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【神は細部に宿る】セリエA20-21 第6節 インテル−パルマ マッチレビュー
これほどまでに試合展開と結果のギャップがはっきりしているのも珍しい。
しかしこれもサッカー。突き詰めたチームと突き詰められなかったチームの差は?
こんにちは!TORAです🐯
今回はセリエA第6節インテル−パルマのマッチレビューです。
●スタメン
・インテル
58分エリクセン➡︎ビダル
58分ガリアルディーニ➡︎ブロゾヴィッチ
68分ダルミアン➡︎ピナモンティ
78分バレッラ➡︎ナインゴラン
78分ハキミ➡︎ヤング
・パルマ
46分コルネリウス➡︎イングレーゼ
74分クルニッチ➡︎ゾーム
74分ジェルビーニョ➡︎シプリアン
84分グラッシ➡︎ブルグマン
●前半−論理的な対策
試合前にデータのみのプレビューをアップしましたが、
子どもがうまいこと寝てくれたおかげでデータプレビュー書けましたww
— TORA@インテル (@labeneamata104) October 31, 2020
暇つぶしによろしければ🙏
パルマの試合はウディネーゼ戦をながら見しかしてないので考慮していません💦
では、リアタイ可能な方はまた後ででお会いしましょう🎃🍺#インテル pic.twitter.com/Xf4BDi6bIt
試合展開はその通りになりました。
ボールを握るインテルvsリトリートのパルマとという構図です。
取り上げたいのは迎え撃つ側のパルマ。今回は完全に対インテル仕様でした。見ていきましょう。
ボール非保持は5-3-2。いつもの4バックではなく3バックシステムを採用してきました(5バックと表現した方が的確だけど)。
✔︎ツートップのプレスは控えめ。
✔︎IHもセーフティな位置取り。
意図はインテルのボール保持と噛み合わせる為で間違いないでしょう。
非常に重心が低く、人ではなくゾーン最優先のアプローチでしたがこれが良かった。
辛抱強く耐えて選手配置の穴を最小限に留めたこと、そして何よりも警戒ゾーンに入った際のデュエルの強さ。
1試合でデュエル勝利数60超えは素晴らしい値です(右がパルマのスタッツ)。SofaScoreより引用。
パルマはこの2点が合わさり素晴らしい堅守を体現。
一方、ボール保持もなるほどなぁと頷けるものでした。
ビルドアップは基本的にどちらかのWBを中心にインサイドとサイドから攻め上がります。
✔︎WBを押し上げる。
✔︎反対のWBはやや自重気味。
✔︎スライドしてラインを調整。
もちろん両WBが上がって幅を取ることもありましたがスローインなどプレーが切れた際やインテルのハイプレス条件が整わなかった時などがほとんどでしたね。
片側から攻めることで裏返しのリスク低減を。
インサイドとサイドを攻めることで最も危険な中央のカウンターのリスク低減を。
WB中心だったことはインテルの高いWBの裏を突きたい思惑なんだ、と解釈しました。
うん、全部頷けますね。
その為、パルマはGKセペを除けば両WBがチーム最多のボールタッチ数。WhoScored.comより引用。
ここまで見事に理詰めされるとルカク不在や一部選手のフィットが問題視される今のインテルには厳しいですね。
前半の山場は開始早々のペリシッチとハキミのヘディングくらいでしょうか?あとはゴールに迫るけど得点の匂いはしない、嫌な展開の繰り返しが続いて折り返します。
●後半−選手マターの2失点
HTを挟み、集中が途切れていたでしょうか?後半開始早々、エルナニのフィードにジェルビーニョが裏抜け一発で先制点をゲット。
ぽっかりスペースをプレゼントしてしまったデ・フライ。らしくないプレーでした。
62分、またもジェルビーニョに裏抜けされネットを揺らされます。ここは3バック全員の責任ですね。
特にコラロフ。プレーそのものよりもイングレーゼに付くのを途中で止めてしまったプレーへの意識。この点、かなり悪目立ちするなぁと思うのは僕だけでしょうか。
プレーでミスするのはしょうがないんですけど意識レベルのミスを繰り返すのは断罪せざるを得ない。
戦術というよりも選手のミスが起因となった2失点。DAZN実況の中村さんも仰ってましたがパルマはしてやったりですね。
●後半−ボール保持の改善
最悪の展開となったインテルですがボール保持は前半よりも改善された印象。
具体的には以下の3点。
ⅰ)コラロフの攻め上がり。
前半も上がる機会は多かったですが、後半は保持時の基本位置が高かった印象です。
その為、今日はシーズン初となる左サイドが重めのポゼッションに。WhoScored.comより引用。
惜しむらくはただ上がっただけになっていた点。というのもダルミアンが内に絞らないのでコラロフがアウトレーンを使えずポゼッションが一辺倒に。こうなると守備の基準点が乱せないんですよね。
それでも上下の動きは気が効いているのでペリシッチのように機能不全にはなりませんが…ちょっと気になりました。
ダルミアンには(コラロフも原因?)インテル本来のフレキシブルなCB攻撃参加も覚えていって欲しいですね。
参考)ラツィオ戦のCB攻撃参加
ⅱ)中盤の入れ替え
58分にビダルとブロゾヴィッチが投入されると中盤が活性化しました。
要因は中央が活きるようになったこと。途中交代の両選手も良かったですが個人的にはバレッラのトップ下が印象的。
運べる、反転できる、縦に付けれるのに加えて動けてあらゆるところに顔を出せる。これが今のインテルにはジャストです。
今回はブロゾヴィッチが良いパフォーマンスで効果的なビルドアップを担保してくれたので思い切りやれていた感も。
幸い、この効果はすぐに結実。
64分、素晴らしいフリーランでライン間に入ったブロゾヴィッチにバレッラがしっかりとパスを通すと、鮮やかなゴールを決まりました。
ⅲ)ピナモンティの楔
68分に投入されたピナモンティも効果的でした。ポストプレーでDFを背負ってくれるので2列目が前を向いてプレーしやすくなりました。特にバレッラがそこに絡もうとしてましたが上手く合わなかったのが残念。
実は僕、パルマのリトリートに裏抜けペリシッチがスタメンなのは疑問だったんですよね笑(あくまで戦術的に、です)
今日はポストプレーヤー必須でしょうと思っていたのでこの効果はやはり!と思って見てました。
まぁ結果的にペリシッチは非常に頑張ってくれて比較的良いパフォーマンスだったのでピナモンティが先発が良かった!とは一概に言えませんが。
尻上がりにギアが上がるインテル。得点の期待値はデータにも反映されます。
本試合のxG(ゴール期待値)。途中交代後の方がより期待値が上昇しています。understat.comより引用。
攻めに攻めて迎えた90+2分のセットプレー。コラロフのキックにペリシッチが頭で合わせ土壇場で2-2。
ホームチーム、勝ち点1をなんとかもぎ取りました。
・スコア
インテル2-2パルマ
(46.62分ジェルビーニョ、64分ブロゾヴィッチ、90+2分ペリシッチ)
●雑感−すっかりお馴染みに
圧倒的にボールを握り、質の高いチャンスも生み出すが決め切れずに勝ち点を手放す。
すっかりお馴染みとなった内容と結果は本日も、でした。
SofaScoreによると決定機はなんと6回という多さ。にも関わらずペリシッチの1ゴールしか得点に繋げられておらず5回の機会を逸しました(ブロゾヴィッチのゴールは決定機ではないという判断)。
また、攻撃的な時間経過を可視化したアタックモメンタムは以下の通り。
山が多いほど攻撃的な時間が多く、山が高いほど押し込んでいます。SofaScoreより引用。
この図はデータの定義がないのであくまでインプレッション用。荒く、精度には欠けると思っているのですが、それにしたってこれだけ一方的で2-2というスコアはちょっと信じられませんね。。
先ほどのxG(ゴール期待値)のグラフを見てお気づきの方もいると思いますが失点も本当によろしくない。パルマは2得点してるのにxGは1にも届いていません。
つまり、チャンスの質は高くないのにゴールを許してしまったということです。この矛盾は主に個で決め切ったゴールや守備選手のミスなどで発生しますが今回は後者でしょうね。
レビューを執筆する為に改めてスタッツを見てもまだ驚きを隠せません。試合を見てなかったら何かの間違いを疑うレベルです笑
●雑感−神は細部に宿る
ただ、一方で僕はパルマも称賛したいです。
リヴェラーニ監督の緻密なインテル対策、それに準じ切った選手たちには拍手を送りたいです。
パルマが脈絡通徹、終始一貫だったのに対し、インテルはディテールの部分で失態を演じました。決定機を逸し続け、失点に繋がるミスを生んでしまった。
突き詰めるところを突き詰めたチームとそうでなかったチームとの差が戦力差を埋め、スコアへの反映を許してしまったのかもしれません。
なぜインテルは突き詰められなかったか?
非常に抽象的な表現ですが、それは戦術云々ではなく選手のパーソナリティであると感じました。
今回に限って言えば僕はコンテ監督よりも選手たちに非があると思います。
(そのようなチーム状態にさせているのはコンテ監督かもですが)
この観点からすると誠に残念ながらドローは妥当ですし、なにかターニングポイントになるような着火材がないと改善も難しそう。
次戦は死闘待った無しのレアル・マドリード戦。願わくばその勝利が着火材になって欲しい。
最後までご覧頂きありがとうございました🐯
FORZA INTER!!⚫️🔵
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