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CTOとは?年収相場や役割、4つの仕事内容を紹介!

最近IT関連企業を中心に、「CTO」という役職を耳にすることが増えたのではないでしょうか。CTOとは、具体的にどのような役割を持っていてどのような仕事をしているのか分からないという方もいるでしょう。

この記事では、CTOの用語の解説、CTOの年収、役割、仕事内容について解説しています。

また、記事で紹介している「CTOになるための3ステップ」を読めば、CTOへの第一歩へ近づけることができるでしょう。CTOに興味のある方はぜひ最後まで読んでみて下さい。

CTOとは

CTO(Chief Technology OfficerまたはChief Technical Officer)とは最高技術責任者のことで、日本では主に技術部長や開発部長といった役職が挙げられます。

CTOは、1980年代にアメリカ企業で登場した役職で、技術的な方向性や研究開発を監督することが主な役割です。元々は、研究開発ディレクターの立場を拡大した役割として誕生し、現在はIT関連企業を中心としてCTOを設置する企業が増えています。

CTOの年収

CTOの年収は、800〜1,200万円と言われています。

ただ、実際に担当する業務や社内でのCTOの位置づけによって、年収に大きな差が生じることがあります。当然、経営者に近い責任のある仕事や役職である分、一般社員よりも年収が高くなりやすいです。

またCTOは会社の規模が大きいほど、年収が高くなる傾向にあると言われています。大企業で多くの従業員を抱えている場合、CTOの活躍によって期待できる業績への貢献度は大きく、CTOに還元される報酬も上昇傾向にあるためです。

CTOの役割

CTOの主な役割は技術の面から会社を発展させることですが、企業の大きさによってCTOの役割は変わってきます。

企業規模が小さいとエンジニア人材が不足しているため、CTOとしての役割を果たしながらエンジニアとしての仕事を行うことが多いでしょう。

中規模の企業では、エンジニアとしての業務を行いつつ管理者としての業務も行う、プレイングマネージャーを担う傾向があると言えます。

大企業だとエンジニア人材が充実しているため、エンジニアとしての業務は基本的にありませんし、CTOのポジションが経営層に位置付けられることが多くなるでしょう。

CTOと間違いやすい役職

CTOに似た言葉にCEO・CFO・COOがありますが、それぞれ異なる役職です。

詳細を確認していきましょう。

CEO

CEO(Chief Executive Officer)とは、最高経営責任者を指します。CEOは経営の最高責任者であり、会社の経営方針や事業計画など、経営についての責任を負います。

アメリカでは企業のトップを担うポジションとされており、日本だと代表取締役が近いです。アメリカでは、企業の経営方針を決定する業務執行役員の最高責任者を指し、会長と兼任することも多いです。

CFO

CFO(Chief Financial Officer)とは、最高財務責任者を指します。CFOは財務の最高責任者として、会社内の資金を管理する役職です。

財務に関する業務にとどまらず、経営上の意思決定にも大きく関わるためCEOのサポートとして重要な役割を果たします。最終的な決断は、CEOが行います。

COO

COO(Chief Operating Officer)とは、最高執行責任者を指します。

COOはCEOが決めた会社の経営方針や事業計画を実現するため、日々の業務を執行する役割です。経営について、業務全般の執行に対して全責任を負います。

執行なので、経営ではなく実務側の最高責任者です。業務全般の執行を担当するため、社長が兼任する場合もあります。COOが社長の場合、CEOは会長などになっている場合が多いです。

CTOになるための3ステップ

CTOを目指している人は、CTOになるまでのステップを想像して着実に行動に移していく必要があるでしょう。

CTOになるためのステップは、以下の3つです。

  1. 昇進を目指す

  2. 転職する

  3. 起業する

それぞれ詳細を確認していきましょう。

ステップ1.昇進を目指す

まずは、昇進を目指しましょう。今働いている企業で、CTOに求められるスキルである技術面での知識を身につけ、経験と実績を積み重ねて成果を上げることで、昇進を目指します。

昇進を目指す場合、CTOは技術面の最高責任者としてだけでなく経営者の一員としての役割も担うため、技術的なスキルを磨くだけではCTOに昇進することは難しいでしょう。技術面に加えて、経営やマネジメントに関する知識も身に付けておく必要があります

ただし、CTOの役職が空かなければ昇進は難しい場合があります。また、そもそも今働いている企業にCTOの役職がない場合、すでに社内にCTOが設置されている企業へ転職することも1つの方法です。転職については、次のステップで解説します。

ステップ2.転職する

次に転職をしましょう。CTOの求人情報を探して、CTOとして転職をします。

創業から間もないスタートアップやベンチャー企業では、CTOを新規で募集することがあります。創業メンバーになることで、創業メンバーよりもCTOとしての適性が高ければ、企業のCTOに就任できる可能性が高くなるでしょう。

転職活動はハードルが高くなると想定されるため、他の企業に行っても通用する自分の強みを磨いておきましょう。

ステップ3.起業する

最後は起業です。自分でメンバーを集めて会社を設立して、その企業内でCTOに就任します。

CTOとして成し遂げたいことや強い意志が明確にあれば、選択肢の1つとして大いに有効ですが、企業経営のリスクが大きいことに注意しましょう。

企業の成長フェーズ別に求められるCTOのタイプ

企業の成長フェーズ(期間)によって、求められるCTOのタイプはさまざまです。企業が成長するにつれて、業務内容も大きく変化します。

成長フェーズの定義にはいくつか流派がありますが、一般的には次の4ステージに分けられます。

  1. シード(準備期間)

  2. アーリー(創業期)

  3. ミドル(事業成長・拡大期)

  4. レイター(事業発展)

CTOへの転職を考えている人は、企業の各成長段階に応じて求められるCTOの役割・責任を理解しておくと良いでしょう。

シード(準備期間)

シードとは、起業前の準備期間を指します。この期間で求められるCTOは、マネジメントスキルより基礎となる技術力が高い人です。なぜなら、率先して開発業務を行うためです。

準備期間では、マネジメントスキルがありビジネスに強い起業家と技術力の高いエンジニアが共同創業者となることが多いです。CTOは、新しいアイデアが技術的に実現できるかどうかを評価し、より良い技術やテクノロジーを選択する責任を持ち、技術開発面から企業を支えます。

開発をしながら、自分の持つ技術スキルを高めていく向上心が重要です。

アーリー(創業期)

アーリーとは、創業して間もない期間で、シードで習得したスキルをもとに技術チームを率いてさまざまなサービスの開発・運用・改善などを担う時期を指します。この期間で求められるCTOはマネジメントスキルが高い人です。なぜなら、CTOの役割が迅速な製品開発や問題改善に変化し、どの期間と比較しても開発に最も力を入れられる時期であり、メンバーとのコミュニケーションが重要なためです。

アーリーは比較的、社内トラブルや社外からの大きなリスクもない時期と言われています。しかし、この期間のマネジメントを間違ってしまうと、将来的にどこかで歪みが生まれる可能性があります。

将来のことを考えて、チームとの信頼関係を築くコミュニケーションを大切にしましょう。

ミドル(事業成長・拡大期)

ミドルとは、事業の成長や拡大を図る時期を指します。この期間で求められるCTOは、経営層としての経営スキルを持つ人です。なぜなら、企業戦略や企業のブランディングの策定をするためです。

事業がある程度進み始めると、安定していきます。業績が上がり始める事業成長・拡大期では、創業時に掲げていた目標をアップデートしたり、事業を進める上で今までになかった新しいものを作ったりする必要が出てきます。CTOにはこうした転換点で、いかにスピード感を持って意思決定ができるかが求められます。

エンジニアの採用から教育、人事評価、お客様のトラブル対応、社外への情報発信など仕事の幅が広がっていきます。

レイタ―(事業発展)

レイターとは、シード・アーリー・ミドルでの経験を経て、事業がより発展していく時期を指します。この期間で求められるCTOは、より高度な経営およびマネジメントスキルのある人です。なぜなら、さらなる企業戦略の実現に向けた技術面の提言などを担うためです。

事業が発展するに伴ってCTOの役割は、レイターで大きく変化します。事業規模が大きくなったことで人材が必要になったり、効率的に事業を進めるための仕組み作りが増えたりします。

また、業界・製品の特徴・企業の在り方によっても役割は異なります。例えば、主に研究開発を行っている専門性の高い企業では、CTOが製品開発に関わる機会も多いです。生産プロセスが重視される業界であれば、CTOは管理に集中することが多いでしょう。

CTOの4つの仕事内容

CTOの仕事内容は、以下の4つです。

  • 企業戦略の実現に向けた技術やテクノロジーに関する決定

  • 技術運用とプロジェクトマネジャー

  • 技術経営

  • エンジニア採用方針の決定

それぞれ詳細を確認していきましょう。

仕事内容1.企業戦略の実現に向けた技術やテクノロジーに関する決定

CTOにとって最も重要な仕事は、プロジェクトに必要な技術やテクノロジーに関わる決定を行うことです。

具体的には、CEOが決定した企業戦略に基づいて、企業が新規事業を開始する時や既存事業の改善を行う時に用いる技術やテクノロジーの選定から、最終的な意思決定までを行います。技術やテクノロジーを選定する時は、チームがプロジェクトを適切に管理・運用できるように考えなければいけません。

企業戦略を立案するCEOは、必ずしも技術に関する専門的な知識を持っているわけではありません。したがってCTOは予算などを考慮しつつ、専門的な知識を活かして具体的な技術面から提案やアドバイスを行います。

最新の技術やテクノロジー動向やそれにかかる予算を知っておくことはもちろん、経営層として企業戦略を達成するための技術やテクノロジーを長期的な視点で判断することが求められます。

CTOの業務範囲が具体的にどこまでかは企業によりますが、開発現場の実態を把握できていなかったり、詳細はエンジニアに丸投げしていたりするCTOより、細かなところまで意識して技術やテクノロジーを決定できるCTOは重宝されるでしょう。

仕事内容2.技術運用とプロジェクトマネジャー

技術やテクノロジーの導入が済んだら、技術運用とプロジェクトマネージャーを担います。

CTOは、企業のIT戦略やプロジェクト全体を見据えて仕事を進めていきます。具体的には、導入した技術が想定通りに運用できているか、プロジェクトのスケジュール進行に問題はないか、お客様対応を確認の上、必要があれば現場に適切な指示を出してスムーズにプロジェクトが進行するように働きかけます。

プロジェクトで得られる成果や改善点を、他のプロジェクトに活かせるよう管理するのも、CTOの重要な仕事です。

仕事内容3.技術経営

CTOは、技術経営の役割も果たす必要があります。

技術経営とは、技術そのものを具体的な事業と結び付けて、経済的に価値を生み出す経営のことを指します。CTOは企業戦略を踏まえて技術戦略を計画して、経済的に価値を生み出す新しい事業を起こすことが求められるのです。

技術経営は技術を売る直接的な利益と、技術を活かして製品開発を行う間接的な利益の両方を含む経営のことです。

CTOは、費用に対してどれだけコスト削減や利益拡大に繋がるかの観点から技術を判断する必要があるため、時にエンジニアにとって不都合な経営になってしまう可能性があります。

例えば、エンジニア視点だと利便性向上のためにシステム開発を行いたいと考えていても、CTO視点ではシステム開発を行う事はコストパフォーマンスが悪いと判断すれば、エンジニアが最大限のパフォーマンスをすることなく仕事を続けなければならないことが発生します。

その点、エンジニアを経験してからCTOに就任した人は、エンジニアとしての経験がない人に比べ、エンジニアにとってより働きやすい環境づくりができるでしょう。

仕事内容4.エンジニア採用方針の決定

CTOは、企業として達成したい目標達成に向かって、エンジニア採用の方針を決めることも重要な仕事の1つです。

CTOが決めた技術やテクノロジーの実現には、優秀なエンジニアの存在が不可欠です。そのため、CTOはエンジニアの採用にも携わります。

エンジニアの採用では、直接採用の場に立ち会うこともありますが、自らが先頭に立ち採用活動を行うことは基本的になく、主には方針を決定します。目標達成のため、今後どのようなスキルや経験があるエンジニアを採用すべきかという視点から、採用したい人物像を明らかにした上で採用方針を定めていきます。

募集前に人事部に対して、どのようなスキルや経験を持ったエンジニアが欲しいかを伝えたり、採用の場に同席したりする場合もあるでしょう。 また、採用後の教育に関わって、企業が設定している目標を踏まえて、チームの技術のスキルアップを支援することも大切な仕事です。

まとめ

CTOは技術的な方向性や研究開発を監督することが主な役割で、年収は、800〜1,200万円と言われています。

CTOを目指している人は、CTOになるまでのステップを想像して着実に行動に移していく必要があり、CTOになるためのステップは、以下の3つです。

  1. 昇進を目指す

  2. 転職する

  3. 起業する

CTOの具体的な仕事内容は、以下の4つです。

  • 企業戦略の実現に向けた技術やテクノロジーに関する決定

  • 技術運用とプロジェクトマネジャー

  • 技術経営

  • エンジニア採用方針の決定

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