上手な仕事の断り方を考える
オファーがあることはうれしいものですが、すべての仕事を請け負うというわけにはいかないでしょう。
なんらかの事情で断らざるを得ないケースがあるかもしれません。
今回はじょうずな仕事の断り方を考えてみたいと思います。
断ったあとの結果はどうなるか
断ると次のオファーのくる可能性はなくなるかもしれません。
そのオファーがあまりにも対価が安すぎる、というのであればそれでもよいでしょう。
だいたい「宣伝になる」とか「経験が積める」といった言葉で通常の水準より低い対価を示してくるようなオファーには、まずその効果はないものと思ったほうがよいでしょう。
そういったものは「きっぱり断る」でもよいかもしれません。
そうでない場合は、「もう一度頼んでみよう」と思われる可能性は残しておきたいところです。
代替案を示す
断らざるを得ない理由が時間が足りない、ということであれば、対応可能な範囲を示すというのはひとつの方法です。
また、自分は無理だが代わりにできる人を紹介する、というのも代替案です。
ただし、これをするためには、代わりになってくれる人にそうした紹介をする可能性があることについて話を通し、了承してもらっておいたほうがよいでしょう。
依頼する側として、フリーのカメラマンに「もし無理だったら誰か紹介していただけるとありがたいです」と話をもちかけることはよくありました。これはあくまでもある程度のキャリアがあり、技術的に信頼できる相手であることが必要条件ですが。
返事は迅速に
「できません」という回答は早いほうが、頼んだ側も助かります。次の人をすぐに探せるからです。受けられそうだけれども先約の案件の調整が微妙なときは、「〇日までに回答します」と具体的な期限を示すと相手も次の手が想定しやすくなります。
相手を立てる建前は大事
「残念ながら先約があって」など、本音は違っても事情を説明する言葉をつけておいたほうが無難です。
相手は上司など誰かの命を受けてオファーを出しているのかもしれませんし、そうした場合に断られた理由を説明しやすくなります。
返事が遅れたとき、メールソフトが不調で読めなかったなど、依頼メールに気付かなかったふりをする、というような手もあります。
期待に沿えなくて残念、という感じは定型的であってもあったほうが「オファーを出した側に落ち度があったわけではない」という裏付けになるともいえます。
これまでいちばん印象に残っている断り方は、ある方の奥さんに電話したうえでファックスで依頼文を送ったらすぐに「ギャラが安すぎる」とバツをつけられて返送されてきたことです。
そのとき断られたことよりも、私の名前を間違えて送ってきたのが印象的でした。それだけ急いで拒絶の意思を示したかったのかと驚きました。また、そういう人だったという印象は一生忘れることはないです。