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【セリエAビッグチームのバランスシート】カルチョフィナンツァ斜め読み

あけましておめでとうございます!TORAです🐯

新年一発目の企画は、まだ忘れてなかった斜め読みシリーズです。

これまでは原文を少し端折りながら訳し、僕の補足(になってるかは分からないけど)を加えて記事を構成していましたが、今回はむしろ補足がメインとなります。

●原文『セリエAのビッグチームのバランスシート比較』

セリエA2022/23の上位クラブは増収減益

カルチョフィナンツァから引用

最も遅かったローマの収支報告書発表により、昨シーズンの全上位クラブの年間収支が確認できた。トップ8クラブの合計は昨シーズンを上回る数字となっている。

伸び率ではナポリがトップ。昨シーズンと今シーズンを比較すると、1億7590万ユーロから3億5920万ユーロへと2倍以上にジャンプアップ。

スポーツ面の収入が最も多かったのはインテル。試合収入(7,890万ユーロ)とチャンピオンズリーグ決勝進出によるテレビ放映権収入(1億9,650万ユーロ)。

商業収入ではユヴェントスがトップ(1億7,490万ユーロ)、選手売買で最も利益を得たのはアタランタ(8,350万ユーロ)だった。

選手コストの面では引き続きユヴェントスが6億690万ユーロで最も重い。インテル(4億6,550万ユーロ)、ミラン(3億8,960万ユーロ)と続く。ユヴェントスは人件費(2億8,230万ユーロ)と選手に関する償却費(1億4,640万ユーロ)の両方の人的コストで最も高い費用を計上したクラブである。

収入と支出を合わせた純損益に関しては、黒字はミランとアタランタ(それぞれ+600万ユーロと+560万ユーロ)。

他のクラブは赤字になった。フィオレンティーナの1,950万ユーロからインテルの8,500万ユーロ、ローマの1億300万ユーロ、そしてユヴェントスの1億2,370万ユーロである。

カルチョフィナンツァから引用

8クラブの合計を取り上げると、収入は24億8,000万ユーロ。昨シーズン対比で20%増となった。

一方、費用は26億2,000万ユーロから25億9,000万ユーロへと1%減少。特に、給与費用は3%減少(12億9,000万ユーロから12億5,000万ユーロへ)、減価償却費は5%減少(5億8,500万ユーロから5億5,300万ユーロへ)である。

最後に、純損益に関しては8クラブ合計で昨シーズンの6億7,670万ユーロの赤字から2022/23シーズンは2億6,950万ユーロの赤字と良化した。

●TORA補足

中の人はナポリが嫌いなのでしょうか?笑

昨シーズン、7,970万ユーロの圧倒的黒字を叩き出した王者についてなぜか触れてません笑。言うまでもないってこと?笑

さて、改めて表を引用し、項目をまとめてみましょう。

各項目トップ
・昨シーズンからの伸び率:ナポリ
・スポーツ面収入:インテル
・商業:ユヴェントス
・選手売買:ガスペリーニ
・総収入:ユヴェントス
・総支出:ユヴェントス
・純利益:ナポリ
・純損失:ユヴェントス

我が軍とユヴェントスの内訳を比べてみましょう。目立つ差異は瞭然。ズバリ、商業(コマーシャル)収入ですね。

ざっくり項目を分け分けすれば、スポンサーシップ(#デジタルビッツ金払え)、グッズのリテール&ライセンシング、ファンエンゲージメントが挙げられます。

ご存じの方も少なくないと思いますが、これは我が軍長年の課題ですね。

直近シーズンで注力してますが歴が浅いし、注力っぷりも足らない。ここは悔しいですがユヴェントスが盤石ですし、最近だとミランがめちゃくちゃ頑張っておりしっかり結果も出ております。マジですごいっす。逆を言えばインテルの伸び代とも捉えられますが!

にも関わらず、ユヴェントスの損失がワーストなのは記事でも言及されている通り、選手の人件費と原価滅却費(選手資産面での減少)が重く、収入を喰ってしまっているということです。

『EBIT』という欄に注目ください。

これは金融収益及び金融費用を除いた収入-支出を指します。これを除いたコスト面の支出入はインテルが▲4,003万ユーロ(メインスポンサーからの入金なし)に対し、ユヴェントスは▲9,928万ユーロと倍以上の開きがあります。

「ユヴェントス(とローマ)よりもインテルの方が赤字少ないよーだ!」で締めたいところですが、実はそうは言えなくて(加えれば、赤字を競ってどうすんだという器の小ささもありまして)。

ここでは主に収入と費用を取り上げてますが、負債と資本も加味すると、最も総負債が多いのは僕たちインテルですwww。いや笑えない。けど笑うしかない。

カルチョフィナンツァから引用

2023年6月30日現在、総負債ツートップを組むはインテルとユヴェントス

前者は8億730万ユーロ、後者は7億9,180万ユーロの額を抱えます。 しかし、6月30日以降の経過で両クラブとも負債総額は減少(インテルは過去に記事にした通り債務変換をしたり、ユヴェントスは増資を行なったりなど)。

インテルはたしかに借金の額がトップで、かつ、各所で騒がれるように2024年5月までにオークツリーの借金(利子がついて総額約4億ユーロ)を返済しなければなりませんが、例えば”インテルだけが債務超過レベルで降格”とは決して言えません。

”インテルだけ”も誤りですし、”債務超過レベルで降格”でもありません。インテルのバランスシートは改善しており、イタリアとヨーロッパの規制の全ての基準を満たしていると言われています。昨年10月に行われたUEFAのFFP(FSR)和解協定の監査でも肯定的な結果を得られていますね。

カルチョフィナンツァによると、昨年との比較はフィオレンティーナが約33%、アタランタが20%、インテルが9%減少(良化)。ナポリとミランが2%、ユベントスが3%、ラツィオが9%、ローマが10%と増加(悪化)しているとのことです。

とはいえ、インテルを取り巻くお金事情はカルチョ界の中でも指折りの深刻さ。ここで来たるデッドラインデー、2024年5月までに返却しないといけない利子付き借金のおはなし。現状どうなるかの予想は…

分かりません!!!!!


道は3本です。

ⅰ)新たな資金調達先を見つけ、オークツリーの借金を返済する(借金の借り換え)

ⅱ)借金返却できず。クラブ売却

ⅲ)借金返却できず。オークツリーがクラブの所有者に

ついに2024年に突入したのに未だ具体的な進展がありませんが、個人的にⅲ)は最も薄い道の認識です。仮にⅲ)に進んだとしてもオークツリーではなく、別会社にコネクトされると思っています。

オークツリーはサッカークラブの経営に興味がないと再三公言しており、彼らはクラブが勝負に出たタイミング(コンテ招集、ルカクやハキミ獲得など)とパンデミックがジャストで重なり、深刻なダメージを追ったネラッズーリから蜜を搾り取るだけが目的。

事実、張一族とオークツリーの関係が近いことから(張一族がオークツリーの投資家の一人であった可能性も)、返却の延長も受け入れるという噂も。まぁこの信憑性は低いでしょうが。

現状は、ⅰ)に着地する確率が高いでしょう。

スポーツ面の成功により、クラブの価値は高まり続けています。ナイキとの契約延長やパラマウント+、eBay、カタール航空との契約はこれが所以。対企業の話だけではなく、選手視点でも。ディマルコやダルミアン、ムヒタリアン、そして今後のラウタロ。彼らのスムーズな契約延長はその証左です。

スタジアム面も以前より見通しが明るく(僕はまだ蘇寧のままだと建てるに建てられないと思ってますが…)、出場が確定した来年の新クラブワールドカップはアメリカ開催。サッカーに興味を持つ投資家が最も多くクラブ売却の重要なショーケースとなる、と有識者は語ります。今後数ヶ月でさらに価値を高めるであろうインテルを、いくら状況困難であろうともチャンさんがこのタイミングで離すことはしないという見方が強い。

私見でもこの流れがベターかなと思います。というかファン目線でもコレしかないと考えます。ⅱ)、ⅲ)は間違いなく現場にまで影響が及びますので、今季の好調と完成度を鑑みるとスポーツ面の観点でも避けなければいけない。

2024年5月までもう時間はありませんが、なんとか借り換えを行ってもらい、多角的な意味でなんとか”このまま”突き進む。是が非でも例の『アレ』を獲得して星を2つにし、CLでもなんとか頑張って一つでも勝ち進んで頂き、なんとか来季も決勝トーナメントに行って頂き、新クラブワールドカップでスーパー投資家をなんとか魅了してクラブ売却!新スタジアム建設へブースト!…が理想かなと妄想してます。

まぁもちろんこんな上手くいくわけはありませんが、少しでも理想に近づけるためにも今のインテルはとにかくスポーツ面、今季はとにかく”アレ”ですね。絶対に掴みましょう、掲げましょう。

思ったより長くなってしまった!最後までご覧頂きましてありがとうございました🐯

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