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【いざ、ユーロダービー】CL準決勝 1st leg.ミランvsインテル プレビュー
こんにちは!TORAです🐯
今回は、なんと20年ぶり!CL準決勝でのミラノダービー、いや、ユーロダービーのプレビューです。
これまでvsポルト、vsベンフィカと超高カロリーなプレビューをしてきましたが、続くお相手はお隣ミランさんということで勝手知ったる仲。
したがって、直近のポイントを搔い摘んだ簡単な(簡単とは言っていない)プレビューを展開します。
●5/9時点の妄想スタメン
※まだ強めの情報が揃ってないので妄想レベルで捉えてください
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ミランはレオンが不在が痛恨ですが、インテルも本来ならば彼を止める役の人間がおりません!!えぇ!
●最近のインテル①‐ブロゾヴィッチの復調
インテルのトピックスから取り上げていきます。
今シーズン初の公式戦5連勝、そこでの得点数は15、と確変ingのネラッズーリ。
最たる要因はブロゾヴィッチの機能復調と考えます。
背景は単純にコンディションが戻ってきた、という側面もあるでしょうが、個人的には「ボールにたーくさん触れて、機能性が戻ってきたから」が強いと考えます。
というのも、負傷離脱から戻ってきてしばらく経ちますからね。コンディションは逆に戻ってないとおかしいかな、とw
ほんで、「ボールにたーくさん触れて」というのは少しばかりおまぬけな表現かもですが、現に直近の試合は相手がブロゾ番を設定しておらず、彼がタクトを揮いやすい=プレーリズムを取り戻せる環境だったことは考慮すべきでしょう。
5連勝前の話ですが、ベンフィカ戦がその象徴。
先日のローマ戦は1.5列目を務めたペッレグリーニがブロゾヴィッチを見ていましたが、
ⅰ)監視というよりは担当設定
ⅱ)担当がボールホルダーになったら距離を殺して選択肢や精度を削ぐ、肉弾戦を仕掛ける訳ではない
ⅲ)カバータスク役が中心となり、ミドルサードで追い込んで奪取する
が目的であったと見ています。
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実際、ローマの球際は決して強くなく、いわゆる『タックル』や『インターセプト』など、コンタクトを伴ってボールを刈り取る系のアクションはインテルよりも少なかったです。
だもんで、プレス耐性が高いブロゾヴィッチはさほど苦にならなかった。
彼をぽっかり空けてしまいまった先制シーンは、ローマが「徹底監視して封殺する!」という目的でなかったことを後押しするシーンかなと。
ベンフィカ戦のレビューでも書きましたが、ブロゾヴィッチは触りたがり屋さんなの、でボールを持てば基本的にはアガッていきます(逆に消されちゃうと不貞腐れて凡ミスが出ちゃいがち)。
面白いスタッツをご紹介。
具体的な数字や画像は控えてなかったので証拠はないんですが、1カ月前くらいまで『インテルの1試合当たりのボールタッチ数』はパリ・サンジェルさんがトップでした。
![](https://assets.st-note.com/img/1683624255609-1ddvvcTuqf.png)
しかし、今ではブロゾヴィッチが追い越して「インテルで最もボールを触る男」に。
しかもけっこうな差をつけての追い抜きです。
・34節時点でのインテル内タッチ数(1試合平均/15試合以上出た選手のみ)
1位:ブロゾヴィッチ(87.7回)
2位:ファーストネームが”インテルミラノ”になりますように(78.5回)
3位:バストーニ(78.0回)
愚見ではチャルハノールは縦型というか、チームを前進させるプログレッシブなビルドアップがウリだと考えています。
ここでは深堀しませんが、スタッツにもその傾向は現れていますね(といっても、どんどん横も上手くなってるけれど!)。
対して、ブロゾヴィッチは縦もできるけど、5レーンを幅広く使う”展開型”だと思っており、ボール保持時にチーム全体に血を運ぶボディプロセスの機能が強い。
ゆえ、月並みな表現である「チームの心臓」は前者よりも後者が似合うと思っています。
どちらが良い悪いではないですが、これまでチャルハノール式で戦ってきたので、元来のブロゾヴィッチ式がフレッシュになった感想を抱きます。
スクデット時のエリクセンに通じるところがあるかなと。
ハード面は変わりないんですが、個人戦術によってソフト面、すなわち機能性が変わるということです。
チームの保持面が好調なこと。
そして、ブロゾヴィッチのボールタッチ数が増えてきたこと。
僕には相関係数が0とはとても思えないのです。
●最近のインテル②‐最後方の司令塔
ボールタッチ数といえば、GKオナナにも触れないわけにはいきません。
『ゴールキックを除くパス回数(1試合平均)』でオナナはリーグ3位。
・34節時点でのGKパス数(1試合平均/15試合以上出た選手のみ)
1位:ヴァンヤ(38.8回)
2位:ヴィカーリオ(35.8回)
3位:オナナ(35.6回)
上記の内、ヴァンヤ・ミリンコヴィッチ=サヴィッチは発射台の側面が強く、パスの45%が中長距離のフィードです(ユリッチカラーが出てますね)。
オナナも糸をひくようなフィードが十八番なので、どうしてもその雄姿が脳裏に焼き付きますが、中長距離のパスは全体の25%しかなく、実は一発構成に依存していないことが分かります。
※ちなみに4位がメニャンで、そのスタッツ傾向はオナナに非常に似ていました。
そう、さまざまなシチュエーションでビルドアップに関与していると読み取れるんですね。
GKが11人目のフィールドプレーヤーとしてビルドアップに参加する。機能する。
現代サッカーでは必須、というか避けて倒れない能力ですが、彼は上のステージでプレーしていますね。
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ベンフィカ戦のレビューで取り上げましたが、お相手さんがブロゾ番をつけられない(つけにくい)理由に彼の存在が挙げられます。
誰かを徹底監視するということは、代償として周囲のスキャンやそれに伴う対応がどうしたって薄くなります。
しかし、我が軍の最後方には硬軟織り交ぜることができる司令塔がいる。
高い位置から降りてくるWBに付けられる。
馬車馬の如く動き回るIHに預けられる。
中盤をすっ飛ばし、一気に前線に放れる。
これらの精度を削ぐ為に、複数監視で彼にも圧をかける(かける姿勢を見せる)というアプローチを敢行せざるを得ないということです。
センターラインに強烈な二択が存在する。
”ブロゾ番”をぼやかしくれる司令塔の存在もまた、インテルのボール保持が輝きだした理由です。
ひとつ苦言を呈するならば、オナナビルドアップの火力を高めるには
中盤をすっ飛ばし、一気に前線に放れる。
↓
収めたり、二次攻撃に繋げて、アタッカー陣vs最終ラインの局面をつくる
に、ある程度の期待値が欲しいのですが、その役割を主に担う長身FWの一人であるジェコのそろばんが叩きづらいんですよね。
ポジショナルなムーブからボールをスッと引き出すのは非常に上手いのですが、「せーの!」でデュエルする局面は如何せん波があり過ぎます。
対人戦にめっぽう強いユヴェントスDFに毎度悉く後手を取るのがこれが理由です。
言わずもがな、ミランDF陣も。
彼らの強力フィジカルコンタクトを思い浮かべると、個人的にはルカクを起用すべきと思うのですが…これまでのターンオーバーを踏まえてもスターターはジェコとラウタロで間違いないでしょうね。
ここはインテリスタ得意の手のひら返しが発動することを祈りましょう。
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●最近のミラン①‐べナセルのトップ下配置
お隣ミランでトピックスに挙げたいのはべナセル。
ブロゾヴィッチのくだりとリンクするから、です。
CL準々決勝ナポリ戦からトップ下にべナセルが起用するというカードを持ったピオーリさん。これまでは主にブラヒム・ディアスが居座っていたポジションです。
主となる目的は穿ってみる必要はなくて「相手のアンカーを消すこと」だと考察。
ナポリにはリーグを超えて世界でも指折りの名手であるロボツカがいるので彼を封じることがメインの効能だったと見ています。
というのも彼、意外と?プレー強度が高く球際もしっかり戦える選手。
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上項で取り上げた(ある程度)コンタクトを伴ってボールを刈り取る系のアクションである『タックル』と『インターセプト』のスタッツはカラブリアに続いてチーム2位です。
・34節時点でのミラン内タックル+インターセプト数(1試合平均/15試合以上出た選手のみ)
1位:カラブリア(5.44回)
2位:ベナセル(3.81回)
3位:カルル(3.41回)
昔から僕のnoteをご覧頂いてる方がいらっしゃったらお分かりかと思いますが、特に守備的スタッツは個を評価するものではなく、チーム戦術やタスクを考察する因子だと断じます。
ここで取り上げたのは「ベナセルの守備が上手い!」ということではなく、「コンタクトを伴う守備がチーム内で積極的!」が本意。まぁ上手いのはもちろん上手いんだけど。
上記スタッツは当然2CH(ボランチ)起用も含まれているので、いつも以上に”参考程度に”感が強いことを残しておきます。
さて、ミランは過去にもケシエに”ブロゾ番”の勅命を与えるなど(効果のほどは置いておいて)ちゃんと対策をしてくるチーム。
ベンフィカ戦を見たピオーリさんは「シュミットさんよ、”ブロゾ番”、なめんじゃねぇぞ」と発したらしいです。知らんけど。
したがって、個人的には予想通りべナセルが配置されるだろうし、しっかり監視してくると思います。
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これが当たっていれば、ブロゾヴィッチは上昇気流を掴んでから初めての”ブロゾ番”。
インテルはオナナも含めたビルドアップでミランのプレスを躱せるでしょうか。
よし。祈りましょう。
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●最近のミラン②‐再び突き抜けるドリブル突破
前項はあくまでも主となる目的。起用に至った背景の考察。
蓋を開けてみたら副次的な効果も見られました。
話はボール保持の局面に移ります。
結論から言えば、中央やインサイドレーンでの預けどころとして機能しまくっています。
元々パワーやスピードではなく、技術的な質的優位を軸としてボールを収める、溜める、叩くことができる彼の存在は正に理想的なレジスタ。
それを一列前で機能させることで、相手守備ブロックの収束に繋がりました。
そうして生まれる大外のスペースと時間はミランのピーキーさを最大限発揮できる土壌となります。単騎突破。ドリブル突破です。
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何度かnoteやTwitterでも取り上げてますが、昨季のミランってドリブル突破が大好きなんですよ。
スクデットを獲得した昨季は総数779回でリーグトップ。
2位ウディネーゼは680回。1位とはなんとほぼ100回差。どれだけミランがドリブル突破を愛しているかがお分かりでしょうか。
あ、ちなみにインテルはリーグワースト2位の471回です。
今季もその傾向は引き続きだったのですが、昨季ほどの圧倒さはなく、少し前までトップはナポリ(というか、クヴァなんとかさん)に譲り、2位の座をアタランタと競っていました。
そう、少し前までは。
ということで、現在はリーグトップの回数です。
こちらもブロゾヴィッチのタッチ数同様に数字や画像を控えてないので証拠はありませんが、嘘は言いません。
ここ一カ月で急激にスタッツを伸ばした結果です。
事実、ミランのシーズン平均は21.2回ですが、先日のラツィオ戦では33回を記録していました。
しかも、本スタッツの筆頭株主であるレオンを前半10分で欠いているのに関わらず。
・34節時点でのドリブル突破試行数(累計)
1位:クヴァラツへリア(170回)
2位:レオン(151回)
3位:ロリエンテ(138回)
尚、昨季はレオンが累計163回でリーグトップで着地しました。
この超絶ドリブラーを欠いてラツィオ相手に1試合33回のドリブル突破を記録している、というのは非常に興味深いです。
以下、過去記事からの引用です。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ドリブル=突破みたいなイメージもありますが、実際のプレーに落とし込んだ際、ドリブルはキャリーが9割以上を占めます。
運ぶドリブルってやつですね。
運ぶではなく突破となると、”なるべく優位なシチュエーションでの1対1”が基本的に必要。
したがって、多い少ないはチーム戦術。
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彼らは意図して時間とスペースを創造し、ドリブル突破を仕掛けられる環境づくりをする。そしてベナセルは土台を作っている。
彼がブロゾヴィッチを消すように、こちらもまた、彼を消すことは重要ミッションですね。
反面、ショートカウンター時の火力は丸みを帯びている印象です。
がしかし、ナポリ戦でご本人がフィニッシュしちゃってるし、先日のラツィオ戦でも(相手のミスもあるとはいえ)絶好のポジトラを起こしてるしで、そこまでの懸念材料ではないかな。
●まとめ
今季ミラノ勢は本当に紆余曲折ありましたが、最終的にソリューションを掴んだ印象です。
インテルはブロゾヴィッチ(+オナナ)。
ミランはベナセル。
皮肉にもちょうど相対するポジション。
ここがどう転ぶか、局面の主導権を握るのかが全体を左右するかもしれません。
キックオフからの注目ポイントとして推します。
CL準決勝は欧州サッカーの首都がミラノになります。
ユーロダービーの名に恥じない試合になることを願って。
そんでもってインテルが決勝へ進めることを祈って。
![](https://assets.st-note.com/img/1683623942899-1AEmEUF5fa.jpg)
FORZAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!
INTERRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRR!!!!!
最後までご覧頂きましてありがとうございました🐯
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