【考察】ムヒタリアンがもたらすもの
こんにちは!TORAです🐯
今回も手抜きプチ考察!
「ムヒタリアンがインテルにもたらすもの」をテーマに考察いたします!
彼はアルメリア出身。
シャフタールでのブレイクで欧州から熱視線が集まると、ステップアップに選んだのはドルトムントで〜
みたいなのは他に任せるとして、本記事ではディバラ考察同様にポイントを絞って展開します。
●縦志向のプレーヤー
冒頭にまず抑えておきたいのはムヒタリアンが所属していた21-22モウリーニョローマは特段ボールを持つチームではありません。
データサイトFBrefによると、パス総回数はリーグ9位、ポゼッション率はリーグ10位とちょうど真ん中に位置します。
上記を前提とした上で、ローマの主力中盤というとムヒタリアンの他にクリスタンテやヴェレトゥの名前が上がりますが、ムヒタリアンは彼らと比べてもボールタッチ数(ひいてはパス回数)が少ないのが特徴。
出場時間がニアなヴェレトゥとの比較がわかりやすいです。
出場時間が少ないヴェレトゥがむしろボールタッチしていることが読み取れます。
そう、ムヒタリアンは特段ポゼッションを志向していないチームの中盤で比較的ボールに触らない選手なんです。
もう少し突っ込んで見てみると、特徴として挙げたい点が2つあります。。
ⅰ)PA内でのボールタッチ数
クリスタンテ、ヴェレトゥともにPA内でのボールタッチは総数の2%ほどですが、ムヒタリアンはなんと倍以上の5%です。
もし「いや、たかが3%の差じゃん!」と思われた方がいらしゃったら想像してみて欲しいです。
現代サッカーにおいてPA内でボールをタッチするのはそれだけで難度が高いですし、たかが3%でも1シーズン積み重なるとバカにならないですよ。本当に。
参考までにインテルの特攻隊長であるバレッラもおよそ5%(ちなみにチャルハノールは2.5%)、中盤選手としてはPA内で侵入して仕事をするタイプと推察できます。
ⅱ)SCA(シュート機会創造)
SCA(Shot Creating Actions)はスタッツ参照元であるFBref独自スタッツです。
一言で表せば「どれだけシュート創出に絡んだか?」。
もちろん、わざわざ取り上げている=ムヒタリアンのスタッツが多いということですw
見てみましょう。
…
……
………
「おおい!ヴェレトゥと変わらないじゃねぇか!」
みなさんのツッコミが聞こえます。
まぁもう少し話を聞いてつかあさい。
ヴェレトゥの内訳を見ると、85回の内、セットプレーが31回も占めます。
では各々セットプレーを引いた回数を見てみましょう。
オンプレーで見るとムヒタリアンがずば抜けていることが分かります。
尚、セットプレーを除いたSCA回数はチーム2位(1位はペッレグリーニ92回)でございます。
以上、少ないタッチでゴール前に侵入→最終局面でチャンスクリエイトできる縦志向の選手だと考察できます。
先日Twitterのスペースで僕はムヒタリアンを「インテルの選手で例えるとバレッラ」と位置づけしたのですが、理由はこの縦志向の選手だということに由来します。
●実は襲撃者
とか言っておきながらなんですが、本項では「今回スタッツを掘ってみて感じたのはやっぱりバレッラでもない」ということをお伝えしたいですw
同じ縦プレーヤーでもバレッラは推進力を活かすオンザボールが肝ですが、ムヒタリアンはフリーランニングでのオフザボールを肝としている印象を受けました。
スタッツを比べてみましょう。
『ボール前進』の指標となり得る両スタッツともバレッラに軍配が上がりました。
チームが異なる時点で単純比較はできませんが1試合平均ベースで見てもバレッラが上回りますので、少なくても量においてはムヒタリアンが後塵を拝すると言えそうです。
せっかくなのでもう少し細かく掘りましょうか。
他チームでも比較できるがある程度成立できるよう、チーム全体の割合(パーセンテージ)を求めてみましょう。
数字が細かいですが割合ベースなので総数よりも比較しやすいです。
で、追っていくとレシーブ(パスを受け取った回数)が印象的。
チームのパス総回数の内、バレッラがレシーブをするパーセンテージは平均で11%。
つまり、全体のパスの内、バレッラはおよそ1割程度を受け取っているということですね。
一方、ムヒタリアンはというと平均8%。
もし「いや、たかが3%の差じゃん!」と思われた方がいらしゃったら想像してみて欲しいです。(以下略
ムヒタリアンはもちろんボールを持てるし運べます。水準以上のスキルは間違いなく有しています。
がしかし、その神髄はむしろボールを持っていないとき、と言えるかもしれません。
個人的には実際のプレーともリンクする結果です。
というわけで、インテルの選手に例えるならばバレッラ味もありますが、本質的にはガリアルディーニかもしれません。
…
……
………
「おおい!ガリアルディーニかよ!それはないだろ!」
みなさんのツッコミが聞こえます。
まぁもう少し話を聞いてつかあさい。
ガリアルディーニは中盤選手のカテゴリーとしては、いわゆる『インクルソーレ(襲撃者)』に当てはまります。
絶妙な攻め上がりで攻撃に厚みを加える選手のタイプを指しますね。
攻撃性が強く、激しい上下動を求められるので持久力に長けていることも条件でしょう。
質は置いておいて、このタイプ分け自体の異論は比較的に少ないと思います。少ないと信じたいです。
ほんで、こう記載するとムヒタリアンも当てはまると思いませんか?w
ちなみにムヒタリアンの累計走行距離は昨季チーム2位です。
まぁ彼らは同タイプとはいえ、なぜか一括りにはできませんけどね笑
(主に技術面が原因)
●インテルにもたらすもの
さて、襲撃者なムヒタリアンがチームにもたらしてくれるもの。
最もキャッチ―なのはカウンターの精度と速度だと考えます。
個人的にムヒタリアン=カウンターの申し子!
ローマのカウンターは彼でしたし、彼はローマのカウンターでした。
そして、これまでの項はその証左になると考えています。
ルカクがhere we goした今、その期待はさらに高まります。
以前の記事でも触れましたが、21-22シモーネインテルの形を新シーズンもそのまま踏襲すると仮定すると「フィットは問題ないだろうけど、おそらく以前ほどの活躍はできない」が僕の個人的意見。
ただ、あくまで踏襲すれば、の話です。
今のスカッドならコンテインテルっぽいこともできるでしょう。
自陣深くにセットをして強固な5-3ブロックで相手を迎撃。
ルカクを起点にカウンター。
落としを拾うは近距離かつ直接的なコンビネーションが光るラウタロ。推進力のあるバレッラなどなど。
その隙に狡猾に攻め上がるムヒタリアン。
うん。
想像しただけでご飯3杯いけますねコレ。
コンテインテルのラストピースだったエリクセンも流石にこのダイナミズムにおいてはムヒタリアンに及ばないでしょう。
Ver.2と言いますか、一味ちがうピーキーさを演出できそうですね。
さらにGOODなのはプランBとして組み立てやすいこと。
言うて一昨年のことですし、スカッドも大幅に変わってないですからね。
設計のスタート地点がちがう。これが大きい。
●懸念事項
昨年のPSMから僕はずーっと言っておりますが、シモーネインテルのIHは発信力が求められます。
ちょっと俗っぽい言い回しですが、大前提としてゲームメイキング力があるかが非常に重要で、オフザボールだったり、キャリーだったりは付加価値的な側面になっている印象を受けます。
ここがガリアルディーニやヴェシーノがシモーネ監督の選択肢で下に位置した要因。逆に明らかにフィジカルで衰えたヴィダルの信頼が高かった理由でもありますね。
これまでのまとめっぽくなりますが、ムヒタリアンは本質的に『ボールを持たないプレーで真価を発揮する』プレーヤーで、その上積みとしてボールプレーのスキルが確立していると見ています。
結局、オンザボールもオフザボールも優れていることに代わりはありませんが、21-22シーズンにあそこまで中盤選手たちの差が開いてしまったことを鑑みると、一抹の不安を覚えますね。
あと、これもどこかで言ったor書きましたが、昨季は走行距離だとか、そういった数字以上に頑張ったと思うので疲弊し切っていないか心配ですw
●最重要事項
最後にこの記事で最も伝えたったことを記します。
むしろこれの為にこれまでの項目を肉付けしたと言っても過言ではありません。
ムヒタリアンなのか、ミキタリアンなのか
これですよ、これ。
オフィシャル出る前に自分の中で決めておきたいんですよ笑
結論から言えば、僕は『ムヒタリアン』と呼びます!
海外実況、特に英語だとミキタリアン表記が近いようで、事実どう耳を可動させてもそう聞こえます。英語そんなにできないけどw
しかしながら、現地の発言では『ムヒタリアン』表記が近いそうですね(もっと言えば”マヒタリャン”らしいですが)。
で、日本のカナ表記って現地の発音に近づけるのが一般的かなと思います。
極端な例ですが、ロベルト・バッジョのことをロバート・バッジョと呼ぶ人はいませんし、ティエリ・アンリのことをティエリ・ヘンリーと呼ぶ人もいませんよね。
ということで、僕は『ムヒタリアン』でいきます!
略すときが困るんだけれども!!!
というか、略すときは『ミキ』がいいのかな?
尚、「いやいや、その認識ちがうよ!こう呼ぼうよ!」
ってのがありましたらぜひご教示ください!マジで!
以上です!
本当はもっと考察したいポイントがありますが、それはPSMやシーズンが開幕してからのお楽しみにしたいと思います!
ごめんなさい!
本当はなんだかんだで4000文字オーバーなので疲れただけです!
最後までご覧いただきましてありがとうございました🐯