【セリエA第33節】SPAL−インテル マッチレビュー
こんにちは🐯
今回はセリエA第33節 SPAL−インテルのマッチレビューです。
今回の相手は最下位SPAL。ここはしっかり刈り取ってローマ戦へと繋げたいところ。さぁ、見ていきましょう。
●スタメン
●前半
・オーガナイズされたSPALのボール非保持
立ち上がり印象的だったのはSPALのボール非保持です。FWとSHがプレス隊。FWはCBに圧をかけつつ、カバーシャドウでCHへのパスコースを限定します。特にチェッリは上手でした。SHはCBを監視しつつ、WBにボールが渡るとタイトにチェックしに行きます。
プレス隊をフォローする中盤の位置取りもめちゃくちゃ光っていました。絶妙な距離感を保って注視していたのでボールホルダーはパスを出しづらそうでしたね。
前半3分、出しどころがなくトップのサンチェスに当てようとするもあっさりとカットされる。
SPALがポイントにしていたのはインテルのWBでしょう。ここにボールが入ると一気に距離を詰めて囲います。前半のSPALは、とにかくここの強度と精度が高かったです。ボールの狙いどころは明確でした。
前半5分、ビルドアップでカンドレーバが囲まれる。雑なパスを出さざるを得ず、あえなくカット。
ただ、この守備はインテルにとっては本来やりやすいものです。SPALのプレスは敵陣深くまで追わないものの、割と高めの位置を取って中盤もそれに呼応します。ですが、最終ラインはさほど上がらないので、最終ラインと中盤にはスペースができがちでした。
インテル、というかコンテ監督はこのスペースにボールを送る「中盤空洞化」のコンセプトがベースにあるので戦術的にはカモにしやすいタイプです。
これを防ぐためにライン間を狭くし、中央を締めるのがインテル対策として最もオーソドックスで、前節のトリノもこの守り方でした。
机上の理論ではその筈なんですが、前半のSPALは非常にオーガナイズされていてインテルは攻めあぐねます。
サイドの選手はとても献身的だし、CHは強度が高くスペースを埋めるのが速い、CBは出足と決断力が速く、インテルのツートップには中々ボールを入れさせてもらえません。一人一人がしっかりと己のタスクを真っ当しています。
中でもCHのダボは運動量と戦術理解度の高さでめちゃくちゃ効いていた印象です。
・均衡を破ったのは結局…
両チームともにゴールの匂いが中々感じられない中、均衡を破ったのはアウェイチームです。36分、ビルドアップのやり直しでSPALのプレス隊を引き込むと、空いたスペースを見事に突いてゴールを奪います。
前半36分、カンドレーバの先制点。
結局、均衡を破ったのはインテルの「中盤空洞化」を利用したゴールです。
SPALもここまでよく集中していましたが、バストーニの楔のパス、ラウタロ→エリクセン→ビラーギの流れるようなパス、サンチェスのポストプレー。いずれも精度が高く、局面局面でSPALの守備を上回りました。
試合はその後、SPALが奮起。インテルはやや劣勢の時間を耐えて後半へ。
●後半
・引き出しを開けるインテル、開けられなかったSPAL
さて、後半のSPALは変化を出してきましたが…正直なところ狙いがよく分かりませんでした。。
前線は変わらず前目に位置取っていますが、中盤はミドルブロックを狙いたいのか下り目に。前半と比べ明らかに前線との距離が空いています。
そのスペースを使おうとするブロゾビッチとガリアルディーニに対しては対面のCHであるダボとバルディフィオーリの警戒が強めで圧をかけに行きます。が、これはインテル側からすれば「釣れている」状態でした。
そして釣れたダボとバルディフィオーリの背後と最終ラインにスペースが生まれる、といった形でインテルのパスコースが次々と空いていきます。
おかげで前半よりも格段にハーフスペースを使いやすくなっているんですよね。そして、インテルが引き出しを開けてそのスペースを有効活用します。
49分のビルドアップ。引きつけに加え、入れ替わりで優位をつくる。
上記のシーンは残念ながら組み立て失敗に終わってしまいましたがビルドアップの入り口としては素晴らしい仕掛けでした。前半には見られなかった形ですね。
こうなると至極当然、インテルがリズムを掴みます。55分にビラーギ、60分にサンチェス、74分にガリアルディーニがゴールを決めて4-0とします。
4得点ともレーンを揺さぶって優位を突いたインテルの得意の形、狙いの形です。コンテ監督のプラン通りでしょう。
これ以降はクロージングに入るので特筆すべきはありません。笑 先日の考察記事が大変だったので、今回はここで終わらせたいと思います。笑
スコア SPAL 0-4 インテル(37分カンドレーバ、55分ビラーギ、60分サンチェス、74分ガリアルディーニ)
●雑感
・綱渡りだったSPAL
前半は素晴らしい守備を見せたSPALでしたが、その実とてもリスキーな戦術でした。セリエA最下位のチームが上位チームにある意味、真っ向からぶつかっていった訳ですから。プランを完遂させるにはとてつもないフィジカルとメンタルが必要でしょう。
インテルの先制点までは上手く回っていましたが、ゴールという一挿しで風穴が空くと、後半はそこから穴が広がるように崩れてしまいました。
今日の試合、SPALのティフォージの方には大変申し訳ありませんが…ディ・ビアッジョ監督が少し求め過ぎたかな、と。理想と現実のギャップ。選手個々のレベル差が残酷にも顔を覗かせてしまった結果だと感じました。まぁ結果論なんですけどね…(生意気言って本当にすみません!)。
・インテルの足元にも薄い氷が
とはいえ、インテルも薄氷を踏む思い的なシーンがありました。前項では触れませんでしたが、今日はSPALのツートップにボールを許し過ぎです。
SPAL屈強なツートップにボールを当てて、そこから2列目がボールに絡んでいくことで得点を目指すというシンプルなボール保持を貫きましたが、ボールを当てるどころがいとも簡単に収めさせてしまい、そのままフィフティーに近いマッチアップに移行してしまうシーンが散見されました。
人数は揃ってますし、不利な状況でもないのですがインテルの守備陣は…うーん。なんて言ったらいいか分かりません。笑
競るのは競るんですけど、甘いというか。
身体は前に行ってるけど気持ちは後ろ向きというか。
なんていうか…軽いんですよね。笑 すみません、ふわふわしてて(ここをなんとか構造的に考察したいのですが切り口が見つけられません…)。
残り5試合。次節のローマをはじめインテルのカードは強豪揃いです。2位死守のため(ワンチャン、スクデットを目指すため!笑)。この守備のブラッシュアップは一つのキーポイントになるでしょう。
次節ローマ戦に引き分け以上であれば、インテルの来季CLが確定します!!
FORZA!! FORZA INTER!! ⚫️🔵
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