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005.英語の4つの品詞③

4つの品詞と(5つの働き)の関わり (p.6)


前々回(〔003.英語の4つの品詞①〕)は英文を構成する4つの品詞について、前回(〔004.英語の4つの品詞②〕)は品詞の英文のなかでの5つの働きについて、解説してきました。

前回のまとめの部分で"どの品詞がどの働きをするのか?これを曖昧なまま英語学習を進めるのは、個人的には最もマズいと思っています"と煽ったような言い方をしました。煽ったような言い方をしたからには"説明責任をきちんと果たさなければ…"ということで今回きっちりと解説していきます。

4つの品詞と5つの働きの関係性について理解してもらうためにはどうすればよいか?私は長年ずっと考え続けました。そして、私はとあるストーリーを思い付きました。その名も「品詞のラブストーリー」です。脚本的にはしょーもな…って感じ(笑) その実は「瀕死のラブストーリー(笑)」かもしれません。しかし、4つの品詞と5つの働きの関係性は理解しやすいストーリーになっているはずです。

というわけで、今回は4つの品詞と5つの働きの関係性を、品詞(瀕死)のラブストーリーを使って解説していきます。


①動詞一馬 @主演男優

まず、主演男優として物語の一番目のキーパーソンになるのは「動詞 一馬どうし かずまくん」です。動詞一馬くんのイメージは「文武両道のヒーロー的存在」です。

このイメージは、英文においては、動詞が絶対的に欠かせない品詞であることから来ており、動詞は「英文の中で使われると<Ⓥ(述語動詞)>になる」働きをします。


②名詞二葉 @主演女優

つぎに、主演女優として物語の二番目のキーパーソンは「名詞 二葉めいし ふたばさん」です。名詞二葉さんのイメージは「才色兼備のヒロイン的存在」です。

このイメージは、英文において、名詞は器用に働く品詞であることから来ており、名詞は「英文の中で使われると<Ⓢ(主語)・Ⓞ(目的語)・Ⓒ(補語)>になる」働きをします。

なお、動詞一馬くんと名詞二葉さんは「相思相愛」ですが、これと同様に、動詞と名詞も「英文のなかで常に関係し合う」ことになります。たとえば【James bought a bag.ジェームスはバッグを買った】という英文において「動詞のboughtの主体(買う側)は名詞のJames」であり「動詞のboughtの客体(買われた側)は名詞のa bag」であることがわかります。

このように考えると、実は英文というのは「動詞と名詞の関係性=動詞一馬くんと名詞二葉さんのイチャイチャ」だけで完結すると言えるのです。しかし、これだとストーリーとして(色んな意味で)面白くないので、ちょっとしたスパイスを加える登場人物が現れることになります。


③形容詞三男 @助演男優

助演男優として物語を動かす三人目の登場人物は「形容詞 三男けいようし みつおくん」です。形容詞三男くんのイメージは「良く言えば一途、悪く言えばストーカー的」です。

このイメージは、英文において、形容詞が名詞と強い関わりを持とうとする品詞であることから来ており、形容詞は「英文の中で使われると<名詞>を修飾する、または、<Ⓒ(補語)>になる(≒名詞を説明する)」働きをします。

形容詞三男くんは「片思い」で名詞二葉さんを何が有っても思い続けます。

たとえば【This is a beautiful flower.これは美しい花です】という英文において「形容詞のbeautifulは、名詞のflowerを修飾する(美しい→花)」働きをします。また【This flower is beautiful.この花は美しいです】という英文において「形容詞のbeautifulは、名詞のflowerのⒸ(補語)になる(花=美しい)」働きをしています。

この不器用なキャラ設定のとおり、英文において「形容詞は、名詞だけを修飾・説明する」働きをします。


④副詞四音 @助演女優

助演女優として物語を彩る四人目の登場人物は「副詞 四音ふくし しおんさん」です。副詞四音さんのイメージは「良く言えばコミュ力おばけ、悪く言えば八方美人」です。

このイメージは、英文において、副詞が(名詞以外の)動詞・形容詞・副詞と広く関わりを持つ品詞であることから来ており、副詞は「英文の中で使われると<名詞以外>を修飾する、かつ、<Ⓜ(修飾語)>になる」働きをします。

副詞四音さんは「本命」として動詞一馬くんを思い続けます。とはいえ、動詞一馬くんには名詞二葉さんという相手がいますから叶わぬ恋です。ゆえに、副詞四音さんは「キープ」として形容詞三男くんにもちょっかいを出します。また、何とか動詞一馬くんに振り向いてもらいたくて"一馬くん、私を見て"と言わんばかりに「自己愛」的にも振る舞います。

たとえば【He is so diligent that he always studies very hard.彼はとても真面目なので彼はいつもとても一生懸命に勉強する】という英文において「副詞のsoは形容詞のdiligentを修飾する(とても→真面目な)」「副詞のalwaysは動詞のstudiesを修飾する(いつも→勉強する)」「副詞のveryは副詞のhardを修飾する(とても→一生懸命に)」「副詞のhardは動詞のstudiesを修飾する(一生懸命に→勉強する)」働きをしています。

ちょっと面倒臭いキャラですが、まさにこのキャラ設定のとおり、英文において「副詞は、動詞をメインで修飾し、その他、形容詞・副詞をサブ的に修飾する」働きをします。


☆今回のまとめ

品詞のラブストーリー、いかがだったでしょうか?

もう一度振り返ると…

「動詞(一馬くん)は英文の中に入ると<Ⓥ(述語動詞)>になる働きをする。一方、名詞(二葉さん)は英文の中に入ると<Ⓢ(主語)・Ⓞ(目的語)・Ⓒ(補語)>になる働きをする。動詞と名詞はヒーローとヒロインとして、英文のメインの部分を作る」

「形容詞(三男くん)は英文の中に入ると<名詞を修飾>する・<Ⓒ(補語)>になる働きをする。形容詞は名詞を修飾したり説明したりして、英文を詳しくする」

「副詞(四音さん)は英文の中に入ると<名詞以外を修飾>する+<Ⓜ(修飾語)>になる働きをする。副詞は動詞・形容詞・副詞を修飾して、英文に彩りを加える」

…という感じに整理できます。

なお、動詞一馬くんと形容詞三男くんは名詞二葉さんを求めるライバル関係にあります。ゆえに「動詞と形容詞は基本的に関わりを持たない」と考えて良いです。

また、名詞二葉さんと副詞四音さんは動詞一馬くんを求めるライバル関係にあります。ゆえに「名詞と副詞は基本的に関わりを持たない」と考えて良いでしょう(こちらは例外ありですが)。

脚本的にはしょーもない瀕死のラブストーリーですが、4つの品詞と5つの働きのかかわりをイメージする上では必至のラブストーリーなので、ぜひ物語を頭に入れて活用してみて下さい。

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吉田 和史(Takashi Yoshida)
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