【ELラウンド16】インテル−ヘタフェ マッチレビュー
こんにちは🐯
今回はELラウンド16 インテル−ヘタフェのマッチレビューです。
インテルはセリエA最終節のアタランタ戦と全く同じメンバーで挑みます。好調だった3-5-2はそのまま維持。よりベターな形で一発勝負となったELに望みます。
●スタメン
●前半
ヘタフェは立ち上がりからフルスロットル。流れを完全に掌握します。
・津波のようなプレッシング
まず触れたいのはヘタフェのボール非保持。大枠はハイプレスとミドルプレスを併用するプレッシングスタイルです。
前からのプレスは両SHとマタ、マクシモヴィッチが担当します。マクシモヴィッチはマタと横並びの関係。こうなるとシステムの噛み合わせ的にブロゾヴィッチが浮くのですが、そこは両者が背中でパスコースを切っていました。
インテルは細かくパスを繋いでビルドアップを試みますが、IHにはタイトにマークが付いてますし、WBにはSHだけでなく、SBも果敢にチェックに入ります。ライン間はコンパクトだし、プレスの出足は速いし、球際は激しい。ヘタフェのプレッシングはまるで津波のようでした。
インテルはこれに飲み込まれ陣地回復がまったくできず。ミドルサードでボールが引っかかってはショートカウンターの餌食になり続けます。
・狙いはシンプルに
20分過ぎ頃からようやくインテルがボールを持てるようになります。ここは戦術的に何かあったというよりもヘタフェのミドルプレスの時間が増えた+インテルが慣れてきた、という表現が合っているでしょう。
落ち着きが生まれたインテルはようやく自分たちの攻撃を形作ります。その最大の狙いは最終ラインの背後。シンプルなフィードで裏抜けを目指す共にヘタフェのプレスを回避します。
このシーンはソニアの飛び出しで防がれる。
幸い、この狙いはすぐに結実しました。33分、バストーニの狙いすましたロングフィードがボックス内に届くとエチェイタとの競り合いを制したルカクがシュートをサイドネット内側へと届けて1-0とします。
・フレームはよくても…
さて、話は変わって続いてはヘタフェのボール保持に移ります。
ヘタフェはレーンを変えるパスを多用し、インテルのブロックを揺さぶります。スペースができたらシンプルに配球し一気に縦を突破!主にアウトレーンからのシンプルなクロスを狙う、というものでした。印象的だったのはククレジャです。
ククレジャはスピードがあるのでヘタフェのボール保持と相性◎。その推進力でビルドアップの届け先として脅威でした。ただ、ククレジャが厄介なのはコレだけじゃなかった点。
今日は右に流れるオフザボールも目立ちました。キレッキレだったドリブラーを放っておける訳もなく、インテル守備陣はどうしても引っ張られます。おかげでぽっかり空いた左のアウトレーンをSBのオリベラに使われるシーンが散見。
LSBオリベラ(上)とRSBサンチェス(下)のボールタッチ比較。前者の方が深い位置でボールに絡んでいるこどか分かります。※WhoScored.comより引用
このようにヘタフェのボール保持は良いフレームを持っていました。しかし、ヘタフェが至らなかったのはフィニッシュワーク。
特にボックス内の判断・決断力に欠け、まごついてしまったシーンが気になりました。「もっと早く打っていれば・・・!」というシーンは1度ならずあり、インテルからすればこの詰めの甘さには大いに助けられた感がありました。
●後半
ここまで執筆したところでDAZNの不具合でアーカイブが見れなくなってしまいました。ここからは図解なし+リアタイで覚えている範囲のことを記載いたします。
後半はヘタフェが攻めてインテルが守るという構図です。しかし、「じゃあヘタフェが優勢で、インテルが劣勢なの?」と問われると一概にそうとは言えないのが後半のミソ。
ヘタフェはディテールに変化を出してきました。ボール非保持はハイプレスの色合いがグッと濃くなり、ボール保持は前半狙いにしていたクロスが少なくなり、代わりに中央、ハーフスペースを細かいパスワークで崩すシーンが増えました。
対してインテルはこれを迎え撃つように重心を低めに設定。ただし、この意図は守備面だけではありません。
攻撃の面においても前半効果的だった中盤空洞化によるロングフィードを引き続き狙う!という側面もあります。それ故にボール保持時のIH(ガリアルディーニ、バレッラ)の位置取りが低めだったのは印象的でした。
この両者のリアクションはインテル側に良い意味で噛み合いました。ヘタフェはシュートこそ打てますが得点の怖さはありません。
試合は74分、ゴディンがボックス内でハンドを取られてしまいヘタフェのPKになります。キッカーは交代したばかりの名手モリーナでしたが、ハンダノヴィッチの圧がかかったのでしょうか?ボールは枠外へと逃げて行きました。
気落ちするヘタフェをインテルは見逃しません。83分、またもバストーニの高精度フィードがピッチを切り裂きます。ルカクと入れ替わったエリクセンに届き→右のダンブロジオの折り返し。これをデジェが処理ミス。セカンドボールをエリクセンが拾いシュートを流し込みました。前半に図解で紹介したシーンと非常に似た形でしたね。
この後は追加点を取ったインテルが試合のペースを落とし2-0で勝利。ラウンド8へと駒を進めることに成功しました!
●雑感
今季ヘタフェの試合はこのゲーム含めて3試合しかチェックできていませんが、今日の出来はその3試合の中ではベストでした。先述の通り、プレッシングは素晴らしいクオリティ。ただ、そのダーティーさを贔屓目のチームが受けるとどうしても悪感情を抱いてしまいますが…
・勝負を分けたのはヘタフェの明確な課題
しかし、ヘタフェは戦術面で中盤空洞化というインテルのピーキーな攻撃力と噛み合わせが悪く、さらに最終ラインはその負担を一手に受けられるほどのレベルにありませんでした。ここが本日の勝負を分けた大きなポイントだったと感じます。
さらにフィニッシュに可能性を感じない点も気になりました。この1試合では原因を掴み切れませんでしたが…。
攻守どちらにおいても明確な問題があり、この試合においてもそれが顔を覗かせてしまいました。この辺が中断明けの低空飛行の理由でしょうか?
・二の矢
一方のインテルは思惑通りと言った勝利でしょう。しかし、90分において二の矢がないのが気になりました(それだけ割り切っていたとも捉えられますが)。
ラウンド8はレヴァークーゼン。個人的にバーティカル(縦方向)志向の強いチームと認識しているのですが、中盤空洞化ばかりに頼っているとトランジションによる入れ替わりが非常にリスキーに思えます。
出来ればポゼッションによる押し上げも保証していきたいところ。その点ではこの試合出番がなかったカンドレーヴァやバレロ、復帰したセンシあたりはキーになりそうな気がします。
gazzettaによるとインテルはELでセミファイナルに進めば来季のCLがポッド3になるそうです(違う見解もあるので鵜呑みにはしないで下さい)。
なので、レヴァークーゼン戦は勝利必須になります!ドイツ勢とはあまり相性が良くないですが、チーム一丸で勝利を目指して欲しいです!
FORZAINTER!!⚫️🔵
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