【サッカーユニフォームのビジネス】カルチョフィナンツァ斜め読み
こんにちは!TORAです🐯
今回は新たな試み!
というほど大袈裟ではないのですが、自分の中でメモりたいことがあったので「どうせならnoteで記事にするか!」と筆を取った次第です。
内容はユニフォームとスポンサーについて。
カルチョフィナンツァの「サッカーシャツのビジネス」と「インテルとナイキのパートナーシップ」という記事を斜め読み。
噛み砕いて少し脚色もしたものをお送りします。
●サッカーシャツのビジネス
「ユニフォームの値段は?」
7月に入り、欧州サッカー2023/24シーズンが本格スタート。
推し選手を応援するために新シーズンのユニフォームを購入したくてうずうずしているファンは多いのではないでしょうか。
(多分)7/11の「ラ・レプッブリカ」紙に掲載されたドイツのPr Marketing社の調査によると、100ユーロ以上する公式ユニフォーム1枚の制作には平均10分かかるとのこと。
テクニカル・スポンサー(インテルでいえばNIKE)の大半はアジアで仕事を請け負っており、そこで働く労働者は、シャツ1枚につき1ユーロにも満たないお給料のために必死に生地を縫製しています。
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一方で販売価格は鰻登り。
セリエA王者ナポリの新ユニフォームは120ユーロから130ユーロの値上げ。33年ぶりとなるスクデットを胸に刻むことになるパルテノペイの方で値上げにプンプンする人はほとんどいませんでした。
しかし、値上げはナポリだけではありません。ほぼ全てのクラブが実施or検討しています(ユヴェントスは140から150ユーロへ)。調査によれば、この値上げでも人々の需要を抑え付けることはなく、これからも値上げは起きるだろうとの予想。
消費者の財布を直撃するユニフォームの値上げですが、クラブの利益はなんとなんと10ユーロ以下と実はかなり厳しめ。
「重要なのは、各ジャージから最大限の利益を得ることではなく、それを着用するすべてのファンがアンバサダーになることを理解することです」
と、Pr Marketing社のオーナーであるPeter Rohlmann氏は主張します。
イタリアには、アルマーニとコラボするナポリがあり、ドイツには政治的に熱心なファンが『搾取ゼロ』の保証を要求するザンクトパウリがある。
また、メーカーが社会の価値観に適合することを求めることも現在の潮流。
例えば、リバプールやウディネーゼはペットボトルをリサイクルしたユニフォームを着用しています。一方、レアル・マドリードは海洋からプラスチックを回収することを要求したし、イングランドフットボール・リーグ2(実質4部)のフォレストグリーン・ローヴァーズはユニフォームの原材料にコーヒー豆のかすを選びました。
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ヨーロッパのユニフォーム市場は好調。
過去20年間で、プロが着用するレプリカユニフォーム(オーセンティック?)の売り上げは157%増加。プレミアリーグは167%増です。
そして、2022/23年に最も多くのジャージを販売した上位10クラブのうち、180万着を販売してランキングのトップに立ったリバプールを筆頭に、4クラブがイングランド勢であることは驚くには当たりません。
これにマンチェスター・ユナイテッド、レアル・マドリード、バルセロナが続きます。
我らがカルチョではユヴェントスの68万枚が1位ですが、世界では9位という現実。Pr Marketing社によれば、CR7効果のおかげもあるとのこと。
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もちろん、クラブはそれぞれのテクニカルスポンサーとの契約から収入を得ています。
(たぶん)7/10のニュースではインテルがナイキと2031年まで契約を継続し、年間固定で2,000万ユーロ、ボーナスで3,000万ユーロに増額されるという内容でした。
昨シーズンのCLファイナリストであり、シーズン収入が1,250万ユーロから2,000万ユーロに保証されたインテルにとっては明らかな改善であり、もし新シーズンのネッラズーリが昨シーズンと同じような結果を残せば、この数字はさらに大きくなるに違いないでしょう。
似たような契約はプーマとACミランとの間にもありますが、アディダスと契約しているユヴェントスは1シーズンあたり5,100万ユーロを受け取ることができます。
レアル・マドリードは、過去10シーズンで5回優勝したCLの恩恵でアディダスと年間1億2000万ユーロの契約を結んでいるとのことです。このやろううらやましい。
●インテルとナイキのパートナーシップ
インテルとナイキは次の8シーズンも関係を継続します。
ネッラズーリのユニフォームにナイキマークがついた最初のシーズンは1998/99シーズン。
クラブの貸借対照表によると、インテルは1997/98シーズンにアンブロから受け取った金額(220万ユーロ)と同じ200万ユーロちょいを受け取りました。
1999/2000シーズンには1,170万ユーロに達し、その後の2008/09シーズンまでは約700万~800万ユーロで推移。
2008年、ネッラズーリとナイキは5シーズン契約を更新し、契約ボーナスのおかげで2008/09シーズンには1,810万ユーロまで収入が増えましたが、その後のシーズンは1,000万ユーロ強で安定しました。
2013年7月、当時のオーナーであったエリック・トヒルさんはクラブ売却交渉の多忙を縫ってナイキと2024年までの新契約を結びました。
このタイミングでネッラズーリは固定額として1シーズンあたり1,250万ユーロを手にすることに。
更新年(13/14シーズン)もボーナスが収益を押し上げましたが、CLに数シーズン出場できなかった場合、契約金が減額されることが契約書に記されていたため、その後のシーズンは減額の憂き目に。嗚呼、暗黒期。
2013年に結ばれた契約は現在に至るもので、2022/23シーズンもボーナスを差し引いて1,250万ユーロがネッラズーリのお財布に入ります。
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1998/99から2021/22シーズンの24年間。ナイキはインテルに2億6000万ユーロ以上の収入を保証し、これはクラブの売上高の約4.4%に相当するとのこと。
2031年に切れる新しい契約では、2,000万ユーロ以上の固定収入と3,000万ユーロまでのボーナスが想定されているそうです。
カルチョフィナンツァはこの新しい契約の8年では、2022/23シーズンを含めたこれまでの25年間とほぼ同額をもたらす”可能性”があると述べています。
薄氷の上を歩いているリスクからは決して目を背けられませんが、これが”イマ”を戦うインテルの功績。
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以上!いかがでしたでしょうか?
先日お金関係の記事をアップした際に
「インテルの状況は分かったべ」
「んだけど、CL準優勝しても何故まだ通常営業で損失なんか?」
というご意見を目にしたのですが、つまるところ収支のバランスなんですよね。
フリー獲得によるスカッドをケチってもCLで勝ち進めましたが、それでもまだ収入が弱い≒自国内で比べればもちろん良い部類だけど、上には上がいて、しかも遠い位置にいらっしゃる。
今回取り上げた記事はそれを定量的に確認して、少し凹みつつも「けど改善してるよね!!!」が分かる良き読み物でした。
筆者、本日はこれを見つつ、クラブの手元に渡るのは10ユーロ以下かぁ。と思いながら、公式オンラインをポチって、お茶漬けを啜ったアンニュイなランチタイムを過ごしました(買ったのはユニじゃないけど)。
いやいや、大事なのはアンバサダーになること。
ファン目線では室内だけでなく外でも着用し、一人でも多くの人類に黒と青の縦縞を届け、分母を増やすことが大事ということでしょうか。
よし。明日新宿に行く予定があるので、上下フルユニフォームで練り歩いてみます。もし見かけたら声はかけないでください。
最後までご覧頂きましてありがとうございました🐯
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