連載・卒業生が語る のしろ家守舎インターンシップ②
第2編の今回はいちばんの注目ポイント!短期・長期それぞれのインターンシップの内容を具体的にお話します。
インターンシップ、いったいぜんたい私たちは何をしていたのか?
―「ほぼ町歩き」短期
は:じゃあ、次は内容についてとか、その時に何を感じていたかっていうところに行こうかなと思います。あらためて、短期のほうからお話しようかなって思うんですけど。
私たち2人は前回話した通り、初めから「インターンシップをするぞ」という感じじゃなかったというか… 就活のためのインターンとは動機も内容もかなり違っていたと思うんですが、そのあたりをちょっとコトリさん、説明お願いします!!
こ:(笑)
まー、今ハナが言ったみたいに、 大体インターンシップって言ったら就職につながるとか、新卒採用につながるようなものだったりとか、就職面接で強みになるような経験をするものだったりとかっていうものを求めて参加する子たぶん多いよね。そんな中で私たちがやってたインターンというのは地域課題解決型というので、採用に直結するとか就職に有利になるというよりは、自分自身の成長の糧になるようなインターンシップだったかなって思いますね。だから、町の人との触れ合いを通じて自分の成長を見つつ、その中で自分たちは能代ににどう貢献できるのかを考えていったのが短期のインターンだったね。そのあとの長期ではそれを引き継いでより具体的なものを作り出していって、実際に自分たちが作ったものを世に出すところまでのインターンだったのかなと思いますけど、いかがでしょうか。
は:完璧です!
短期のときはのしろ家守舎もインターン生の受け入れは初めてだったし私たち大学生もインターンに参加するのは初めてだったので、 インターンってなんだっていうのを誰もわかっていないみたいなところがあって。そもそも普通のインターンと違っていてもいいというか、 これをインターンと呼んでいいのか?みたいな議論さえありました。スケジュールも全然決まってなかったよね。具体的に毎日何をするか決まっていなくて、毎日みんなで試行錯誤してつくりあげていく感じだった。
こ:一応2つぐらいテーマがあったけどね。カフェよんのろくの遊び場の活用方法を考えることと、これからのインターンの新拠点を作り出すこと。でも具体的な、この日はこうするとかこれまでにこうするとかは全然なかったね。
は:最終報告会の日程だけは決まっていたけど、 それ以外は全然なかったですよね。
こ:それがやりやすくもあり、私は結構やりにくかったっていうのもあるか。
は:ゴールもないから3月いっぱいどう時間を使おうかみたいなところで、月末にイベントを打ち立てて、それから逆算して考えていこうみたいなやり方をしようと一回試みたけど、それはちょっと違うんじゃない?みたいになったんですよね。それで最初は、え~じゃあ何をすればいいんだ?って思ったけれど、それからとにかく街歩きをすることとか、遊び場でもまずはその空間で過ごすことに時間を使うようになりました。その土地に来たばかりの時点で最初にゴールを決めて逆算してそこにまっしぐらで進むというより、町のことや人のことを知るところから積み上げていって…そのなかで、ワクワクするようなやりたいこと、やれることが見えてくる。そういう感覚がすごく印象的でしたね。
こ:うん。みんなが模索してる感がすごくあったよね。最初はマジで初めてのインターンだったから、いや、なんか出してよ、なんか提示してよってめっちゃ思ってたけど…長期も経験した身からすると、今思えば短期のインターンってめっちゃ面白かったな。
は:あ、そうなんだ。
こ:そう、長期ではもっと形に残るような活動があったし、私も何かを生み出すっていうのをやっていたから、 もうちょっと「やった感」はあったんだよね。でもさ、それを経験しちゃうと短期インターンで何してたんっていう。
は:たしかに(笑)例えば一応あったふたつのテーマが最終的にどうなったかというと、遊び場の活用方法については、考えてプレゼンはしたけどそこで実現したわけじゃないっていうのがあって。そしてえっと、学生の新拠点については、湊さんがもともと工房として使っていた古民家に、”comore”っていう名前をつけましたね。それだけっていえばそれだけ。
こ:あ、でもそれ結構でかいよね。それはひとつ形になったというか、決めることができたことで。時間をかけてみんなで話し合ってつけた名前だしね。そこから始まって、今はcomoreに学生が泊まったり、地域のママさんが集まってお話会をしたりしているし。
は:そういうプロセスを経験させてもらったこととか、自分たちが考えた名前を使ってもらえること、それがだんだん定着していくのを見られることはすごく貴重なことだなあと思います。
は:だけど、全体的には目標達成とかそういうんじゃないっていう。でも私が思うのは、だからこそ私たちは今でもずっと能代に関わっているんじゃないかなということですね。
こ:うん、うん。
は:具体的なゴールやプランが最初からなかったというだけじゃなくて、能代の町は掘ったら掘るだけおもしろくて、1ヶ月間歩きが終わらなかったんですよね。 一か月の最後の方は、まだまだ案内したいところがいっぱいあるのに~って湊さん毎日言っていましたよね(笑)それって、すごい。
結果的に1か月間の中で町歩きをしていた時間がいちばん長かったと思うけど、それが、あの1ヶ月が終わっても私たちが能代のインターンのこの活動にずっと関わり続けたいし、今でも実際に関わり続けている大事な理由のような気がします。
こ:だからこその関わり方みたいなね。確かに完結してたら今の繋がりはないかなっては思う。
は:時間をかけて町歩きをして能代の人を知って好きになったから、ずっと関わりたいし何回も来たいなみたいな気持ちですね。実際にインターン終了後も何回も来ているし、まだまだ知らないことだらけだなとも思うし。あと、友達を能代に連れてくるっていうのが意外と次の動きに繋がるのかなとも思っていて。もちろん自分も楽しいし!だから、いろんな友達に能代で遊んでもらうっていうのは、ずっと意識していたような気がします。
こ:能代は大学がない町だからね。ハナが、めっちゃ友達を連れてきてくれるんよね。
は:そのくせ私は車を持ってなくて。秋田市からだとちょっとアクセスがよくないじゃない、能代は。車でもちょっとロングドライブになる。それなのに去年も今も、能代に友達をいっぱい連れてくるのが家守舎とのつながりの中で私のミッションみたいになっていて。それは要するに、私を乗せて能代に一緒に来てくださいってことで…誰かと一緒に能代に来ることになるっていう。ずいぶん図々しいけど、そうすることで能代にいろんな大学生が来るきっかけになったらいいなって思っていました。能代の大人たちから大学生が学べることはたくさんあると思うし、その出会いからまたなにかが生まれるかもって。
ゆ:うん、うん。ことりさんは、短期インターンを振り返ってなにか言い残したことはありますか?
こ:うーん。私は最初、まちづくりって何?って、マジで興味ゼロの状態でインターシップに参加しててたんだよね。1カ月で少しは町の人と関わるとか、地域活性化っていうものに興味を持ったっていうのはあるけど、やっぱり短期だけだと、実は私はちょっと悔いが残ったかなっていうのが正直なところかな。やり切った感が100%じゃなかったっていうのと、何ができてたんだろうっていう疑問がやっぱり残っていたから、、自分がようやく湧いてきた興味とか、能代への関心っていうものを、もっとぶちまけるところが欲しかったなの状態で終わってたんだよね。
は:そうだったのか!
こ:それで長期の話をいただいたから、それはそれでよかったのかなっていうふうにそのときは思ったけど。だから、他の子がこれからインターンをやる時は、短期間だろうしきっと私みたいに継続してできる訳ではないと思うから、そうなった時に悔いの残らないように、自分のやりたいことを全面に出していってほしいなっていうのはあるね。
は:そうですね。やり切った感かあ、私どうだったかな~。 でも、私はやりきった感というよりかは、さっき言ったみたいに、ただの能代が好きな人になって、それで関わり続けているっていう。それはそれでいいのかなと思ったりするし、コトリさんはその気持ちが長期インターンへの参加に繋がっているっていう感じですよね。
こ:そうだね。
―「まずやってみる」長期
は:じゃあ、その流れで長期インターンについてのお話をお願いします。ゆみちゃんから行くか。
ゆ:行きます!
私は元々最初で関わる時点で、ある程度自分の中で 将来こういうことがやりたいなっていうのに、まちづくりのことだったりが入っていたんだよね。大学1年生の時に授業でちょっとだけ能代に来たことがあって。その時に、駅前の商店街がシャッター街になってるっていうのが、 自分の地元の湯沢市にすごく似ていたんだ。高校のころからもずっとシャッター街とか商店街のこととかには興味があったから、インターン始めるって時にはもうモチベーション100ぐらい。活動内容とかも割と明確にやりたいことがあったし、形にも残したいっていうのがあったから、 目標をクリアしたいっていう気持ちで参加していました。
は:ほう!短期インターンの私たちとはだいぶ違うんだね。
ゆ:そう、結構最初の時点で、湊さんとかいろんな人に対してこういうことにチャレンジしたいとか、こういうことをちょっとやってみたいってのを割と言っていた気がする。
は:なるほど、短期インターンでは私たちはめっちゃくちゃ手探りから始まったけど、長期のときは2人とも結構こう自分なりにやりたいことや目標があったということですね。
ゆ:うんうん。本当にいろんなことにチャレンジさせてもらえる環境だったから、4ヶ月の長期インターンではあったんだけど、個人的にはすごくアウトプットが多くて。美大のなかだけで勉強していただけだと実践の場があんまりないんだけど、インターンの活動としては自分の中でめちゃくちゃ力になったし、ボリュームも多かった感じがする。
は:いいねえ!実践の場のところで、具体的にこういうのがいい経験だったな、みたいなのはありますか?
ゆ:いちばんはロゴマーク制作かな。ロゴマークはそれまで作ったことがなくて、勉強とかもほとんどしていなかったから、casane tsumugu*さんとかに色々お話聞きながらやって。デザインに関してはすごい手探り状態だったんだけど「まずやってみる」ができたから、1番力がついた気がする。
イラストレーターとかも今まで学校の授業で使ってただけだったんだけど、技術的な方でも4ヶ月ですごく実践できたような感じがあるね。
は:なるほど、学校で勉強していることに繋がる活動ができたんだね!
ゆ:うん、できた!あとあのBASEのショップ開設も一からだったから、それもすごく力になったかな。
は:いいね、長期インターンの活動も見ていてすごく羨ましいなって思ってたよ~。それにしても短期の時とはぜんぜん違う活動のしかただよね。コトリさんはどうでしたか?短期の時とはちょっと心残りがあったみたいだけど、長期はどうだったんだろう。
こ:うーん。なんかたぶん自分はなんでもやりたがる性格っていうのがあって、自分で完結させたいみたいなのがあるんだよね。で、あんまり人を巻き込んでとかっていうのが得意じゃないから、 インタビューも同じ人の記事を何回も書き直してたりとかっていうのがあって、なんか全然進捗がなくって。ユミのロゴマークとか BASEのページとかって、どんどんどんどん出来上がってて、もう毎回毎回ユミが能代に来るたびに新しいものを持ってくるから、正直うわやべえみたいな…それが結構プレッシャーでもあったんだよね。
は:そうかあ。
こ:インタビューは進めていかなきゃいけないし、長期・短期どっちも経験した身だから、それを引き継ぐものを作らなきゃいけないんだろうなっていうのを頼まれてもないけど勝手に思ってたし。やりたいことをやらせてもらえるインターンで、これをやってほしいっていうのはひとつも湊さんたちからは言われてなかったから、今の家守舎にとって何が必要なのかとか 、せっかくインターンしているんだったら、自分の将来に繋がることをしたいなっていうのでその自分の興味のある分野の起業家さんにインタビューしていったりとか、あとはこの活動をこれからに残していくためのホームページを作ってみたりして。最後、駆け込みになっちゃったけど、このインターンシップを単位取得型にするにはどうしたらいいかっていうのを市役所の方と話してみたりとか。どういう活動をそのインターンでやってほしいか、学生に求めるかっていう部分と行政との関わりっていうのが、その単位取得型のインターシップには必須項目らしくって、そこで どうやったら学校単位で関わっていけるかっていうのをちょっと話したりとかね。ま、私の中では何も完結はしてないよ。
ゆ:そうなんだ。
こ:4ヶ月の間に100パーセント完了しましたっていうのはないし、完了させる気もなかったんだけど、 それは今後自分が時間が空いた時に趣味みたいな感じでやっていけたら面白いかなっていうのがあって。今もその企業さんへのインタビューは続けてて、私は休学2年目で今は滋賀で住み込みで働いているんだけど、 来週は滋賀のまちおこしの協力隊の方と会ってちょっと話そうとかっていうのを、今でもまだそのインターンの活動みたいな感じで 延長してできてるっていうのが、結構自分の中で嬉しいなっていうのがあるね。だから長期インターンの感想としては、 短期よりは自分の中での達成感は多いし、やれた仕事内容もかなり多くなった。
は:おお~。
こ:完了させる気がなかったからちょっと終わり方はぬるっとしちゃったかもしれないけど、自分が一生関わり続けていくっていうのを考えた時には正解だったのかなっていう感じかな。あの4ヶ月は。
は:なるほど。短期は心残りっていう感じだったけど、長期は心残りというよりかは、今後も続けていこうみたいな気持ちの変化があったのかな。
こ:うん、そうだね。このまま続けていきたいなって思ったっていうより、それが楽しくなったから自分のそのプライベート・完全趣味の範囲内に今侵食してきてるみたいな感じ。だから今はのしろ会議*っていうのに携わらせていただいてるんだけど、今もう完全オンラインだからほとんど何にも力になれてなくて、ただそののしろ会議っていうその能代の人たちの集まりのところに、他県に行った能代市民の私から見た他県の影響とかっていうのを伝えることができたら面白いかなと思ってやってみてるっていうのがあって。そんな風に、元々興味なかった分野なのに、誰からも頼まれてなくても、自分で動きたくなってきたっていうのがけっこう嬉しい変化かも。最初はまちおこしに興味がなかったから、たぶん町の人と話すのも 私にとってはどうでもいいことだったんだよね、正直言うと。地元の人だし、なんか別にな~みたいな感じだったんだけど、何か自分が新しい活動をしたり、自分のプライベートでどっか行くとかっていう時に、ここで働いてる人の話を聞いて 家守舎に伝えたら面白いだろうなとかっていうのが常に頭に残るようになって。
は:なるほど、なるほど。
こ:元々興味なかった分野のことがすぐにこう思い浮かぶような、ずっと頭の片隅にいるっていうのはけっこう大きい変化だったのかなって思う。
は:たしかに インターンの活動とか、能代っていうその地域自体から離れていても頭の片隅にあるみたいなのは、すごくよくわかりますね。 私もインターンが終わった後は大分県の大学に半年間*いたんですけど、そのときになんだか能代で面白いことやってるなとか…それは自分も参加したいっていう気持ちでもあるし、それ以上に、そうやって能代の街が変化していくのを自分ごととして嬉しく見ているということとか、帰ったら私もこういうことしてみたいなとかこういうことができるかなとかをずっと頭の片隅で考えているみたいなところはあって、今のコトリさんの気持ちはすごくよくわかるなって思いました。
こ:うん、うん。
は:インターンの活動全体の振り返りとしてはそんな感じかな。
ゆ:「これをやってほしいは一つも言われない」っていうのは、結構このインターンの特徴かなって思うね。
は:そうだね。短期の時はそれがそれがコトリさん的には、最初はモヤっとしたところでもあったみたいだけど…でも自分のやりたいことをなんでもやれるようなインターンですよね。
こ:うんうん。すごいことだよね。
第3編「能代? のしろ家守舎? 湊さん?」
のしろ家守舎では、2023年8月の短期インターンシップ生を募集しています!6月24日(土)には説明会も行いますので、気になる方はぜひお気軽にお越しください&各種SNSからお問い合わせください😊
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