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【歴史に名を刻め~~~お前等!!】セリエA 24/25第5節インテルvsミラン プレビュー

こんにちは!TORAです🐯

今回はセリエA第5節インテルvsミランのプレビューです。プレビューなんだか久しぶり!

マン・シティ戦のレビューはその注目度と試合内容(0-0だけど超グッドゲーム)から「僕がやらんでも」なのでスキップしました。


●ミランが抱える課題

公式戦1勝2負2分。ダービーでフォンセカ監督の去就も危ぶまれるミラン。致命的な課題を抱えており、かつ、浮き彫りになっています。

フルで試合を見ていなくとも把握している方もいらっしゃるでしょう。そうです、ネガティブトランジションによる被カウンターです。

狙われているのは両SB。特に右サイド、もっと言えばカラブリア。元々スピードや対人守備を疑問視されていた彼ですが、新監督にハマっていないからか、そして自信を失っているからでしょうか。今季は悪目立ちしています。

ということが全世界でバレているのにそれでもSBを上げて「ボール支配をして攻撃的なサッカーをしよう!」がフォンセカのコンセプト。そしてレッドバードのエンタメビジネス的な目論み。

クリティカルなスクデットを勝ち取った「肉弾戦プレス+個の質的優位を活かした縦志向サッカー」から、「ゾーンからのハイ・ミドルプレス+ポジショナルなポゼッションサッカー」へのスイッチが今季のミランなのです。

結論から言えば、抜本的にはネガティブトランジション云々ではなく、このコンセプトチェンジこそがディアボロが抱える課題だと考えます。

●ボール保持にフォーカス

今回のプレビューはミランのボール保持に主題とします。非保持も後に触れますが、フワッと。

図解は直近のリヴァプール戦のメンバーです。

ボール保持は2-3-2-3に可変

ビルドアップの基盤となるのは2-3-2-3のような配置。

トモリとパブロヴィッチはリヴァプール戦でプレスを掻い潜るプッシュアップのパスを送れずに苦戦しましたが、ミランにはメニャンがいます。

FBrefによれば、現時点でミランのGKパス総回数はパルマに続いてリーグ2位。ビルドアップへの直接貢献度が高い彼がいることで、”3-3-2-3”と表現すべきかもしれません。

アンカーは2枚のボランチの内、右が務めます。直近2試合はフォファナがポジションを掴みました。求められているのはレジスタ的な仕事よりもむしろボールを持っていない時。ネガティブトランジションやボール非保持の強度担保だと考えています。

ボールの動かし方的にレジスタは、むしろメニャン

焦らず人とボールを動かして、両サイドにボールを入れることでスイッチオン!が多く、リヴァプール戦の序盤は特に上手くいっていました(その後対応されますが)。

メニャンからの左右振り分け

右のカラブリアはこれまで偽SBとして起用された経験もあり、一列前への縦パスが上手く、1試合あたりのプログレッシブなパス回数はチームトップ。保持面で物足りない言われるエメルソン・ロイヤルとメリットデメリットが対極のようなイメージでどうカードを切るかめちゃくちゃ難しそう。

そして本命はもちろん、左サイド。ボールを持てる・運べる・抜けるテオはさらなる可変のキーとなります。

中盤がダイヤモンド型に

プリシッチがやや低め+内寄りとなり、陣形的には中盤に。これによってダイヤモンドのような形成になります。

「片側を圧縮させて制圧しよう」という定石が根底でしょうが、加えて、プリシッチに前を向いてドリブルさせるためのスペース作りも兼ねていると見ています。

そう、ポゼッションと一口で言っても、ドリブル突破がメインウェポンだったチームが急にティキタカ的なパスワークをする訳ではありません。

確かにラインは上げますし、細かいパス回しが特徴的(現在リーグ1位)ですが、崩しのフェーズではテオやレオン、プリシッチといった個がボールを持つ・運んで相手を誘引し、ズレていったギャップに他の選手が侵入するのが核となります。

FBrefによるとプログレッシブ(ゴール方向)なキャリーはリーグ1位。ポジショナルプレーの優位性で表現すれば、やはり質的優位がベースかなと。実は前任から踏襲しているところもあるのです。

4-0で大勝したヴェネツィア戦はここがめちゃくちゃにハマりました。ヴェネツィアは1人のみならず2人誘引されるのですが、複数でもプリシッチやレオンらの優位性にやられブロックがしっちゃかめっちゃかに。

あの試合は確かにミランが良かった。と同時に(ファンの方には申し訳ないですが)ヴェネツィアもとんでもなく悪く、歯車噛み合ってしまった一戦でした。

しかし、自陣で組織的に構えてロングカウンターに徹したパルマや、個に個で対応できたリヴァプールにはアンサーを出せずにやられてしまう格好に。

だからこそ、コンセプトの体現のためにネガティブトランジションという超分かりやすい課題があってもSBはある程度高めを維持しなければならない、と考えます。

いや、正確に言えば幅を取る必要がある、と表現すべきでしょうか。

カラブリアが最終ラインに残るパターンも

特に最序盤はカラブリアが最終ラインに残り、左肩上がりを強調するパターンもありました。当時はこっちがメインだったかも。

しかし、

ⅰ)アンカーに入るフォファナやムサはレジスタでなく3-1の"1"を務めても発信者や指揮者になり難い。

ⅱ)3-1で予防していても、ロングカウンター時に今のカラブリアを狙われると厳しい。

という因子から2CB +アンカーが実質的な最終ラインとなり、SBの片側が3-1というレストディフェンスの"1"になるというのがビルドアップからフィニッシュワークにかけてのメイン設計だと見ています。特にフォファナ加入後は。

ビルドアップ〜フィニッシュの設計

実際、フォファナの1試合あたりのボールタッチは両SB(エメルソン・ロイヤル含む)よりも少ないです。まだ5試合なので後押しとしては弱いですが、とはいえ、インテルにおけるチャルハノールでないことは明白。

したがって、表面上は「両SB高くない?」→「ネガティブトランジションいい加減にしろよ!」との声が未だ上がっていると思っています。

※ネガトラの課題は保持だけでなく非保持由来もありますが、主題ではないのでカット。

何が言いたいかというと、一応フォンセカ監督もソリューションは導入している…と思うんですよかろうじて。しかし、抜本的なものではない。

「そもそも論、この面子でポゼッションってどうなの?」という声も上がっていますが、僕も同感で、少なくてもネガティブトランジションという分かりやすく致命的な課題はコンセプトから組み直した方が期待値が高いように思えます。

もちろん、このまま路線でも何かがトリガーになって改善される可能性もありますが、より改善の可能性が高いのは現状では前者と言わざるを得ないでしょうね。

●インテルはどう戦うが良い?

ここまで書いてスターティング予想が出てきました。

メニャンやディマルコなど出場が不安視されていた選手はOKっぽいですね。サプライズを抜きにして、不確定さが強いのはインテルの右WBがドゥンフリースorダルミアン?くらいかな。

9/21時点のスタメン予想

唐突にミランの非保持の話をしますが、彼らのゾーンからのプレスは4-2-4(4-4-2)によって行われます。

つまり、トップ下のラインデルスが1列上がるのですが、ここは最終ライン落ちするチャルハノールとマッチしやすく、ミランにとっては噛み合わせ◎。

4-2-4はアンカーが降りる形と噛み合わせが良い

しかし、インテルとしては上等。

個人的にこの一戦のミランは構えてのミドルプレスが軸になると妄想していますが(というか、そもそもどちらかも言えばミドルプレスが主だと思ってる)、ハイプレスで積極的に前に出てきてくれるのであれば、噛み合わせが良いことをむしろ逆手に取れる図は想像に難くないです。アタランタ戦のように。

話を本筋であるミランのボール保持に戻すと、リヴァプール戦でクオリティあるマンツーマンハイプレスを掻い潜れるビルドアップ力はまだ備わっていないことを示してしまいました。が一方で、インテルにリヴァプールのハイプレスもありません。

ということで、こちらも特に対策は不要。いつもよりも重心低めで相手を引き出すくらいでもOKと思っています。

前に出る場合、左SBテオには右IHのバレッラが、右SBカラブリアには左IHムヒタリアンがジャンプして圧をかけると思いますが、彼らが前に出ていく距離によって生まれる時間を使われるのは怖い。

対策されるまではリヴァプール相手にも通用しており、直近なのでフィーリングも残っていると見るべきです。

相手SBにはIHが捕まえるのがインテルセオリー

最後に敗れた時も外に膨らむトナーリにIHが付いて行ったことで中を使われたのが黒星の温床だったので、再現はノーセンキュー。

とはいえ、「じゃあ全く前に出なくて良い」というのはもちろん通用しません。”圧をかけてプレーを制限しつつも、背後のケアもする”という絶妙なアプローチが求めれます。この点はそれこそ前回敗戦時と比べ、バレッラははっきりと成長した部分なので期待したいですね。

要は「いつも通り戦え、何なら少し重心低めで」なんですが、流石にこれでは記事の独自性がないので最後にもう一つ。

私的に、テュラムを左に置きたい、ですね。

シモーネインテルのツートップは左右の概念がないようなものですが、それでも便宜上、左右表記をするならばラウタロが左、テュラムが右であることは間違いありません。

しかしながら、今季はその左右の曖昧さがさらに際立っており、例えば、開幕ジェノア戦なんかはむしろ逆と表記すべき立ち位置でした。

この試合ではテュラムが左、しかも外に膨んでボールを持ち、内に仕掛けることに再現性がありましたが、これ、おかわりしたいです。

ツートップの左右を入れ替えて

テュラムが左の場合、基本マークはもちろん対面のトモリになりますが、FW化するディマルコと入れ替わればカラブリアが担当することも少なくないはずので、ここはラウタロよりもフィジカル優位が取れる9番を当てたい

逆にパヴロヴィッチは背走能力が抜群で、テュラムのスピードにも付いていける。しかし、まだチームにフィットし切っていないので、10番の技術や狡猾さは刺さりやすいでしょう。

テュラムを左に起きたい、としましたが実際には「インテル十八番の『超流動的な人の移動』によってシチュエーション作りを目指す」的なニュアンスです。

今季のシモーネは試合によって個人に特定の仕事を課すというか、個人が局地で個性を発揮できるようなプランや指示が強まっていると見ています。詳細は「今季の序盤を紐解く」的な記事を書き進めてしているのでそこでアウトプットできれば。

例に挙げたジェノア戦のテュラムはその指示が入っていたと見ているので、今回シモーネが局地的な部分をどう考えているかはキックオフ後、先ず注目したいポイントだと考えます。

ご存知の通り、今回インテルが勝利すればダービー7連勝。これは両クラブとも未だかつて成し遂げていない、その屈辱を味わっていない記録です。

これはやるしかないでしょ。やってやるしかないでしょ。

最後までご覧いただきましてありがとうございました🐯

超超超がんばれインテル!!!

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TORA
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