参考データ-01

【What am I】#01 長倉史佳

人の思い出に残るようなプロダクトデザイン

長倉史佳
多摩美術大学統合デザイン学科3期生
Eプロジェクト所属
【指導教員】米山貴久、米田充彦


-入学後に見つけた自分の意外なカラーや創作媒体について
 
この学科に入学してからは自分の色を発見する連続でした。

高校時代、僕は普通科の高校に進学し漠然と美大に行きたい、面白い事がしたいと考えていました。なので他の人よりデザインに対しての知識やスキルは欠けていたと感じます。当然PCなどは触ったことはなく、※水張りさえ大学が初体験でした。
逆に言えば入学当初は初めてづくしで、本格的に制作をすることがかなり楽しかったと感じていました。

 その中で見つけた特に意外な僕のカラーは、写真やグラフィック表現に楽しさを見出したことでした。
プロダクトデザインが好きな僕は、それ以外の分野に興味があまり向かなかったのですが、授業で「君はグラフィック志望だったのかい?写真うまいね」と言われたことがあり、そこから興味を示した事を覚えています。褒められたら、やる気や関心が出る安直な性格なので、そこが原点となりグラフィックやカメラの勉強などを本格的に始めました(笑)
 
興味がないことでもやってみると意外とできる、楽しいと感じることが大学ではかなり多くありました。そこから新たな自分へ進化する事を、多く経験しました。また友人が進化する様もたくさん見てきました。

僕はグラフィックに限らず、後にwebやインタラクションにも関心を持つことができ、つくづく入学当初に「食わず嫌いせずにまずはやってみよう」と思えたことは自分にとってかなりラッキーだったと感じます。そしてこれからも新しいチャレンジをしていこうというモチベーションに繋がっています。

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『Soft tennis』ソフトテニスをラケットと塗料が付着したボールによる
スタンピングで表現した作品。


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『CLITTER』木の音を鳴らしながら前進する玩具。


-今回の卒業制作のテーマとそれに至った経緯  

僕は【こどもが遊ぶのりもの】を作ろうと考えてます。
理由としては、こどもが好きだから…というより僕自身、こどもの時の生活がとても楽しかったという記憶があるからです。毎日が刺激的で退屈の「た」の字もなかったと思います。
 
勿論、今が楽しくないとは微塵も思いませんが、今と決定的に違うことは何事にも経験が浅いこと。だから本当に些細な日常でも、発見や楽しさが溢れます。
帰り道の花の蜜が意外に甘いこと、みんなで探したカナヘビがたくさんいる公園、お道具箱の中にある文房具でも遊び道具にできる、そういった新しい発見で溢れる生活はキラキラしていて、記憶に残りやすいのではと思います。
 
だから、自分が幼い時に使っていたものは今でも覚えています。それらのおかげでできたことや、楽しかったこと、思い出がたくさんあります。
 
ここからこども自身が使って楽しいと感じる、また使う姿を見る親御さんなどにも思い出に残るようなデザインを作りたいと思い、こどものプロダクトデザインというテーマに至りました。
幼い時の楽しさ、発見の思い出と、大学生活で培った様々なデザインの力をもとに、四年間の集大成を作りたいと考えています。

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『OUTSIDE』ミニカーを外で撮る写真作品。
ミニカーは実際に僕が幼い時に使っていたモノ。


-卒制を経てどんな「私」を構築したいか 

「アクティブな僕」を作りたいです。卒制に限らず大学生活の中で特に必要だと感じる要素でした。手を動かす、足を運ぶ、基本的なことがどれだけ重要かを痛感しています。

何より元気にモノづくりをしたほうが楽しいですし。テンションが下がる時もあると思いますが、モチベーションを保ち、最後まで、また社会に出ても走り続けたいです。


-最後に卒制にいらっしゃるみなさんに一言 

今年の卒制は盛りだくさんな展示になると思います。様々な視点で捉えたデザインを是非見ていってください!
僕も誠心誠意尽くし、残りの期間を奮闘していこうと思います。宜しくお願い申し上げます!!

※水を使用する絵を描く際に、一旦全面を水に塗らし紙をパネルに張り付ける手法のこと。


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