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【コンセプチュアル】CL24/25リーグフェーズ第4節インテルvsアーセナル レビュー
こんにちは!TORAです🐯
本日はCLリーグフェーズ、乾坤一擲の試合であるvsアーセナルのレビューです。
最近バタバタしておりまして琴線に触れたポイントを掻い摘んだショート版でお送りします。
●二重の思惑
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週末は天王山のナポリ戦。彼らはミッドウィークがないので、多少のターンオーバーは予想しておりましたが、バストーニ、ディマルコ、バレッラ、ムヒタリアン、テュラム、(負傷明けとはいえ、アチェルビも)がベンチスタート。
アーセナル相手にこの大胆なターンオーバー、一体どのインテリスタが予想できたでしょうか。
特に言及したいのは左サイド。今のインテルからディマルコを抜けば、それだけで戦い方が変わりますが、さらにバストーニもとなると自慢のピーキーさは激減します。
シモーネの考えはターンオーバーだけに非ず。
よーいドン!に陥らなければスピード&テクニック系に滅法強いダルミアンと、DFラインではスプリントNo.1であろうビセックでアーセナルの左サイド、というかサカの封殺を目論んだのでしょう。二重の思惑があったと見ます。
ベッティング結果はWIN。
何が良かったって、サカのアイソレーションや縦一発封じですね。
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ダルミアンがサカ番として矢印を前にして守り、その裏をビセックが注視することでサカを殺すことに成功。特に何でもないシーンではありますが、20:55~はこのスタンスがよく現れた場面かと思います。2人の距離感とか、プレーの迷いのなさとか。
撤退時もWBとIHの2枚で見て、CFがカバーする形のクオリティを徹底し、アーセナルの外循環の先を焦がしました。
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ここは設計というよりも集中力の勝利、徹底の勝利。数的優位や、”1+1で見る”ことの徹底。
特に後者は、直近だとユヴェントス戦の1失点目の原因だと見ていて、ボールウォッチャーになってしまう悪癖と並ぶ今季の課題です。ビッグマッチで改善が見られた意義は大きい。
インテルが怖かったのはトロサールの降りたり、膨らむムーブ。
彼に対しては基本マーカーがビセックなので、彼が釣られた状態で、サカに奥を取られたり、ポケットを突かれるのがインテルとしては最も嫌でした。
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アーセナルはWG、特にサカに吸引力があるので『相手を動かす力』は欧州でも有数かと思っています。ここはインテルブロックの強固さのみならず、彼らの現況に助けられた感。
ウーデゴールやライスを欠いたこと、”今この時”のチームコンディションなど、様々な要素もあり、シチュエーションはあれど、有機的な複数人称を作ることが叶わず、フィニッシュの絵面を描けませんでした。
あ、CKも毎回恐怖でしたね。ゾマーブラインドアタックは何ともしたたかやで。
●アクションとリアクション
アーセナルは後半冒頭から手を打ちます。中盤のメリーノを外し、CFのジェズスを投入。基本陣形は4-4-2表記のままでもいいですが、便宜上、4-3-3とします。
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ポイントはハヴァーツとトロサール。
彼らのインサイド色を強めることで、サイドのサポートをスムーズに。後半は明確にアーセナルが主導権を握りました。この一手は流石アルテタ監督、天晴れだったと評価しています。
逆にシモーネ監督は旗色が悪くなったタイミングで、おそらく最初からプレータイムが決まっていたであろうラウタロをはじめとした予定調和の交代を打ちますが、中盤がメイントリオになろうとも状況が少しも好転しなかったのは誤算でしたね。
とはいえ、選手交代の意図がプレー管理以外の面では「主力を入れて誤魔化す力を増強させ、逃げ切る」程度だったと思うので、想定内とも言えますが。
シモーネ監督がきちんとした方策としてリアクションを起こしたのは79分。タレミOUT、ディマルコINの交代。インテルは5-4-1に変形します。
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ボールサイドへのスライド距離が減り、より相手WGに2枚で付きやすくなったインテルは息を吹き返します。結局最後までハーフコートゲームは続きますが、終盤のアーセナルは可能性が低いクロスを選択し続けるしかなくなり、ボールは握れど主導権は掌からこぼれました。
ただ、”今季のインテル”にとっては単なる放り込みも脅威で、アーセナルも「続ければコイツらどこかでやらかすでしょ」というスカウティングと目論みも多少はあったかと睨んでいます。じゃなきゃ、流石にあそこまでクロス一辺倒にならないかなと。
逆にウーデゴールが本調子で最初からいたら、他の選択肢の量も質もあったでしょうから、ここはラッキーでした、本当に。
クロス放り込みに対して、”今日のインテル”はかつての強固さがあり、いつかのポルト戦のようなオーラを纏って安定感ある跳ね返しを維持できました。
特にビセックは出色。
今季ここまで、全体的をまぶせば及第点でも、守備の致命的なミスによって収支マイナスになっていた彼ですが、集中力が90分持てばとんでもないプレーヤーであることを再度証明して見せました。
ビセックのみならず、最終ラインは全員スタンディングオベーションものでしたが、別途一人言及したいのがムヒタリアン。
ローマ戦のレビュー続いてのピックアップですが、彼はとにかく選択を間違えなかった。
ローテーションしてくる(トロサールと代わった)ヌワネリ、ホワイトの付き方、時にはサカへのダブルマークの一角に。この選択をとにかく間違えない。そして、相手のやり直しを強制→前に出てラインを上げる、ビルドアップ隊の時間を削ぐ→展開されたら迅速なプレスバック。この質と再現性がえぐい。ベテランの妙。
●雑感
5選手交代枠がすっかり当たり前になった上、過密日程のブーストにより、ターンオーバーという言葉の定義が良い意味で曖昧になっている昨今。
とはいえ、今回の人選の大目的は従来的意味のターンオーバー。つまり、選手の回復です。
そこに小目的として自慢の左ユニットを捨てて、ダルミアンとビセック起用の意義を持たせ、結果を掴んだシモーネの手腕はクリティカルでしたね。
もちろん博打的要素も強かったので結果論でもありますが、とはいえ、今回はなんと言っても過程が良かった。
非保持に狙いがあり、実際に効果が見られ、でも相手の一手で劣勢になったところで、元々の狙いをさらに強める具体的アップデート。
繰り返しですが、終盤のネラッズーリは何かを纏っていて不思議とやられる気はしませんでした。終わった後でこういうことを言うのはズルいんですけど、でもオーラは出てましたよね?笑
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その源泉となったのは「今日のインテルがコンセプチュアルだったから」と妄想しています。
守備の美学。初志貫徹。
チームを一つにして掴んだ勝利は、何かケミストリーが起きそうな期待。
天王山もやってやりましょう!超頑張れインテル⚫️🔵
最後までご覧頂きましてありがとうございました🐯
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