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【ELセミファイナル】インテル−シャフタール マッチレビュー

こんにちは🐯

今回はELセミファイナル、インテル-シャフタールのマッチレビューです。

ちなみにこの一戦はプレビューも執筆しております!ぜひ併せてご覧下さい!

●スタメン

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●前半

まずはシャフタールのビルドアップにスポットをあてます。

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一言で言えば「左スタート特化」。とにかく左SBのマトヴィエンコを起点にすることが多かったですね。

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故にマトヴィエンコは両チーム1のボールタッチ数。逆サイドのドドーとは40以上の差がありました。※Sofa Scoreより引用

意図としては

①ポジショニングが良くレシーブに長けたマトヴィエンコ
②ボールを前進させることが上手いタイソン

を使って押し上げて、スピードと攻撃力のあるドドーを高い位置でプレーさせたい!アイソレーションさせたい!というところでしょうか。

・根本を断つプレッシング
これに対するインテルのボール非保持はミドルプレス。これがとても目を惹きました。強度といいクオリティといい、贔屓目を除いても素晴らしいレベルです。

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✔︎ステパネンコにはブロゾヴィッチがIHを追い越してマーク
✔︎マトヴィエンコにはバレッラ、ダンブロージオがタイトに圧をかける(基本的には前者)
✔︎サイドに面を作ってプレーを制限させる

何が良かったってとにかく再現性があったこと。しっかりオーガナイズされていました。

シャフタールの攻撃を勢いに乗る前に根本から断つ!そして高い位置でトランジションを起こしたい!という意図でしょう。

その狙いは結実します。
19分、インテルの圧がシャフタールGKピアトフのミスキックを誘発。これをバレッラが回収するとマトヴィエンコを躱してクロス→ラウタロが頭で合わせて先制します。


・数的優位を保つブロック守備

素晴らしいプレッシングを見せるインテルですがブロック守備も秀逸でした。

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✔︎バストーニ&ヤングの連携でパスコースを制限
✔︎バレッラがタイソンのマークをゴディンに受け渡し、自身はパトリッキへのコースを切りつつ、数的優位を生み出す

DAZN解説の福田さんも仰っていましたがインテルはマークの受け渡しが非常にスムーズ。
上図で触れているように受け渡した後の位置取りも絶妙でボールホルダーの周囲に数的優位を作れるゾーンディフェンスのメリットを存分に発揮していました。

シャフタールはこのプレッシングとブロック守備に苦しみました。ボールを待てども浅い位置で回すのみ。仕掛けどころのパスは全くと言っていいほど付けられません。

・いつも通りが◎
続いて、インテルのボール保持とシャフタールの非保持を見ていきましょう。

シャフタール仕様の守備を見せた非保持とちがい、ボール保持はいつも通りの正面突破!って感じでした。

まずは中盤空洞化。

今日はバレッラがサイドに膨らむことでパトリッキやステパネンコを釣る仕掛けが目立ちました。ここはかなり意識してたと思います。
特に後者は最終ラインにも入れるので釣り出したかったんでしょう。こう振り返ってみると今日のバレッラはサイドでのタスクが多いですね。

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✔︎バレッラがサイドに膨らむことでルカクへのパスコースを確保
✔︎マトヴィエンコは低めに位置し、ホチョラヴァのサポートに入る

しかしながらあまりハマりませんでした。今日のルカクは中々、ボールが収まらないなぁと思った方は少なくないと思いますが、

①ホチョラヴァがルカクとのフィジカル勝負で遅れを取らなかった。
②マトヴィエンコが低めにポジショニングし、マッチアップの際はサポートに入ることで1対1+1の状況を作っていた。なので、CB−SB間の距離が短いのも特徴。

この2点が要因と考えます。特に②はルイス・カストロ監督がインテル対策として仕込んできたものでしょう。ルカクをCBとの単純な1対1にはさせない!という意図を感じました。

ちなみにインテルもこれは認知していて、前半途中からバレッラがマトヴィエンコに突っかかる仕掛けを組み込んできました。

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トライ自体は◎でしたが、プレー精度が低かったことと、マトヴィエンコの判断が非常に良くて決定機には繋がりませんでしたね。

続いてはCB攻撃参加。ここは驚異の攻撃性能を誇るバストーニが魅せます。

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✔︎ガリアルディーニが最終ラインに落ちる
✔︎ヤングが内に絞ってパスコースを確保すると共に大外を明ける
✔︎バストーニが空いた大外をオーバーラップしアーリークロスを送る

ここは前線に惜しくも合いませんでしたが決定機でした。この形は頻度こそ多くありませんでしたが効果的だったと思います。

しかし、このシーンでもSBはしっかりと低めを維持して我慢の守備をしていました。結果、大外から飛び込んできたダンブロージオもマトヴィエンコがケアできてますし(ここでも判断力が光る)、改めてなんですがシャフタールの守備は真面目です。笑

とまぁ、今シーズン取り組んできたことを今日も披露する訳ですが「これで良し!」です。

ラウカク(ラウタロ+ルカク)に頼った攻撃はシンプル故に厄介ですし、何よりシャフタールの最終ライン1対1+1の守備戦術により、SBをピン止めできるのでリスクを大幅に減らせます。

CB攻撃参加は一見リスクを取っているようですが、CHが最終ラインに入ることで担保しています。このスキームはここにきて洗練された感があり、特にガリアルディーニは抜群に良くなっている印象。

前半はこのまま1-0で折り返します。内容はインテルが明確に優勢、シャフタールの組織的な崩しは皆無だったと言っていいでしょう。

●後半

さて、後半はアッサリいきます(なので前半はボリューム多)
というのも戦術的にフォーカスを当てたいところがありません。笑
率直に言って、ルイス・カストロ監督はチームを改善に導くことが出来ませんでしたね。

ざっくり見ると、立ち上がりは前プレを解禁してきましたが単発で終わってしまい、再現性が全くありません。

ビルドアップに関しては仕組み自体に変更はありません。けど、プレー選択の部分で変化はつけてきたかな?
前半よりも積極的に中央につけることが多くなりましたね。

おかげで後半の入りはテンポが上がりましたが、徐々にトーンダウンするとインテルのプレッシングに追いやられロストするシーンが散見。

シャフタールは60分くらいまでは戦えてましたが、64分にダンブロージオがCKを頭で合わせて追加点を決めるとブラックアウトしてしまった感があります。

74、78分には高い位置からのプレスがハマり、ポジティブトランジションからラウカクにそれぞれゴールが生まれると(これでルカクはEL10戦連続ゴールのレコード!)、さらに83分にはルカクの圧倒的個人技で5-0とし、ゴールショーの締めくくりとしました。

スコア インテル5-0シャフタール(19分+74分ラウタロ、64分ダンブロージオ、78分+83分ルカク)

●雑感

2-0となった後でDAZN実況の福田さん(今日はW福田さんです笑)が、「2点差以上になにか差がある」と発言してました。

この時点では「仰るとおり!」って感じでしたが、結果的にはスコアも帳尻を合わせてくれましたね。
5-0という大差はELセミファイナルで初だそうです!

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・結果はプランの差
福田さんの「なにか差がある」の″なにか″とはなんでしょうか?そう問われたら僕は【監督の用意したプランの差】と答えます。

具体的に言えば、シャフタールの攻撃を無力化し、さらに高い位置でのポジトラを可能にしたプレッシングです。

【人数や体勢が整ってないシャフタールの守備は質がガクンと落ちる】とプレビューで記載しましたが、コンテ監督はそこを勝負所にしていたかのようなプランに見えましたし、実際これでもか!というくらいハマりましたね。

チームはもちろん、監督の手腕・プランの差が如実に現れてしまった試合だったと思います。

さて、インテルは大量得点の後はグダってしまう、みたいな悪しきジンクスがありますが、今回はELですし「最高の形でFIMALを迎えられる!」と捉えましょう!笑

いよいよ19-20シーズンも最後の公式戦です!ここまできたらもう優勝!!タイトルというインテリスタたちの長年の宿願を果たしてくれるよう、全力で応援します👊⚫️🔵

FORZAINTER!!🖤💙

ご覧頂きありがとうございました🐯

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