【哲学者は面白い!?❶】
哲学者は何を考えているかわからない?
そんな印象を持っている人も多いはず。
でも話を聞いてみると、なんだか面白い!
今回はそんな記事をお届けします。
お話を聞かせていただいたのは大阪大学人間科学部の檜垣立哉教授です。
哲学者は面白い!?①
人間科学部とは
僕の専門は、哲学と競馬です(笑)。
ちなみにこの前(2016 年 12 月)の有馬記念では、
35 万獲りました!
人間科学部にいますが、もとともとの出身は文学部です。
そもそも阪大の人間科学部がどうやって誕生したのかというと、もともと文学部の中に含まれていた社会学・心理学・教育学の3つを文学部から独立させて、「人間科学部」という名前を付けたんだよね。
だけどそれじゃあ単に3つをくっつけただけになっちゃうわけで、学部として存在する意義がよくわからないよね。
中心となる理念が必要なわけで、人間科学部はまさに「人間とは一体何なのか」を考える学部になったわけ。
それを考えるためには、中核に文化人類学・自然人類学・哲学的人類学の3つがないとダメで、だから人間科学部には哲学をやる人が必要だと、誰かが考えたようです。
人間科学部って、どんな学部だと思いますか?
今の高校生にはだいたい、心理学とか国際関係とかをやる女子の学部だと思われているらしいです。
現在は、最近できた「共生人間学」というのを担当しています。
僕は他人との共生なんて何も信じていないし、共生なんてただの流行語でしかないと思いながらも、共生学というのをやらせてもらっています。
僕のゴリゴリの専門は、基本的にはフランス思想とかフランス哲学です。
フーコーやドゥルーズなど 20 世紀のフランス哲学者と、あと日本の哲学というか、西田幾多郎から流れてきている京都学派も中心にやっています。
表としては、そういう風にちゃんと哲学者として活躍していますよ(笑)。
一方で、偶然性とか賭けとかについても考えています。京都学派の九鬼周造が『偶然性の問題』という本を書いていて、それに関連するような感じかな。
あと、来年「食べる」をテーマに本を出版することになっていたりとかもありますね。
ただ、これまで別の大学にいたこともあるけど、教員として文学部にいたことがないんですよ。気質自体は文学部の人間なので、文学部に行ったら一生哲学を教えていたんだろうし、それはそれで幸せだったと思うけど、今までに色々な分野に関わってきました。
これは自分としては、幸せなことだと思うね。専門馬鹿にはなりえないから。