【アラビアンナイト】メフディ・タレミについて調べてみた
こんにちは!TORAです🐯
今回はインテル新加入選手調べてみた記事3発目です。メフディ・タレミについて調べてみました。
先ずは恒例ガゼッタさんの記事。ペルセポリス(イランのクラブ)で彼を指揮したクロアチア陣監督ブランコ・イヴァンコヴィッチのインタビューです。例によってちょこちょこ補足や意訳しております。
●ガゼッタ:「タレミ?数年前のインモービレを彷彿とさせるアタッキングプレーメーカー」。彼を売り出した男の言葉
イタリアサッカーをよく知る、元イラン代表監督で現中国代表監督のブランコ・イヴァンコヴィッチは、イランリーグで最もタイトルを獲得していたペルセポリスFC時代にタレミを起用した。彼の指導の下、タレミは82試合で49ゴール16アシストを記録している。
イヴァンコヴィッチは語る、「私を信じてほしい。メフディはインザーギにとって完璧なスマート・ストライカーだ」
なぜ彼をスマートと評価するのか?
「"タレミ "と聞くと、すぐに彼の並外れた知性を思い浮かべるからだ。メフディは偉大なプロフェッショナルであり、マイナーリーグから始めてCLに進出した。彼のようにリーグ、モジュール、プレースタイルに適応できる選手を私はあまり知らない。インザーギのようにチームのコンパクトさを重視する監督にとって、彼はすぐにキープレーヤーになるだろう」
「しかし、32歳という年齢で、彼は初めてトップレベルのリーグで自分を測ることになる。メフディはポルトガルの小さなクラブであるリオ・アヴェなら、ヨーロッパのビッグクラブから注目されると確信して27歳のときにアジアを去った。トッププレーヤーとして1シーズンを過ごした後、コンセイソンはポルトの中心選手として彼を起用した。インテルへの移籍は挑戦であるが、当然のステップである」
ミラノではビッグクラブのプレッシャーに対処しなければならない。加えて、テュラムやラウタロからポジションを奪うのは容易ではない。
「彼のような選手にとって重圧や競争はポジティブだ。イランでの彼は真のスターであり、人々は彼を代表チームのリーダーとして見ている。インザーギのヒエラルキーに関して言えば、タレミは自分が上に行くのは簡単ではないことをすでに理解しているはずだ。ポルトを去るということは新たな刺激を求めているということであり、インテルはおそらくそれを提供できる。彼はすぐに順応するだろう」
彼はどんな選手?
「足の速いストライカー。PA内では決定的だが、同時に相手にポイントを与えない巧みさもある。近年は左のワイドやセンターフォワードとしてプレーし、私が所属していたペルセポリスではセカンドストライカーとしてプレーしたこともある。スピードだけでなく、プレーセンスも抜群で思いがけないときにチームメイトのために勝利のゴールを生み出す。タレミはどんな監督にも合うだろう」
「プレーメーカーとしての資質があるからこそ、同じ特徴を持つ選手を見つけるのは難しい。しかし、彼の犠牲の精神、ゴールへのセンス、相手DFにプレスをかける能力を考えると、数年前のチーロ・インモービレの動きを思い起こす」
ラウタロとテュラムのどちらと組んだら、彼のプレーはより良くなるだろうか?
「おそらく、彼はマルクスと並んで最高のパフォーマンスを見せるだろう。彼らが一緒にプレーすれば、相手ディフェンダーにとっては地獄だろう。一方はワイドに展開し、スピードに乗り出し、もう一方はエリア内に攻め込み、ネットに放り込まれるボールを待つ。もちろん、ラウタロもスーパースターである」
●インテル公式:メフディ・タレミがインテルにジョイン
タレミは1992年7月18日、ペルシア湾を望む港町ブーシェフルで生まれる。プロのサッカー選手である父アリシャの背中を見て育った。イランの暑い昼下がりに、海釣りとボール遊びに明け暮れる幼少期。千夜一夜物語の主人公である船乗りシンドバッドのように、メフディは海を眺めながら、素晴らしい冒険とサッカー選手になることを夢見ていた。
2002年、10歳でバルグ・ブーシェフルのユースに入団し、2006年まで在籍した後、地元イランで最も大きなクラブであるイランジャワンに移籍した。タレミは若きストライカーとして、彼のインスピレーションの源であるアイドルのレベルに到達することを望んでいた。そのアイドルはフェノーメノ・ロナウドと、イラン代表として108ゴールを挙げた伝説的なイラン人アタッカー、アリ・ダエイ。2014年、監督となったアリ・ダエイは、彼がトップクラブでプレーしたことがなかったにもかかわらず、メフディを”ペルシア人の都”こと、ペルセポリスFCに連れてくることを決めた。その後、タレミのキャリアは飛躍した。
イランの首都テヘランを本拠地とするこのチームでは、3シーズン半の間に112試合に出場して55ゴールを挙げ、リーグ優勝2回、イラン・スーパーカップ優勝1回、得点王2回を獲得した。2018年1月、カタールのアル・ガラファと契約。そこで彼はネラッズーリのレジェンド、ウェズレイ・スナイデルとともにプレーし、2019年にカタール・スターズ・カップを制した。
そして、彼はヨーロッパへ。ポルトガルのトップリーグへと向かった。まずリオ・アヴェで1年を過ごし、2019/20シーズンのプリメイラ・リーガで得点王に輝いた。4シーズンで91ゴールを挙げ、リーグ、ポルトガル・スーパーカップ(2回)、ポルトガル・カップ(3回)、ポルトガル・リーグカップを制した。2020/21シーズンにはCLデビューも果たし、チェルシー戦で芸術的なバイシクルキックを決め、UEFA年間最優秀ゴール賞を受賞。
インテル史上初のイラン人であるメフディは2015年6月11日にデビューしたイランの象徴的存在である。2018年と2022年のワールドカップに代表として出場したイラン代表では85試合に出場して50ゴールを挙げている。
テクニック、個性、そして新たな挑戦への意欲、まるで船乗りシンドバッドのようだ。メフディ・タレミ、ネラッズーリの冒険が今始まる。
●TORA評価
そうなんです。僕らにとってのバロンドーラー、スナイデルの現役最終年はカタールのアル・ガルファですがタレミとモロ被りしており、しかもめちゃくちゃ仲良しだった模様。
チームメイト夫妻とダブルデートしたり。
誕生日をホテルで祝ったり。
中々にいちゃいちゃしております。
タレミの加入が決まった際にもスナイデルはいち早く祝福の言葉を発していました。
さて、前回のジエリンスキ回は私的プレー評はサラッと流しましたが、タレミはガッツリ目に言及してみようと思います。
短いセンテンスで言えば『より押し上げられる(往年の)ジェコ』。
かつてインテルがポルトと対戦した際にジェコの後釜にほしい!と発した理由はこれです。
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中盤に降りて数的・位置的優位を生んでビルドアップを補助。外に膨らんでブロックやマーカーを引っ張り3人目4人目の動きを促すなど、リンク力に富んだ選手です。そもそもポルトでもイラン代表でもWGとして起用されることもありましたし、THE・9番タイプではないのは明白。
”押し上げられる”と冠を付けたのは、ドリブル突破など単騎でなんとかできる!という意味ではありません(むしろ、言われているほど突破やキャリーには優れていない印象)。楔や逃し場所になってから、周囲と連動して前進できることを指します。複数人称をつくり、コンビネーションで前進する、相手の守備組織を崩す。
アルナウトヴィッチやジェコも勿論できますが、彼らの主となるのは楔となってから周囲に預け、そこからの動き直しで最終ターゲットとなる動きです。入口と出口に絡む濃度が高い。
一方、タレミもフィニッシャーとして優秀なのは積み上げてきたゴールという実績が何よりも物語っていますが、入口と出口を繋ぐ、”過程”でも幅広い仕事ができるのが◎。
過程でもよりお仕事ができるという面ではラウタロやテュラムに近しいかもしれません。もちろん、手段や方法の毛並みは異なりますが。
それでもジェコとしたのは彼の源泉が『ポストプレーヤー』だと見ているから。
落としだけでなく、MFの追い越す動きを決定的なものにするバーティカルなパスも出せる。ゆえ、かつての恩師であるイヴァンコヴィッチがプレーメーカーと評したのは非常に頷けます(かつてのインモービレと似ているかは議論が必要ですが笑)。
逆にジェコのみに留めた、つまりアルナウトヴィッチではない理由はプレーエリアの域。縦はともかく横のレーンにおいてはタレミ(とジェコ)が柔軟性も効果性も上回るのは間違いなく、ここは選手のタイプを分け分けする上で、小さくないファクトと捉えています。
そう考えると、個人的にはテュラムよりもラウタロがタレミのパートナーとしてフィットしやすいかなと。我らがキャプテンは超次元万能型でありながらも根っこはTHE・ストライカー。ポストプレーヤーとの相性の良さは古代からの黄金律であり自然法です。穿って見る必要はないのです。
しかしながら、イヴァンコヴィッチさんの「おそらく、彼はマルクスと並んで最高のパフォーマンスを見せるだろう」理論もめちゃんこ分かります。両者ともバチくそに可動域が広く、稼働スピードも速いので化学反応の潜在値はこちらが大きいかも。かつてテュラムが加入した際に「ラウタロよりも元90番とのコンビがインテルにとって上積みになりそう」と発したのと同様ですね。
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昨季のインテルは新たな優位性。つまり、リレーショナルプレー。つまり、チーム・ケミストリー。つまり。チームの和、相互理解、連携によって、さらに上のステージに昇ったと僕は断言します。
その点で、細かいパス&ゴーなどで、周囲と一緒に前進できる、”そこに居る”ではなく”そこに入っていける”特性を持つ彼のフィットは期待せざるを得ません。
千夜一夜物語のシンドバッドのように、過酷な冒険を経て、タイトルという宝を掴み取れますように。
超がんばれ、タレミ!
最後までご覧頂きましてありがとうございました🐯