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【HERE WE GO SENS!】ロビン・ゴゼンス雑データ考察

こんにちは!TORAです🐯

今回は「インテルへの電撃移籍が確定的となったロビン・ゴセンスを(雑に)データ考察してみよう!」企画です!

インテルの左WB問題は3-5-2をスタートさせたコンテ政権初期から顕在化してますね。

ペリシッチがWBポジションにフィットせず、ヤングやビラーギもいぶし銀な活躍はしますがパフォーマンスもフィジカルもシーズン通しての継続性に欠ける。

ようやくペリシッチがハマったと思ったら今度は契約更新問題。

昨季後半、そして今季の圧倒的なパフォーマンスを見れば「是が非でも更新希望!」とムリヤリ現地に赴いて勝手に判を押したくなるのですが、年俸を鑑みると簡単に足は動かないですよね。

いやまあ、どちみち動かないですけれども。気持ちね、気持ちの問題。

で、何が言いたいかと言うと、僕個人の左WB希望のファーストチョイスはゴセンスでした。

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いやそりゃあ、ロバートソンとかテオ・エルナンデスとか他にも名前は挙げられますが、

“ターゲット難度も財政的にも厳しいのは十分理解しているけど、ワンチャンあるのでは?”

の枠ではゴセンスがNo.1です。どんな枠だ。

今季は負傷による長期離脱がかなーり気になりますが、それでもこれまでの実績が霞むまでではありません。

ということで、こりゃあ軽く記事にしたいぜぇ!と思って筆を取って次第です。

●レーダーチャート

まずは新規加入時お馴染み?のレーダーチャートです。

あくまで参考まで。エンターテイメントとしてご覧ください。

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過去365日のスタッツパーセンタイル値(シーズン値ではないので注意)
・各項目50(%)が平均値
・ポジション比較はWBのみではなくSBも含めた”フルバック”での比較
ブルーのチャートがゴセンス、イエローがペリシッチ

●フィニッシュ

ゴセンス 99 :97 ペリシッチ

ゴセンスがなんと99(100にはならない仕様なので99が最高値)、ペリシッチが97と圧倒的な値となりました。

本人のパフォーマンスのみならず、

ⅰ)チーム自体の火力が高い

ⅱ)(一般論として)WBよりはフィニッシュに絡みづらいSBポジションも比較対象

という因子も強いのですが、それでも誇らしい数字ですね。

ゴセンスの実際のプレーを見ても、フィニッシュへの絡み方はストロングポイントのひとつであることは間違いありません。

というか、大外の選手では突出していますよね。

今季インテルは昨季よりもWBが高めを陣取る傾向なので、ゴセンスはこの特徴を発揮しやすいと考えています。

●チャンス創出

ゴセンス 39 :78 ペリシッチ

なんとダブルスコアですが、個人的には非常に頷けた結果です。

大外レーンを抉り、縦突破でも切り返してでも左右の足からクロスを放れるペリシッチ。

ダイアゴナルな動きでエリア内勝負ができる、最終局面の出口となれるゴセンス。

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この特性差によるものかな、と思います。

要は最終局面において、白か黒かで二極化するとペリシッチが使うWB。ゴセンスが使われるWB

皆さんのイメージはどうでしょうか?

●ドリブル

ゴセンス 28 :62 ペリシッチ

本来であれば次項目は『ゲームメイク』ですが、前項との関連性から先に『ドリブル』から考察させてください。

考察の焦点となるのは”ドリブル突破試行数”
読んで字の如く、ドリブル突破を試みた回数です。

まず触れておきたいのは「”ドリブル突破試行数”は個人性能や性質以上にチームに由来する」ということ。

長いこと「試合を見て→スタッツを見て」を繰り返していますが、この考えは自信を持って発します。

で、インテルはセリエA指折りのドリブル突破しないチームです。

事実、ドリブラーの印象が強いペリシッチですが、”ドリブル突破”のスタッツは軒並み平均以下。62という値はキャリー系、すなわち”運ぶドリブル”が効いた結果です。

興味深いのはゴセンス。

アタランタのドリブル突破試行数は昨季がなんとリーグ1位。今季23節時点ではリーグ4位。
つまり、ドリブル突破するチームということです。

にも関わらず、ゴセンスの値は28と同ポジションと比べて低い。

低数値の最大要因は”ドリブル突破試行数”が極端に低いから。

今季のゴセンスは約5.1試合と出場時間の分母が少ないので、昨季のスタッツを覗いてみましょう。メーレとの比較が面白いのでピック致します。

・20−21シーズン、ゴセンスとメーレのドリブル突破比較
ゴセンス(出場時間28.0試合)
▶︎ドリブル突破試行数30、成功数16
メーレ(出場時間13.5試合)
▶︎ドリブル突破試行数38、成功数19
※セリエAのスタッツのみ
FBrefを参照

いかにゴセンスの”ドリブル突破試行数”が少ないかが、お分かり頂けたかと思います。

「”ドリブル突破試行数”は個人性能や性質以上にチームに由来する」説を主張しているからこそ、

「ゴゼンスは選手性質としてドリブル突破を仕掛けるプレーヤーではない」

そう推断します。

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尚、本項に限らずですが、数値の多い少ないは良し悪しではありません。これ超重要です。

さて、項目も折り返しですが、筆者いちいちレーダーチャートを忘れます。
項目の度に冒頭まで戻る作業がめんどくさいので改めて貼り付けさせてください。笑

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●ゲームメイク

ゴセンス 87 :40 ペリシッチ

項目ひとつ戻って『ゲームメイク』です。この結果も非常に納得しました。

ゴセンスの87という数値を牽引したのは”ゴールへ向かう効果的な縦パス”、また、”ゴールへ向かう効果的な縦パスをレシーブした回数”です。

前項目『ドリブル』とリンクしていると考えます。

アタランタが得意な「ポジションをぐるぐる回した縦方向アタック」。(今季はぐるぐる部分がだいぶ薄まりましたが)

そしてゴセンス本人の「フレキシブルかつダイナミックな動的配置」、また「それを継続できるプレー強度」が噛み合った結果かな、と思います。

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つまりつまり。

個ではなく組織で前進するオーガナイズドな選手だということです。
特に周囲とのポジショナルなコンビネーションでの縦前進には定評がある。

ということで、机上の理論では間違いなくシモーネ式とは親和性がありそうです。

●強度

ゴセンス 79 :71 ペリシッチ

空中戦だったり、走行距離だったり。

ゴセンスと言えばなんとなーく『強度』が高いイメージですが、79というなんともリアクションが取りづらい値は”プレス試行数”の低さが原因です。

「いやいや、アタランタはマンツーでプレスすごいじゃん!もはやアレ反則でしょ!」

と思った方もいらっしゃると思います。

反則も含めて、事実そうなんですけどアタランタは相対的に守る時間が少ないので、下位チームと比べると絶対量はどうしても伸びないんですよ。

てな訳で、以前の記事でも何回か触れていますが、特に非保持系のスタッツってチームの守備戦術や戦績によって大きく左右されますので個人評価には繋げにくいです。

ちなみにこれはペリシッチにも当てはまります。

インテルって前からプレスは積極的ですが、自陣では超組織重視。
配置で守るので、人に対してのアプローチである”プレス”というスタッツは稼ぎづらいです。

ただ、逆を言えば“プレス試行数“が項目値を下げているので、両者とも『強度』はあるという評価で問題ないと思います。

●ボール奪取

ゴセンス 40 :34 ペリシッチ

ということで、本項目の『ボール奪取』は見た目というか項目のバランスというか。
一応組み込んでいるものの、ぶっちゃけ個人評価としてはほとんど参考になりません

しかし、詳細面で琴線に触れるものがありましたので軽く紹介致します。

ゴセンスの『ボール奪取』を構成するスタッツの内、”インターセプト“が唯一、平均値を上回りました。

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こちらも以前の記事で何度か言及していますが、インターセプトって言葉の響きとしては組織で守る!的な感じがしますが、僕は対人要素の強いスタッツと認識しています。

マンツーマンで守るアタランタ所属らしい結果ですが(これも今季は薄まってますけれども)、裏を返せば球際に強いということ。

項目を跨いでしまいましたが、こういった点にもプレー強度を感じますね。

●まとめと雑感

まとめです。

✔︎ゴゼンス、ペリシッチともにフィニッシュに絡む割合は欧州屈指
✔︎チャンス創造はペリシッチに大きく軍配が上がる。ゴゼンスは最終局面で出口となれるが、お膳立てのスタッツインパクトはない
✔︎ゴゼンスはドリブル突破を積極的に仕掛ける選手ではない
✔︎ゲームメイクはゴゼンスに大きく軍配が上がる。特に縦前進においては出し手にもなれるし受け手にもなれるオーガナイズドな選手
✔︎強度はプレス試行数がぼやかすが、走行距離や空中戦などフィジカル的な要素は◎
✔︎ボール奪取項目でインターセプトが目立つゴゼンス。球際の強さはここでも窺える

結論はペリシッチとはタイプが異なる左WBと言えますね。

最終局面で真価を発揮するペリシッチに対して、ビルドアップの段階から貢献度が高く、最終局面では使われることを得意とするゴセンス

得点力という特徴を持つオーガナイズドなWB

これが今回のデータ考察の主たる印象ですが、個人的には実際のプレーとばっちし紐づきました

理論上はシモーネ式とは間違いなく親和性があるでしょうね。

また、アウトレーンを上がれてWBと交差できるバストーニ、汗をかける演出家ブロゾヴィッチ、チームNo.1という冠が過言でないチャンスメイカーのチャルハノールともプレースタイル面では合わない方が難しそうです。

この見解が的を射ているならば、ペリシッチよりもフィットしやすいタイプの選手でしょう。
ぜひ当たって欲しい笑

ただ、ゴセンス加入で最も期待しているのは、

左サイドからクロス→逆側ドゥンフリース!

右サイドからクロス→逆側ゴセンス!

の2択にできる点!

文字で起こすとどシンプルですが、大外から大外への選択肢が確立されているのは相手チームからすれば厄介極まりないです。

これが片側だけでなく両側でできるとなると一段上に行けることは想像に難くない。

この期待値はゴゼンスのフィニッシュ項目99という値で高まりました!(繰り返しですが、チーム由来の側面もあります)

また、クラブの経営面でも今冬の獲得に意味があるでしょう。

ⅰ)今季のペリシッチはまーじですごいので(語彙力)、ゴゼンスのフィットやコンディション回復を十分待てる

ⅱ)ペリシッチとの契約更新で毅然とした態度を取れる(功労者ですが、我がクラブの経営面はシビアですので本当に大事)

ⅲ)冬に左WBを獲得することで、夏に他クラブからも足元を見られない

戦力増かつ保険。

しっかりとした戦略性を感じられます。

懸念はなんと言っても負傷ですが、これはどうこう言ってもしょうがないでしょう。
スカウトの目、今後のメディカルチェックを信じるしか割愛。

やいのやいの言う、サポーターならではのお楽しみポイントとしては飛び道具ではない、という点を挙げます。

ハキミはシンプルに戦術破壊兵器。

ペリシッチは戦術の中で輝ける飛び道具。

組織で戦うインテルですが、やはり要所要所では個のアクセントが欲しいです。

この点、ゴゼンスは先に挙げたようにフィニッシュの最終駅となれる稀有な能力がありますが、組み立ての段階では組織で前進するプレーヤー。

賛否あるかと思いますが、インテルの中で無理矢理当てはめるとダルミアンタイプと考えます。

したがって左ゴゼンス、右ダルミアンだと停滞時に打開が難しいのでは?と邪推したりなんかしたゃったりなんかしちゃって。

まぁとは言いつつもゴゼンスはやっぱりダルミアンとは違いますし、そもそも戦術破壊兵器になり得るドゥンフリースもいますし、左にはまた毛並みが違う飛び道具のディマルコもいますし、ですし。

ぶっちゃけこじつけなんですけどね笑

ということで!

個人的にはマジで期待しかないです!!!

FORZA INTER⚫️🔵

FORZA GOOOSENS⚫️🔵

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