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統合デザイン学科卒業生インタビュー#06清水春来さん

清水春来(しみず はるき)
コンサルティングファーム勤務 インタラクションデザイナー
統合デザイン学科4期生 深澤・長崎プロジェクト出身

岐阜県生まれ、岐阜県育ちです。好奇心旺盛でいろんなデザイン領域に興味を持ち、いろんな方法でデザインを学んできました。趣味はゲーム、音楽、映画鑑賞です。


ー統合デザイン学科を卒業されて、現在は何をされていますか?
新卒でコンサルティングファームに入社し、その中のデザインを担当する所に配属され、今後はインタラクションデザイナーとして働いていく予定です。


ー統合デザイン学科に入ったきっかけは何でしたか?
多摩グラに入った滑り止めで入った事がきっかけです。予備校の時は、入試対策で多摩美の対策をずっとやっていました。というのも、多摩美のグラフィックの雰囲気がただ好きだからっていうだけの理由なんですけど。高校3年の1月くらいから、統合もちょっと近い事ができそうだから統合デザイン学科を対策し始めたという感じですね。オープンキャンパスはわりと見に行ってました。


ーでは、そもそもデザインや美大に興味を持ったきっかけは何かありますか?
子供の頃からずっと絵を描くことが好きでしたね。小学5年生くらいから小さい絵画教室みたいな所に行き始めて、中学生の時も描いていて。高校は美術科がある高校に行きたいなと思い先生に相談したら、将来のこととか学力とかネガティブなことを言われて、普通の学校に行きました。そのあたりから本格的に美大受験の対策をし始めて、画塾より体系的に勉強できる美術予備校に通い始めました。
デザインにしたきっかけは、中学の時に面談で「美大の何科に行きたいの?」と聞かれて、正直何も分からなかったので「仕事できそうなデザインで」と適当に答えて、その成り行きでデザイン学科にしたって感じでしたね。


ー統合デザイン学科では特にどのようなことを学んでいましたか?
ひとつのデザインの領域ではなくて、いろんな所に足を突っ込んで勉強した方がデザインってもっと面白いということに3年生の時に気付いたんです。
例えば、グラフィックデザインの中でも広告としてのデザインだったら、製品が出てきてその商品を消費者に知ってもらうための接点としての役割。プロダクトデザインなら、ユーザーにその製品の体験を提供するための接点としての役割だったり。
統合デザイン学科で勉強していることが活かせるのは、その点同士の繋がりを使ってデザイン制作を行うことができるということですね。


ー自分らしい作品orお気に入りの作品は何ですか?

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タコの形をしたスピーカーなのですが、自分の好きだなと思える形がデザインできたんですよね。
スピーカーをデザインするというなんの制約もない抽象的な課題で、そこからプロジェクトの全員で「スピーカーってどんなもの?」みたいなことをブレインストーミングしていきました。
そこから自分の中で「タコの触手とスピーカーの形って繋げられそう」という発想が出て、実際にスケッチを描いてみるとこれ可愛いかもな、と思えてきて。気に入ってるとやっぱり愛着が湧くので、できるだけ滑らかな表面にしたい、できるだけ塗装も綺麗にしてあげて、みたいな感じで塗装にこだわりました。結果、自分的にも好きだなと思えるデザインになりましたね。


ー卒業制作では何をしましたか? 

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卒業制作では油と水を使った作品を作りました。
最終的には、サラダ油で満たした水槽の中に水を入れて水と油の境界や動きとかの面白さを立体として表現しました。
NIMSという研究機関がYoutubeで公開していた実験で、油の中に耐熱ガラスを入れると耐熱ガラスが消えて見える現象があってその現象を使って、ユーフラテスがピタゴラスイッチみたいな感じで面白いことをやっていたんですよね。そこから、サラダ油と耐熱ガラスで何か面白いことができそうだなって思ったのがきっかけです。
その中で、水とか色々なものを入れて遊んでいるうちに、水と油の境界面の動きが一番面白いなと思い、見に来た人にもそれが伝わるようなインスタレーション・表現をしました。


ーどんなところが大変でしたか?
まず1つは大量の油を使わなければいけなかったということです。一斗缶5缶分くらい使ってるんですよ。一斗缶15Lなんですけど、それを5缶だからまあたくさん使いましたね。その用意も大変だったし、実験するのに一回出して、それを再利用するために戻すのも大変だったし、処理も大変でした。リサイクル業者に引き取ってもらったりもしましたね。
2つ目が、水槽を自作したことです。展示する前に小さい水槽でサイズ感を試して、それを業者に発注しようと思ったら期間が長すぎて展示に間に合わなかったんですよね。もう自分で作るしかないと思い、水槽の作り方を調べて教室で水槽を自作しました。展示期間中、油が漏れないかがずっと心配でしたね。


ーデザインのどんな点にワクワクしますか?
学校の課題では、本当に自分が楽しいデザインをひたすら作っていましたね。どうやったらもっと面白いものができるかなって、一晩中作ったりしていました。
一方で、インターンや社会経験を積んでいくうちに、どうやったら自分のチームで作るデザインが誰かを幸せにできるかを考えるようにもなりました。仕事を頼まれるとやっぱり嬉しいので、頼んだ人にちゃんと喜んでもらえるデザインを作ろうと思いますね。なので、どうやったら喜んでくれるかなあみたいなことを考えてる時は結構楽しいです。


ーこれから、どんなデザインをしていきたいですか?
直接消費者に繋がらないかもしれませんが、デザインを頼んでくれた人が「頼んでよかったな」と思ってくれるようなデザインをしたいですね。
どこかの事業会社からデザインお願いしますって頼まれて、その事業会社は消費者のためにそのデザインを使って、最後に消費者が豊かに生活できたらいいなと思います。

Twitter:@sh1m17_u
instagram: @sh1m17_u
WEB: https://harukishimizu.com

(インタビュー・編集:白井美輝・海保奈那)


次回の統合デザイン学科卒業生インタビューは…!

「細部まで手が行き届いた仕事ができれば」
松下悠萌(まつした ゆうも)さん
職業___映像編集
統合デザイン学科3期生 中村勇吾・菅俊一プロジェクト出身


卒業制作ではレーザーポインターの光で暗闇の中のものをなぞる『目でさわる』という作品を制作した松下さん。
実は3年生の時に制作した作品のアップグレード版で、参考にした事例があったそうです。
その事例とは何か。
卒業生インタビュー第6弾は明日公開です!乞うご期待!



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