忙しい中…」
等のちょっとコムズカシイ挨拶の文章を入れてもいいでしょう。
そのあとで、
通訳さんを通じて、若しくは、英語で、
「これ以上は無理なので、ここからは通訳さんを通じて / 英語で・・・」
と言語をチェンジする。
クスクスっと笑いが取れるかもしれません。
やはり、外国人である日本人が、
自分達の言葉であるスペイン語をしゃべってくれると親近感を感じるものです。
この様な小さな努力は、確実に相手に伝わります。
言語、文化、人種を超えた共通のそして、最強のコミュニケーション方法です。
そして、ペルー人も南米人。
南米人は冗談好きの方が多いです。
そして、
「日本人は真面目」「笑わない」「冗談を言わない」
という印象を皆さんお持ちです。
だから、利用するのです。
典型的なその印象を。
ギャップを利用するのです。
肩で風切り道路を歩くチンピラが、
道に落ちているたばこの吸い殻を拾って、
ゴミ箱に捨てたら・・・
「おお、なんていい人なんだ!」
って思いますよね。
ゴミ箱のそばに落ちていたゴミを捨てただけなのに。
ギャップです。
「真面目」「笑わない」「冗談を言わない」
と思っていた人が、
笑いを誘うようなことをすれば、本当に些細な事でも、
思わず笑みがこぼれてしまうでしょう。
そう、我々日本人は、強力なツールをすでに備えているのです。
名付けて、【スベらない舞台】。
あなたは何の努力もしていないのに、
こんな強力なツールを備え、海外の商談に臨むのです。
利用しない手はないですよね。
そういう細かいことをしながら、
相手に強烈な印象を持ってもらうのです。
商談開始60秒以内に、強烈に印象付け、
今後も会いたくなる人となるのです。
商談が終わりに差し掛かり、
プレゼント交換などをする場合があります。
こちらが用意していなくても、
相手が用意をしていて、プレゼントをもらう事があるので、
対面会議の場合は、
用意しておいた方がいいですね。
プレゼントをもらって、
ありがとうございます。と丁寧にバックにしまい。
お辞儀をして立ち去る。
チョット待った‼
これはNGです。絶対ダメです。
プレゼントをもらったら、
必ずその場で開けましょう。
絶対開けましょう。
そして、「これは何ですか?」と聞いたりするのです。
日本と違って、
プレゼントを渡した相手は、
あなたに開けてほしいのです。
そのプレゼントの説明をしたいのです。
10分から15分ぐらいたっぷり時間をとっておいてもいいでしょう。
じっくり聞いてあげる。
「いやあ、そんな素敵なものをもらって、嬉しい限りです。
早速社長室に飾ります / 居間に飾って家族に見せます。」
等と言いながら、感謝の気持ちを述べましょう。
相手は大満足してくれるはずです。
こちらからのプレゼントも同様。
説明をスペイン語に訳し、プレゼントと一緒に入れている方もいますが、
是非、ご自分の口から、または、通訳さんを介して説明しましょう。
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