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事業のライフサイクルコスト

事業を設計するとき、また継続して執行するとき、ライフサイクルコストを気にしています。

そもそもライフサイクルコストとは…

事業、特にITシステムを使った事業におけるライフサイクルコストを少し考えてみます。

ライフサイクルコストをざっくり整理

一般的にライフサイクルコストは、開発~製造~保守~廃棄という流れで説明されています。これITシステムを使ったコンテンツ(ゲームや通販など)を例として整理してみます。

以下は普段自分が行っている整理・設計フローとなります。

  1. 企画骨子の設計
    どのようなマーケットを対象にしてどのようなものを提供するか(詳細な検討・設計項目は割愛します)希望する売上の設定などになります。

  2. マーケット属性の設計
    特に気にするのがマーケット(顧客)の新陳代謝とリーチ戦略。ここでは目標数値とリーチコストの算定が重要になります

  3. 運用保守設計
    ITシステムの場合、構成要素(フレームワーク、プラットフォームなど)の設計をここで行います。保守要員の変更要件に対して、技術要件を保有する要員確保が容易か、変更コストを低減が可能かを設計します。

  4. 売却想定設計
    事業が成立しなくなる場合、このコンテンツを他社への売却やユニット分割して社内転用・社外売却を行います。その際にどこまで対応が出来るのか想定コストも含めて具体的に検討しておきます。

  5. 投資額策定
    ここまでの検討にてライフサイクルコストが算定出来ました。そしてこの段階でようやく初期、継続時の投資の検討・策定を行います。投資は想定されるコストに対して策定するという思考で策定を行った方が、後の事業設計などでの調整の精度が高くなると思います。

  6. 事業設計
    投資額まで策定出来ましたので、ここから事業設計を行います。必要に応じてライフサイクルコストの再策定に戻ります。

  7. ITシステム設計
    上記事業設計の結果を実現するためのシステム設計を行います。

当然、この整理・設計は一通りで完了はしません。何度も後戻りしながら詰めていくことになります。

ライフサイクルコストの算定

上記で説明したフローをかっちりと実施する場合はまれですが、事業設計を行う際にはこれらの項目は検討しメモ化はしておきます。

結構、ひとは最初に検討した項目に対しては深慮しがちですが、検討が後回しになる項目に対してはおざなりになりがちです。
そのため、ライフサイクルコスト(具体的な項目別コストや課題など含む)を先に算定しておき、投資額の概算を算定していきます。そして初期投資と段階的投資、その投資をどのように利用するかを整理します。

事業設計でのライフサイクルコストの算定ゴールは

  • 初期から廃止までに掛かるコスト構造とコスト額を算定しておく

  • その際の算定課題を明確にしておく

というのを意識しています。
事業設計の初期段階で実施しておくと、事業計画の精度が高くなり、かつ事業執行時の修正の精度も高くなると思っています。

おわりに

ものごとが上手く行かない場合、時として普段の思考フローを逆転してみると、その解決の糸口が見つかったりします。
「バジェット⇒コスト」の順で考察が上手く行かない場合には、「コスト⇒バジェット」というフローで検討してみるのもヒントになる場合があります。

良き設計ライフを!


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