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【セリエA第37節】インテル−ナポリ マッチレビュー
こんにちは🐯
今回はセリエA第37節 インテル−ナポリのマッチレビューです。
直前に行われたパルマ−アタランタ戦はアタランタが勝利したので2位を目指すにはここは落とせません。厳しい相手ですが果たして。
●スタメン
●前半
序盤はコッパ1st.legのような試合展開でした。インテルがボールを持ち、ナポリが守ってポジティブ・トランジションを狙う。という展望です。
ナポリのボール非保持は特徴的です。前線と最終ライン間をギュッと締める非常にソリッドなブロック守備。
印象的だったのはデンメの位置取り。やや左寄りに位置取り、バレロは当然としてサンチェスのプレー制限もタスクとして課せられているように見えました。その分、右のルカクはクリバリが徹底マークで面倒を見ます。好調サンチェスへの警戒とクリバリへの信頼を感じましたね。
・インテルの攻略方法は
これに対しインテルは2つのビルドアップで攻略を試みます。
1つ目はCHがボールを引き出しCBが上がるお得意のパターン。中断明け、一層注力してる形ですね。
バレッラのパスが長くなってしまい、ダンブロジオがパスミスしてしまう。
これは失敗しましたが形自体は教科書通りで◎でした。ポイントはカンドレーバですね。彼が内に絞ることで多角形を形成するとともに、インシーニェがパスコースを切らなきゃいけなくなりサイドのスペースが空きます。
2つ目はバレロがハーフスペースやサイドに膨らむ動き。こちらもここ最近注力してますね。そして、このビルドアップから先制点が生まれます。
バレロがサイドに膨らみ、ブロゾビッチが空いたスペースに侵入しボールを前進させる。
バレロの強みはこの動きですね。ボールの引き出し、このタイミングが絶妙です!コンテ監督もこのスキルはエリクセンよりも評価してるでしょうね。
というか、だからこそ今日はバレロ先発なんだろうな、と。ナポリがソリッドな守備だからそれを上手く回避できるバレロの方が効果的とジャッジしたんだと思います。
上図の続きはブロゾビッチとデンメが競り合い、マリオ・ルイがボールを拾うもブロゾビッチが奪い返します。
続いて紹介したいのはその後。得点となったシーンです。ここでのポイントはボールホルダー側のCBがしっかり攻め上がっている点。このタイミングでそこにCBがいる!というのは今のコンテ監督のフットボールの象徴ですね。完全にデザインされてます。
カンドレーバがすかさず幅を取ってくれたのでクリバリがマークに行かざるを得ず、ルカクのマークが剥がれたのも◎。カンドレーバ→ルカクで決まってもおかしくなかったですね。
・ハーフスペースを突くナポリ
失点後、ナポリはギアを上げます。特にボール保持は完全にエンジンがかかりました。巧みに幅を使ってインテルを揺さぶります。鍵はWG。ボール運びとビルドアップの起点、両方のタスクを担います。
特に左が印象的でした。基本的にインシーニェは幅取り専門。これでハーフスペースを空けて、マリオ・ルイにインラーラップを促します。もちろん、ルイがアウトレーンを使うこともありますが上記の形がスタンダードでしたね。
マリオ・ルイのヒートマップ。高い位置ではハーフスペースでのプレーが多いことが分かります。※Sofa Scoreより引用
クーリングブレイク後は前プレも解禁。攻守共に迫力が出たナポリにインテルは守りの時間が増えます。
なんとか凌いで1-0でハーフタイムに入りますが、決定機も2度ほど許し肝を冷やした前半でした。後半に向けてリードがあると考えてはいけない展開です。
●後半
・バイタルエリアの攻防
さて、後半はナポリがますます強度を上げます。ボール非保持はブロック守備からハイプレスに完全移行しました。
これにインテルは圧倒されます。ボールをアタッキングサードまで持って行けず、ハーフコートゲームと言っていいくらいに攻め立てられます。
46分〜59分までのアタッキングサードでのパス分布。ナポリの成功数はインテルのおよそ3倍です。※Stats Zoneより引用
・修正できなかったウィークポイント
ナポリの攻撃にインテルのウィークポイントが露呈します。ズバリ、「バイタルエリアで横にスライドされると脆い」です。
この後、ヒサイにフリーでクロスを上げられるとインシーニェがボレー。カンドレーバのブロックでことなきを得ました。
この形に今シーズンは一貫して苦しみました。代表例がCLドルトムント2戦目でしょう。あそこで高い授業料は払ったはずなのに…結局シーズンの最後まで修正できませんでしたね。。
・的確なポイントにパッチを当てる。
バイタルをなんとか攻略したいナポリ、鍵をかけるインテルの攻防。最初に動いたのはコンテ監督でした。
カンドレーバ、サンチェスに代えてゴディン、ラウタロを投入。守備性能に優れたゴディンはバイタルの守備力強化に。
こちらの記事の最後にゴディンの守備性能に触れているので是非ご覧ください!
一方のラウタロはボールの落下点をいち早く察知し、より優位な体勢で次のプレーに繋げることを得意としているのでカウンターに繋げていきたいのでしょう。
個人的にこの交代はジャスト!痒いところにしっかり手を届かせるような采配に感じました。
攻めるナポリ、守って素早いトランジションを狙うインテルの図式。今回はインテルに軍配が上がりました。
74分、ハンダノビッチのリスタートから素早くラウタロまで繋ぐと、背番号10はドリブルでアタッキングサードまで運び右足一閃。ミドルシュートはサイドネットを揺らす絶妙のコースでした。これで2-0。
組織ではなく、ラウタロの個でこじあけた追加点でしたが、攻守の切り替えからの縦に速い攻撃自体はコンテ監督の狙い通り。
2点のリードを手にしたインテルは大人の試合運び。87分にはルカク、バレロOUT。エリクセン、モーゼスINでシステムを3-4-2-1へ変更してクロージングしました。
スコア インテル2-0ナポリ(11分ダンブロジオ、74分ラウタロ)
●雑感
勝てました…!内容自体は間違いなくナポリが優勢でした。が、インテルの2得点はどちらも狙い通りの形。より効果的だったのは実は劣勢だったインテルだと評価できるでしょう。
ナポリは前半の得点直後や後半の立ち上がりなど、自分たちの時間に得点できないとこうなりますよね!っていうサッカーあるあるになっちゃいました。インテルも直近だとフィオレンティーナ戦がそうでしたので他人事じゃありません…
これでインテルはナポリにシーズンダブル!また3位アタランタとの勝ち点を維持できたので、2位を争う最終節での直接対決は負けなければ2位フィニッシュ達成です!ここまできたら2位で着地したいですね!!
加えて、この試合はカンドレーバが150、バレロが100試合出場でした!このメモリアルな日に素晴らしい勝利を叶えてくれたネラッズーリに感謝です👏
最終節も!FORZA INTER!! ⚫️🔵
ご覧頂きありがとうございました🐯
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