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【TORAコラム】アスラニをもっと使ってほしいから言語化してみた

こんにちは!TORAです🐯

先日のvsレッチェ戦は完勝でしたね!
終始ボールだけでなく主導権も握っており、その中での複数得点は53分という早い時間帯でもファンに安心と余裕を与えてくれました。

だからこそ2−0になった段階で!
…とは言いませんが、時計の針を進めた70分あたりからはスタメン組お役御免の意味も兼ねて若手、特にアスラニタンを見たかったインテリスタは多かったと思います。

少なくても僕のTLはその声で溢れていましたw

リアルタイムで行っていたTwitterスペースでも発しましたが、個人的にはあの展開なら投入しても良かったと思います。

具体的にはIHで。
後半途中から左にお引っ越ししていたバレッラを右に戻して、左にアスラニタン

「アスラニタンをIHで起用しよう!」というのはインテリスタの中では割とお見かけするご意見で、実を言うと僕も現段階では同意見。

その理由について言語化していきます。

●なぜIHなのか?

まずは非保持。

ローマ戦の失点もそうでしたが、スペースを埋めきれずに途中でボールウォッチャー的になってしまうシーンは少ない出場時間でも散見されます。

CHよりもIHのが致命傷になりにくいという観点で、IHで慣らしていきましょう!という考えは頷けます。

インタビューから察するに、本人的にも根っこの部分は前目でやりたいっぽいですしね。

ただ、まだ二十歳の若者に求め過ぎのは酷でして、それをファンも分かっているので流石に現在の中盤を押し退けてスタメンで使え!という訳ではない。

せめてリードしていて安定した試合運びの際は経験のためにも使おうよ!ってことですよね。

レッチェ戦はドンピシャでした。

で、僕はそれに加えて「スタメンを少しでも休ませる意味もあるけど、保持の部分でむしろアスラニタンがいいんじゃね?」と思ったのですが、これを論理的に考察説明したいのが本項の趣旨。

ゲームメイカーというよりもチャンスメイカー

アスラニタンの保持で特徴的なのは、意外とチャンスメイカーなんですよね。

具体的に言えば、短く安全なパスで繋いでおいていきなり急所を突くような長距離のパスを発射することが多い
=ビルドアップというよりもチャンスメイクの入り口となるお膳立ての因子が強い。

これはパススタッツにも表れています。

尚、アスラニタンのリーグ戦出場はたった3.3試合。スタッツを扱うにはあまりに分母が少な過ぎるので、いつも以上に「参考までに」を念頭に置いてください。

アスラニタンのパス総回数はTHE・アンカーといった感じ。要は一試合あたりの試行数はチームの中でも多めです。

ただし、内訳が特徴的でチャルハノールやブロゾヴィッチと比べると、ミドルパスの割合が極端に少なく、ロングパスの割合が極端に多いんですよ。

美術館に飾りたいアスラニタン

・ブロゾヴィッチ、チャルハノールとのパス割合を比較
アスラニタン:ショート44%、ミドル32%、ロング24%
ブロゾ:ショート42%、ミドル45%、ロング13%
チャル:ショート43%、ミドル42%、ロング15%

FBrefを引用

繰り返しますが、スタッツの分母の少なさが助長している側面はありますが、上記の通り実際のプレーと照らし合わせても「ミドルパスが少なく、ロングが多い傾向」であることは考察として発せられる域に達していると考えます。

より本質に近づけるならば距離云々ではないですね。

一列、二列飛ばすパス

特に中央から4バックのSB裏、3バックのCB横を突くロビングパスは印象的。

後押しするようにエンポリ時代のスタッツでも全く同様の傾向が見られました。

課題は「結実」

年齢以上のオンザボールスキルを有する彼ですが、私的にはここに課題があると見ています。

急所を突くパスを送っても、それが結実しない

アイディアやボールの精度自体は間違いなくポジティブですが、それを組織に落とし込めていない点は僕もずっとモヤモヤしていて、またもやスタッツにも表れていました。

ⅰ)プログレッシブパス(効果的な前進パス)の1試合平均が中盤選手ワースト

ⅱ)ゴールクリエイティングアクション(ゴールに繋がった2つ手前までのプレー統計)がゼロ
ちなみに上記スタッツのシュートVer.も低数値。

つまり、チャンスメイクの入口となるパスは出してるけど、それが”実際のチャンス”に昇華できていない、ということ。

この手のパスの成功率が低いのは至極当然ですし、たった3試合のスタッツでここを批評するのはやはり酷なんですが、上記のスタッツもやはりエンポリで同様の傾向でした。

数字がついてくると「僕たちももっともっと声を挙げられる!」という感想は抱きますね。

ただし、昨季のエンポリはリーグ指折りの縦志向サッカー。

「精度ではなくて、試行数を重ねられること」が評価されており、インテルもそれに目を付けて獲得に漕ぎつけた!とも読み取れることは考慮しなくてはなりません。

結局、なんでレッチェ戦はアスラニタンのIHが見たかったの?

僕の考えは

2−0になって縦成分を濃くするであろう展開や、それによってオープンな殴り合いがが予想される文脈が期待された

から。

実際はレッチェの馬力が上がらず、思ったほどじゃなかったけど。

相手が前傾姿勢での裏返りが期待できる展開で縦に出せるアスラニタンの投入は厄介だったと思うのですよ。

でもって、まだ自身の長距離縦発射スキルとチームを紐づけられないのであれば「一列高めに配置して距離における難度をカバーしてあげたら?」というのは帰結として腹落ちできるものではないでしょうか。

アスラニタンのIH推しはその理由の言語化がされておらず、それが本記事の執筆背景にも由来しますが、同意見のインテリスタはどうお考えでしょうか?

「いや、おれはこういう理由でIHを推している!」

「IHではないでしょ!なぜなら◯◯だから!」

などご意見頂けたら幸いです!

●大成しそうなのはCH(レジスタ)

タンのIH起用を推薦しといてなんですが、これは直近で彼の経験値を上げるため、ひいてはとりあえず出場するためのベターな選択肢、と捉えてください。

繰り返しますがアイディアとそれを表現するボールスキルは水準以上ですし、ここからさらに伸びるでしょう。

エンポリ時代を含めてもプレー強度やキャリーに特段秀でてるとは言い難いので、真に花開くのは彼の装備を最も活かせるレジスタだと考えます。

個人戦術の練度を高めれば低い位置からでもゲームメイクもチャンスメイクもできるスペシャルな発信者になれる期待は持たざるを得ません。

念の為の補足ですが、個人戦術とは個そのものではありません。

自分と味方と相手が混在する中で、どのようにプレーするか。最善手を模索して体現する能力を指します。

ブロゾヴィッチのようなフレキシブルさが正とは言いませんが、ボールの引き取り方ひとつ見ても可動域や柔軟性は明らかに欠いてるので、ここも偉大な先輩たちから学びたいですね。

個人的には非保持はまだいいから、こういった保持スキルに注力して欲しいかな?

彼はボール持ってナンボの選手だと思うので!

というわけでシモーネさん。

「タンをもっと使ってほしいよ!」

最後までご覧頂きましてありがとうございました🐯


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