私が入った「人生が変わるコミュニティ」の秘密
社会人の皆さん、大事なことに時間を使えていますか?
正直、私は使えていません。仕事に慣れてきて、「何者かになろうと必死に勉強していた自分」はどこかに行ってしまいました。子供が二人いるからと「営業時間以外は、自分の時間はない。仕方ない」と言い訳する毎日です。
社会や家族は目まぐるしいスピードで変わっていくのに、自分はなんだか成長していない。
変わるためのアクションは見えてました。個人開発を始めてプロトタイプを作れるようになれば、発信を通して自分の性格や実績が伝われば、世界が広がります。
でも私は変わらない。慣れないことに取り掛かるのは気が重いし、継続するなんてもっとしんどい。
そんな私が8月に入って変わりました。
発信を始めて、5ヶ月で7本も記事を出しました。
副業の幅を広げて「個人の振り返り支援」を始め、おかげさまで月に1人くらい声をもらいます。
仕事でマネジメントばかりやっている私が、個人開発も始めました。
すごくないですか?私は自分に感動しています。
きっかけは「エンジニアと人生」で積極的に活動し始めたこと。このコミュニティにどっぷりと浸かりはじめて、人生が大きく変わりました。
今日はコミュニティで「言語化モンスター」と呼ばれる私が、このコミュニティの持つ「人を変える力」を言葉にしてみます。
これは #エンジニアと人生 #1 Advent Calendar 2022 の25日目の記事です。
最終日としてふさわしい内容になっていると嬉しいです。
「エンジニアと人生」はSlackで運営されるクローズドなtwitter
エンジニアと人生はiOS x 発信界隈で有名な堤修一さんにて運営されるコミュニティです。
運営の仕方は独特です。活動の舞台はSlack。「#club_育児」のようなテーマ別のチャンネルもありますがそこはメインでありません。参加者一人一人が自分のチャンネルを持っていて、基本はそこで活動しています。
もちろんイベントもあります。
しかしこれらはあくまで交流を活性化させる仕組み。自分のチャンネルに気持ちを書き込む「times」と呼ばれる仕組みが、このコミュニティの面白さであり、人を行動から変える良い場になっているんです。
変わるために「やってみて」「続ける」、この二つが難しい
人が変わるのはとても簡単です。「なりたい姿」「やりたいこと」に合ったアクションを続ければ良いんです。すごいエンジニアになりたいならば今すぐコードを書けばいい。毎日コードを書けばいい。有名になりたいならば今すぐ発信すればいい。
でもこれが難しい。やりたいと思ってるはずなのにやらない続けたいと思っているけど三日坊主になる。
すごかった友人たちを思い返すと、確かに「努力は才能だな、自分は凡人だな」と感じます。凡人な私たちは変われないんでしょうか。
そんなことありません。「変わるための努力」が、エンジニアと人生ではよく観測されるんです。
人が変わるために必要な要素は2つあると考えます。
「やりたい」と感じ、「私もできる」と信じられて、実際にやってみる
「できた!嬉しい!」と感じて次に繋がる。継続できる
このコミュニティのどんな仕組みが「変わるための努力」を生み出しているのか、一つずつ見ていきたいと思います。
「やりたい」「私もできそう」と思える
このコミュニティには「やりたい」「私もできそう」と思う仕掛けがいっぱいです。細かいものも含めると10はいくので、私が「すごいな」と思ったトップ4を紹介します。
他人が挑戦する姿を見て、日々刺激がもらえる
知らない世界にどんどん引き込まれる
なぜか経験者がいて、実情を知れる
背中の押し方がちょうど良い
一つずつ見ていきます。
1. 他人が挑戦する姿を見て、日々刺激がもらえる
コミュニティでアクティブな人が50人位いるんですが、挑戦している方、日々努力している方が多数派なんです。
フリーランスやマイクロ法人の社長だと、新技術を学び続けていたり、ちょうど子供が生まれた時期でワークライフバランスを変えようと色々挑戦していたりします。
正社員の方だと、不満があっても解消しようと自分から動いていたり、自分の将来を会社任せにせず、なりたい姿を考え「自分はどう変わらないといけないのか」と日々試行錯誤していたりします。
Slackを眺めていると毎週誰かの人生が前に進んでいて、「私は何もしてないぞ…。やばい何か挑戦しなきゃ」と日々背中を押されます。
2. 知らない世界にどんどん引き込まれる
そもそも知らなければ、調べたり話を聞いたりして興味を持つことができません。
このコミュニティには新しいものに触れる機会が多数あり、自然と興味の幅が広がります。
ふるさと納税始めとした節税技術について議論されていたり
子供の性教育のような相談しにくい話が真剣にされていたり
他にも…
砂鉄から鉄を作る話、コミュニティで背中を押されて家を建てる話、子供を海外に留学させる話など
本当にクローズドなtwitterです。「誰かの為になるから発信する」「言えば助けてくれるから発信する」じゃない。みんなの人生が垂れ流されている。
しかも内容も面白いんです。エンジニアはだいたい凝り性。彼彼女の日常生活に触れるだけで、新しい世界への扉がどんどん開いていきます。
3. なぜか経験者がいて、実情を知れる
やりたいと思うきっかけも、どうやってやるといいのかという情報も、経験者からもらうのが一番早く、最も効果的です。
引っ越して海外で働きたい
箔をつけたくて、出版したい
全身脱毛したい
自分の家をDIYしたい
なぜか全部経験者がいます。それも2~3人いたりします。おかしいですよね。
いるだけじゃないんです。すごく実情に詳しいんです。
脱毛クリニックは多数あるけど違いはなんなのか。
なぜその違いが生まれたのか(の仮説)
麻酔が別料金だけど効くのか
どのクリニックに決めたのか。決め手はなんだったのか
やってみて…良かったか。後悔することはあるか
全身脱毛に迷っていることを呟けば、こういった情報が飛んできます。「調べて、決断して、試して、振り返る」までを行ったからこその知見を話してくれます。
エンジニアだからでしょうか。調べるレベルも、振り返りの解像度も一級品です。Slackで教えてもらうだけで、まるで自分が経験したかのようにイメージがつきます。やりたい気持ちはすごく強くなるし、進め方で困ることもありません。
この記事を書くために当時の投稿を見直していて私も全身脱毛したくなってきました。
4. 背中の押し方がちょうど良い
知識があってもうまく「やってみる」ための背中が押せない人はいます。
相談されているのに、ずっと自分の話をする
間違った認識で「こうした方がいい」と断言する。聞く耳を持たない
いわゆる老害です。話をしていて疲れますよね。うまく聞き流したとしても、その人と関わって「新しいチャレンジをする気持ち」は生まれないでしょう。
このコミュニティだとそんな人はほぼいません。
他人のチャンネルで自分語りを続けない
本人のチャンネルは本人のもの
話したい意見がある場合は、自分のチャンネルにネタを持ち帰って「自分の独り言」として記載する
アドバイスをしない。タイミング良く声かけする
あくまで「自分は昔こうやって、こうなった。こう振り返っている」の共有がメイン
他人のチャンネルで投稿するときは「このタイミングでなんと言うと良いか」を考えて書き込む人が大多数
経験をシェアしてくれながらも老害にならない、抜群のバランス感覚を持つ人が多いです。波乱万丈な人生を歩んできて良いバランスに落ち着いた方が多いんだと思っています。
また、いざというときに背中をしっかり押してくれるのもいいところです。
パートナーとの関係性がよくなさそう。本人も感じているけど、きっかけがなさそう
負のスパイラルに入っていて、自分で状況打破が難しそう。
自分で解決が難しい状況はよくあります。強い外圧が必要だと感じたときは、一気にコメントを送ったり、オンライン会議で話してみたり、オフラインで会ってみたりするのもこのコミュニティならではです。
いざというときに頼りになる親戚のおじちゃんが一気に増えた感じです。
「できた!嬉しい」が続く風土
このコミュニティは挑戦の背中を押すだけではとどまりません。ついついまた頑張っちゃいたくなるような風土があります。
今日は2つ紹介します。
1. 絵文字による相槌が早くて、的確
私はSlackが大好きです。twitter、facebook、LINE、Discord…それらを使わずSlackに執着する理由。それはカスタム絵文字です。
アクションや発言を促すのは「聞き上手」な人です。不安なときには寄り添ったリアクションが欲しくなるもの。
勇気出して感情を吐露したときは
「わかる」「つらい」と言った共感のリアクションが来て欲しい。
アクションに尻込みしてるときは
「期待」「応援してます」と言ったリアクションが来て欲しい。
嬉しいですよね。これらがSlackだと実現できます。そしてこのコミュニティでは当たり前になっています。
「適切な絵文字がないな」と思ったらすぐに新しい絵文字が作られます。投稿して10秒後に新規絵文字が作られて、20秒後に押されているなんてことも稀によくあります。
もちろん絵文字だけじゃありません。文章でのコメントも来ます。
「ここで報告したいから、もうちょっと頑張る自分」がいます。
2. 自分のアクションが副次効果も生む
timesで呟いたことや、自分が書いた記事が次の価値を生んだりします。
自分のためにやったことが、期せずして他の人の役に立つ。深い考察と共に自分に返ってくる。とても嬉しい経験です。記事を書くのもしっかり言語化するのも重労働ですが「もしかしたらすごい価値を生むかも?」と思うと、全然悪くない投資です。
なぜこのコミュニティでは「良いループ」が続くのか
ここまでで「良いコミュニティっぽいな」と感じてもらえたと思います。
ここで気になるのが「どうしてうまくいっているのか」というところです。挑戦と変化を支援するコミュニティはなかなか聞いたことがありません。自然に生まれるものではないんだと思います。
ここから、うまくいっている要因を分析してみます。本来うまくいくメカニズムは複雑でシンプルに話すのは不可能ですが、代表して2つ言語化してみます。
1. 苦労話、頑張った話、悩みを聞くのが好きな方が多い
オンライン交流会でも、オフ会でも、timesでも、人の話を聞くのが大好きです。一歩間違うと自慢とか愚痴となって煙たがられやすいテーマですが、このコミュニティの人は喜んで受け入れてくれます。スタンプがたくさんつきます。
この聞き上手な雰囲気が「やってることも考えていることも全部一回このSlackで呟いておこう」という気持ちを生みます。
つぶやく
リアクションが来て嬉しい。
嬉しいから詳細を話す。またつぶやく。もっとつぶやく。
以後無限ループ
この良いループは急に生まれません。日常会話や仕事でのコミュニケーションと乖離しているので自然には生まれません。
私はコミュニティオーナーの堤さんの影響が大きいんだと思っています。
Youtubeを見るとわかるんですが、堤さん、本当に楽しそうに人の話を聞くんです。「有名なあの人の話だから楽しそう」ではないんですよね。迷ったり悩んだり、そういった人間味あふれる人と接するのを心から楽しんでいます。
この堤さんの人柄が、メンバーにも波及していて、コミュニティ全体の雰囲気になっている。
だから「苦労話や頑張った話や悩みを書いた方がいいですよ」と誰も言わなくても、みんなどんどん書き込んでいきます。
2. 仁義を重んじる人が多い
人と人が気持ちよく過ごすにはマナーやルールが必要です。好き勝手にする人がいると良い人からコミュニティを抜けていってしまいます。
コミュニティが続くためには、一人一人の心がけが欠かせません。
何か助けてもらったら、お返ししましょう
大変なことはみんなで持ち回りでやりましょう
相手の気分を害する発言は控えましょう
このコミュニティではルールとして明記されていないのに、かなり徹底されています。
有益な情報を得たと思ったら
絵文字で感謝を伝える
自分も何か有益な情報を呟いてみる
幹事とかファシリテーションが必要だったら
感謝をしっかり伝える
積極的に手伝いを申し出る。助ける
持ち回りにしたり、負担が下がるようなやり方に変える
気分を害する振る舞いがあったら
自分のtimesで「私はこう感じた」と言う
あまりに良くない場合は本人に「今の振る舞い、**という理由で良くないと思うよ」と直接伝える
初期メンバーがこういう振る舞いを徹底していたんだと思います。その振る舞いがSlackで可視化されていて、見た人が真似をする。
この環境では、良い振る舞いをすると、嬉しいフィードバックが返ってきます。逆に良くない振る舞いをすると、怒られたり、無視されたりします。結果として「仁義を軽んじる人」は居心地が悪くなり抜けていく。
コミュニティオーナーは堤さんですが、みんなが残っている理由はそれだけじゃないはず。時間をかけて良い人や良い仕組みが集まってきたかけがえのない居場所になっていると感じます。
無理のない形でコミュニティが運営されていて、本当に見ていて気持ちが良いです。
まとめ「コミュニティは人。人を変えるのは人」
ここまでエンジニアと人生の「人を変える力」を話してきました。
私はこのコミュニティも、いる人も大好きです。最近の私がキラキラしているとすれば、間違いなくこのコミュニティの皆さんのおかげです。
この記事をきっかけに、みなさんが良いコミュニティに、良い人に、巡り会えると嬉しく思います。