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【人事を尽くして天命を待つ】CL20-21 グループB第6節 インテル−シャフタール プレビュー

こんにちは!TORAです🐯

今回はCLグループステージ最終節 インテル-シャフタールのプレビュー。

本記事はCL第4節ボルシアMG-シャフタール、第5節シャフタール-レアル・マドリード戦の試合&データのインプレッションをプレビューに繋げていこう!という内容です。

第2節のシャフタール-インテルをご覧頂いてお気づきになった方も多いと思いますがシャフタールのサッカーは昨季から地続きのスタイルです。

シャフタール関連の記事は計3本書いていますが、未読の方は昨季ELセミファイナルのプレビュー&レビューがおすすめ!是非ご確認頂けると本記事がスムーズにご覧頂けると思います。

では見ていきましょう。

●vsボルシアMG戦(アウェイ)

・ボール保持
4-3-3の基本配置。昨季ELセミファイナル同様、LSBマトヴィエンコを中心とした左偏重ビルドアップ。

DATA)本試合のマトヴィエンコのボールタッチは95。両チームNo.1となる回数。

✔︎最終ラインとアンカーのステパネンコでジグザグを作るような形でビルドアップの入口を形作る。ステパネンコは最終ライン落ちもするけど頻度はそんなに。入口だけはサッスオーロに似てる。

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◯相変わらず最終ラインや中盤底でのボール循環は上手い。

◯細かいパスとドリブルでのカウンターからニアゾーン(ポケット)を突くのが最も瞬間火力が出る。

×ただしロングボールでのカウンターは不得手。撤退守備でスタートが浅いのに加え、前線でアバウトなボールを収められる選手もいない。

×アタッキングサードで組織的守備を崩すアイディアが少ないのが気になる。迎撃で攻撃のスピードを奪えばガクンと破壊力は落ちる。

DATA)本試合のPA内へのパス成功回数はたったの3回(セットプレーをのぞく)。

?サイドチェンジやクロスが増えた。ボルシアMGが中央を固めてたので本試合だからこその事象か昨年からの変化かは判断し難い。

・ボール非保持
2SHが降りて4-1-4-1を形成。相変わらずお堅いし真面目。

◯選手配置が整っている時は流石のソリッドさ。

×最終ラインのフィジカル的な不利が気になる。特に右のドドーはテュラムのパワーに、左のマトヴィエンコはラザロのスピードに苦しめられた。

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?4失点すべてがセットプレー。特に4失点目はお粗末なもの。

・気になったこと
ボルシアMGはビルドアップが詰まったらシンプルなフィードを両SHに出すことが多かったです。2節後半のインテルみたい。

異なる点は裏抜けだけでなく、わざとSHに当ててマーカーと競らせていたこと。

質的優位で勝負を挑む

テュラムはドドーとなら有利が期待できるし、ラザロは競り負けても快速二次プレスで相手を困らせていました。得点には繋がらなかったが非常に効いていた印象。

また、シャフタールは4失点全てがセットプレー。これは看破出来ない問題です。特にサイズやフィジカルなど、如何し難いハード面が響いていたように見えました。
しかし、裏を返せば「流れの中での失点はなし!」と捉えられますね。

●vsレアル・マドリード戦(ホーム)

・ボール保持
ビルドアップはボルシアMG戦同様、最終ラインと中盤底のステパネンコでジグザグ。ボルシアMG戦と異なり、左右バランス良く組み立てていた。

?シャフタールの狙いというよりはレアルの強度が左よりも右(シャフタールにとって左)の方が高かったから、が要因かな。なので意図したアクションではなくリアクションっぽい。

◯↑実際、左ビルドアップの方が連動性を感じられた。慣れてる感。が、右は右でドドーの推進力とマルロスのいぶし銀さが光る。右サイドは不得手かと思ったけどそんなことはなかった!

DATA)本試合、マルロスはパスレシーブ成功数チームNo.1。パス総回数もマトヴィエンコと並びチームNo.1タイ。さらに成功率も非常に良く、ビルドアップのボール循環に大きく貢献。

◯カウンターが鋭い。足元やスペースで輝く選手が多く、鮮やかなパス交換で一気に攻め上がる。特にタイソンのスキルが圧巻。

DATA)本試合、タイソンは足でコントロールしてボールを運んだ回数(運ぶドリブル)がチームNo.1、距離は両チームNo.1。

×やはり、攻撃やカウンターのスピードが落とされると一気にトーンダウン。CLクラスの対戦相手に撤退守備されると非常に厳しい印象を受ける。

×やはりやはり、ロングボール1発のカウンターも見込めない。今回は超撤退守備だったので尚更。

・ボール非保持
格上でボールを持てるレアル相手だったので非保持は極端な撤退守備。選手配置は4-1-4-1。

〇目を惹いたのはステパネンコ。レアル・マドリードはサイドに振る(逃げる)ことが多かったが、対するシャフタールはSBが大外に釣られた時に彼がスッと最終ラインに落ちて5バックに。このスムーズさや精度に練度を感じた。

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◯トルビン神セーブし過ぎ。2節インテル戦も当たったんだから最終節は勘弁っ🙏

DATA)本試合、トルビンは被枠内シュート8本をすべてセービングした。

?アタッキングサードでのプレスが非常に非常に少ない。CBがボールを持つのは許容というかスルーに近い。

・気になった点
たしかに本試合のレアル・マドリードは率直に言って、酷かったです。

上述の通り、攻撃はサイドからのクロスを強いられましたが、その際に5-4でガチガチにPA内&付近を守るシャフタール守備陣を破るのは相応の工夫が必至でしょう。ここが至らなかった点。
そして、被カウンター時の予防的プレーと連携ミスで失点を許してしまった点が特に悪印象でした。

シャフタールの強みを崩せず、また強みを抑えられなかった

こう見ると必然の敗北に思えますね。

その他、シャフタールは遅攻時にマルロスが中盤底や稀に最終ラインに降りて配球係になっていたのが目を惹きました(その分、マトヴィエンコやドドーが高めの位置取り)。
頷けるオプションですが、攻→守の切り替え時にサイズやスピードで劣る彼が相手のアタッカー陣と相対するリスクは注意が要るでしょう。

●今季の要注意選手

続いては、今季CL5節分のデータスタッツから伺える要注意選手を3選手ほどピックアップします。
(リーグ戦はシャフタールが突出してて参考にならないので除外)

✔︎テテ(RSH)
CL全時間出場の右サイドアタッカー。チーム1となるゴール期待値(1.4)を稼ぎ、枠内シュートの数もトップ。”チャンスに絡み、かつ可能性もある”選手です。
スタッツで見れば今季のエース。
といっても我がチームのエースはテテの倍以上のゴール期待値(2.9)ですけどね!

✔︎マトヴィエンコ(LSB)
ⅰ)200分以上の出場数がある選手 ⅱ)1試合平均スタッツ の条件でソートした時に(Covid-19の影響で欠場を考慮して)
彼はパス総回数、ボールタッチ数、タックル+インターセプトの項目でチームトップ。
ポジションは違いますが、要はインテルで言うところのブロゾヴィッチです。ここは抑えないといけないでしょう。
ただ、プレス成功率がいまいちで、かつ被ドリブル突破数がやや多めなので対人性能や球際は高く・強くないように思われます。
このウィークポイントが顕在化するように攻めたいところですね。

✔︎トルビン(GK)
上述の通り、インテル戦やレアル戦では当たっていた訳ですがスタッツに表れていました。
被枠内シュート27本に対し、セーブ数19。セーブ率は70.4%。グループBで最高値です。
あくまで”スタッツ上”になりシーンごとの危険度は孕んでいませんが、シャフタールはグループBで最も枠内シュートが多いので素直に称賛していいでしょう。
繰り返しますが最終節では当たりませんように。

●個人的展望(もとい、こんな感じで戦ってほしい!という妄想)

前置きとして裏のカードは考慮していません。
レアル・マドリードは色々な意味で崖っぷち、ボルシアMGは最も有利ですがアウェイ。両チームともにアレコレ考える余裕はないと考えるからです。という訳で、僕は俗に言う「談合試合」にはならないと思っています。

話を本筋に戻します。
シャフタールのサッカーが地続きならば、個人的なポイントもまた地続きです。
ズバリ「どう失点を免れるかではなく、どう点を取るか?」。

もし先制点を取れば、こちらは無理せず迎撃できる=シャフタールの不得手な遅攻を強いることができる。

裏返してカウンターを発動すれば人数や体勢が整わない守備を強いることができる=シャフタールの強みを削ぎ、追加点の期待値アップ

が見込まれます。

先制点は優位な環境を作りやすい重要なファクターなはず

また、昨季ELセミファイナルや今季CLボルシアMG戦がまさにそうですが、シャフタールの守備ブロックは非常に真面目。それ故か、90分は持たずどこかで集中力がプツンと切れるイメージもあります。劣勢だと特に。

したがって、”失点を防ぐ!”よりも”得点を奪う!”がより重要、試合展開の大きなポイントになると思っています。

しかし、インテルにとっては勝利が絶対条件。敗北はもちろん、引き分けすら許されません。リスクマネジメントも多少は必要。

以上を鑑みた、僕の妄想戦術がこちら。
あ、先に謝罪しておきます。前回のレビューで「質的優位ばっかなのどうなん!?」とツッコんでおきながら今回は質的優位で存分に殴りますw

…今回、というか当面は勝てばいいのだ!

・ボール保持
基本はボルシアMG戦のようにハーフスペースとアウトレーンで多角形を作って前進の昨季スタイルだが、丁寧なビルドアップは求めない。

詰まったらフィードで裏抜け&競り合いからの二次攻撃を狙う。競り合いのメインターゲットとなるのはルカクとペリシッチ。

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✔︎左WBはペリシッチ。こちらは前半から制空権の質的優位を見出したい。
✔︎対して右WBはダルミアン。前半は彼にバランスを取ってもらい、後半にハキミを投入しスピードの質的優位を色濃く演出したい。

※本音はCH(アンカー)にヴィダルを置きたかったのですが負傷の為、欠場が見込まれています。

もしも前半をドローもしくはビハインドで折り返したら、後半は「THE今季のサッカー」に切り替えます。

ビルドアップユニットを変更し、直近ではすっかり見かけなくなったCB攻撃参加などのオプションも用いながら5レーン占有で組織的に攻め立てる。
というのも、個人的に2節前半はゴールが生まれなかっただけで内容そのものは非常に好印象だったので。リスクはありますよ。けど思うんです。

この場面ならリスクを取らないと白星を掴める訳がない、と

・ボール非保持
これまでの”対シャフタール”のアプローチを継続します。

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✔︎バレッラをRIHに。ビルドアップの要であるLSBマトヴィエンコをケアしてもらう。
✔︎右のCFとWB、HV(CB)で守備ラインを形成し、面で蓋をする。
✔︎この2点でシャフタール得意の左ビルドアップを封殺。

”攻めの守り”になるのでリスクは当然ありますが、先制点の重みとシャルタールの組織的守備のクオリティを天秤に載せるとリスクの方が軽い!という判断です。
何よりも前回、前々回と効果的だったので「勝ってるチームはいじるな、ならぬ優位だった内容はいじるな」の考えです。

このアプローチは運動量と機動力に長けたバレッラがキーになりますが、RHV(右CB)のフォローも非常に重要。
スピードと対人守備が特性のシュクリニアル(実はスプリント速い)にかかる期待と責任は大きいです。ゴディンとダンブロージオはやってのけたが、はたして。

この前からプレスがいなされたら撤退守備が最優先。5-3ブロックで迂闊に踏み込まずねちっこくボールホルダーに対し数的優位をキープする。

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※参考 昨季ELファイナルの撤退守備

はい。走行距離はかなりのものになると思います。特にWB。うん!頑張れ!(根性論)

●ここまで執筆したところで・・・

ヴィダルだけでなく、バレッラも負傷によりシャフタール戦出場が危ぶまれていました(12/8現在)。

いや~、この両者が不在なのは本当に厳しい!!
シャフタール戦はボール保持や非保持の局面よりもポジティブトランジション、ネガティブトランジションの攻守の切り替えの局面が肝だと思っているので、この手のシチュエーションに強いヴィダルとバレッラはマスターピースだったんですが・・・

うーん、せっかくなのでもう少し妄想してみます。宜しければお付き合い下さい笑

前からプレスは諦めません。離脱者を加味しても先制点が尚、重要と考えます。
リスク上等!というよりも、シャフタールの組織的守備を高く評価してのジャッジです。

ポゼッションを高めて撤退守備相手に90分攻め続けるよりも、昨季ELセミファイナルのように高い位置からのショートカウンターが効率は良いはず。

しかし、肝心要の前からプレスが最も深刻なダメージを負ってしまったので右WBのダルミアンをハキミに変えてプレッシングのスキームを変更します(下図はGIFです)。

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✔︎(インテルでは)守備範囲の狭いエリクセンには対面をしっかりマークしてもらう。
✔︎RWBハキミにLSBマトヴィエンコをケアしてもらう。
✔︎距離があるのでダルミアンではなく快速のハキミをチョイス。
✔︎RHVのタスク難度はグッと上がるでしょう。が、ここはシュクリニアルを信じます。

本当なセンシを起用したかったのですが、まだ準備が出来ていないんじゃないか?という判断でエリクセンをチョイス。
とは言え、バレッラタスクは背負わせられません。したがって、あえて3-4-1-2で行きます。

つまり、ボール保持目的ではなく、シャフタールの中盤3枚にインテルの3枚をしっかり噛み合わせる目的です(というか、エリクセンを)

トップ下サンチェスも頭をよぎりましたが、ハキミもスターティングにしてしまって、期待値の高いジョーカーがいなくなるので彼に賭けることにしました。

多くのインテリスタの方が仰っていましたが彼にとって最後のチャンスでしょうね。チームの勝利の為にも、己の誇りの為にも結果で示して欲しい。

また、このスキームだと裏抜けのリスクは増えます。厄介なのがその受け手がチームで最もボールを運べるタイソンなこと。

ここはシュクリニアル個人と右メンバーの連携を信じます。実際、ここまでの対シャフタール戦はかなり良かったですしね。

と、こんな感じでしょうか。まだまだ書きたいことはありますが流石に自重します笑

●最後に少しまとめ

インテルのメンバーがどうであれ、僕個人の考えは

高い位置からのトランジションで
シャフタールの組織的守備を無力化する

それが実を結ばないのであれば

シャフタールを上回る組織的な攻撃、
つまり今季の最大火力で打ち破る

を実現させることが最大のポイントと考えております。

重複になりますがインテルは絶対勝利が条件。敗北も引き分けも許されない。

したがって、リスクを考慮しつつもリターンを求めなければなりません。
また、シャフタールはそのリターンを得られれば試合展開がより優位になる相手だと考えています。

勝ちましょう、絶対に。
人事を尽くして天命を待ちましょう。

FORZA INTER!!!!!⚫️🔵

最後までご覧頂きましてありがとうございました🐯


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