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【セリエA最終節】アタランタ−インテル マッチレビュー

こんにちは🐯

ついにセリエAも最終節。フィナーレに相応しく今節は2位インテルと3位アタランタが直接対決でカンピオナート2位フィニッシュを争います。

さらに、両チームは今シーズンのセリエAで最多得点数(アタランタ)と最小失点数(インテル)ですので、まさに「ほこたて」対決!

さらにさらに、アタランタはこの試合で2点取ればなんとシーズン100得点。何十年ぶりの快挙です。カルチョファンとしては見てみたい気もしますが、インテリスタとしては絶対阻止✋ですね!笑

と、こんな感じでめちゃくちゃ話題性バツグンの一戦となりました!さぁ、試合を見ていきましょう!

●スタメン

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●前半

開始1分、いきなりスコアが動きます。インテルはファーストプレーでいきなりCKを得ると、得意のショートコーナーからヤングのクロスにダンブロジオが頭で合わせました!

・バーティカルなインテル

さて、今日のインテルは中断明けの3-4-1-2ではなく、中断前おなじみの中盤▽の3-5-2でした。データサイト等はバレッラトップ下の3-4-1-2と表記してましたが個人的には3-5-2表記の方が適当かな、と考えます。

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中盤3者のヒートマップ。バレッラは中央でのプレーも目立ちますが、3者のバランスを見るに基本システムは▽と言っていいでしょう。※Sofa Scoreより引用

ただ、たしかにバレッラはトップ下っぽく見えました。これはインテルのボール保持に理由があると考えます。

今日のインテルはバーティカル(縦方向)な攻撃がとにかく目立ちました。ボール保持の基本パターンは2つ。

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ルカクに当てて二次攻撃を狙うか、ラウタロを直接狙うか。

ルカクはいつも以上にトランジションの基準点としてボールを収めに収めてくれました。なので必然的にボールサイドのIHであるバレッラは二次攻撃に絡むことが多く、これがトップ下に見えた要因であると考えます。

ルカクのポストプレーが機能しアタランタのCBが引っ張られるので、チャンネルを狙うのが得意なラウタロも非常にやりやすそうにしてました。スコアには直接絡みませんでしたが、今日はシーズン前半のようなラウタロを見れましたね!

・これぞ、コンテのフットボール

アタランタのボール非保持は基本的にマンツーマンディフェンスです。前線からアクティブに前プレを仕掛けパスコースを制限。サイドに追い込んだら人数をかけてボールを刈り取るのがベース。

この強度とクオリティがセリエAでは異端で、猛威を奮っているのですが今日のインテルは位置的優位と質的優位を巧みに生み出して攻略していました。

位置的優位は、アタランタのプレッシングに対しては薄手となる逆サイドに素早く展開しボールを運ぶことで生まれました。CBの攻撃参加、WBのオフザボール、IHの位置取り、見事に噛み合ってましたね。

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テンポ良いパスワークで逆サイドに。バストーニがハーフスペースを上がることで、位置的優位とともに数的優位の側面も。

ただ、アタランタとしては厄介だったのは後者。質的優位の面だったという印象です。今日のラウカク(ラウタロ+ルカク)はマッチアップの部分で質的優位を活かし勝利するシーンが多かったです。

重複しますがアタランタは基本的にマンツーマンなのでマッチアップで遅れを取ってはならないことは前提である!といって過言ではありません。

ですが上述の通り、今日はラウカクに苦戦を強いられて後手を踏んでいた感は拭えません。それ故に目立つファールも多かったのかな、と。アタランタは荒いんじゃなくて、遅れを取ったらファールで止めないと致命的になっちゃうんですよね。

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トランジションが起きた際、ルカクが降りたことでスペースが捻出される。ラウタロがこのチャンネルを使えば絶好機に。

ラウタロがデローンにファールされたシーン。まぁこれはあまりに極端なんですけど。笑 ただアタランタの守備はこういったリスクが孕んでいるなという再確認になりましたね。

前半は「これぞ、コンテのフットボール!」といった形。非常にポジショナブルに攻められました。スタッツ的にはアタランタが上ですが、プラン通りなのはインテルでしょう。

20分にはハンダノビッチからポンポンと縦に繋ぐと最後はヤングがコントロールショットを決めて0-2。良い形で前半終了です。

●後半

・前線のフリーロール

後半のアタランタはボール保持の引き出しを増やしてきました。印象的だったのはアレハンドロ・ゴメスです。

後半序盤はパシャリッチとポジションチェンジ。さらにアウトレーンに流れてインテル中盤3の横のスペースを使うシーンが目立ちます。

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良い形でゴゼンスにクロスを上げられるも、ダンブロジオがタイトにマークしてカット。

パプのボール運びはもちろん素晴らしいのですが、アタランタが流石なのは他のメンバーもしっかり連動してる点。

インテル同様、ボールサイドのCB(ジムシティ)がしっかり上がってパプをフォローしてますし、逆サイドのカスターニュもロングスプリントでボックス内に侵入してました。WBが逆サイドのWBを狙うダイナミックな展開はアタランタの十八番ですよね!…いやー怖い。笑

さらに61分にアタランタ3枚替えの交代後は再び右のOHを主戦場に。ここからは降りてボールを引き出し、ボールを運ぶトップ下のようなタスクをこなします。マリノフスキと入れ替わるシーンもありました。

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トランジションからパプが降りて、マリノフスキが上がることでボールを運ぶ。しかし、ヤングとバストーニが挟み込みシャットアウト。

このシーン、かなり良い形だったと思います。下手したら数的均衡でアタッキングサードに侵入されてましたからね。

ただインテルの対応も素晴らしかったです。事細かに紹介したいのですか長くなるので2選手だけ。

まずはバレッラ。攻め上がったゴディン、ダンブロジオのスペースをフルスプリントで埋めてくれました。彼自身もPA付近にいたので正にボックストゥボックス!疲労困憊の時間なのに…本当頼りになります。

そしてガリアルディーニ。パプがボールを引き出すと上がったマリノフスキに気づいてパスコースを切り、マリノフスキにボールが渡るとハデブールとパプのコースを切りました。いぶし銀なポジショニング、素晴らしいです!

彼らをはじめとしたインテル守備陣の活躍で、このトランジションはなんでもないシーンに終わりましたが、献身と集中が切れていたら実は危なかったと考えます。

…で、今さらなんですけど、今日のインテルはボール保持だけでなく非保持(守備)も本当に良かったです!

帰陣は早いし、スライドもスムーズ。あとはなんと言っても出足の速さと強度!アタランタ相手でもフィフティーなボールを回収できてましたし、ラウカク以外もマッチアップで引けを取ってなかったですしね!素晴らしいパフォーマンスでした!

という訳で。後半のアタランタはかなりフレキシブルに攻めてきて、インテルは劣勢でしたが局面局面ではしっかり守れてたと思います。危ないシーンはありましたがそこまでハラハラしなかったというか(終盤は危険でしたが…)。

攻撃面でもゴディンのインナーラップからのショートクロス(先述の75分の直前のプレー)やルカクのドリブルシュートなどクオリティを保てたインテル。

見事0-2のままタイムアップを迎え、勝点81&カンピオナート2位フィニッシュを達成しました!

スコア アタランタ0-2インテル(1分ダンブロジオ、20分ヤング)

●雑感

DAZNの解説の方が試合終了後、「お互いにらしくないゲーム運びだった」と仰っておりましたが、個人的には首を傾げてしまいました。

アタランタはたしかにいつもと違う感はありました。アクティブな前プレやパプを中心としたフレキシブルでダイナミックな攻撃は変わらずでしたが、全体的に強度が足りなかった印象です。

しかし、インテルはシーズン前半の3-5-2。ルカクを基準点としたトランジション。中断明けさらなる注力を見せたCBの攻め上がりなどなど。今シーズンの集大成といった形で、むしろインテル(コンテ監督)らしさ全開のゲームだったと思います。

皆さんはどう思われたでしょうか?コメントやリプ頂けると幸いです!

まぁ何はともあれ、これでインテルは来季のCL出場確定(今季のCL.ELの結果に左右されない)。さらに2位なので収益の面でも◎という結果のカンピオナートになりました!

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試合後にはコンテ監督のフロント批判が飛び出してヒヤリとしましたが、これはEL制覇、そして来季のスクデットに向けて今掘り下げないといけなかったことだと解釈してます!

これを起爆剤にクラブ一丸となって、まずはEL制覇を目指しましょう!!

FORZA INTER!! ⚫️🔵

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