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アクチュアリー試験【会計解説】平成29年問題3(5)

会計士同士の会話の中では、時々「仕訳で考える」という表現が出てきます。
難しい論点や複雑な取引も仕訳で書き起こせば、納得できることもよくあることです。

教科書の『財務会計講義』についても、設例仕訳が記述されています。
解説を読んで仕訳を確認するという作業は、会計の学習のためには必要なプロセスではないかと考えています。

(5)は損益計算書に関する問題で、教科書P294の 第12章第2節になります。文章で書いてあると難しく感じるのかもしれませんが、実際の損益計算書を思い浮かべて考えていくとよいでしょう。

選択肢(A)(D)が教科書に記載の順番と同じになっていますので、順にみていくこととしましょう。

(A)総額主義純額主義についてです。

総額主義とは、収益項目費用項目の金額を直接に相殺して差額のみを記載するのではなく、損益計算書上に収益項目と費用項目の金額をそれぞれ記載し、両者の差額として利益を表示する方法をいいます。

純額主義とは、収益と費用を直接に相殺して差額のみを表示する方法をいいます。

経営成績を十分に表示するために、損益計算書は純額主義ではなく総額主義で作成されなければならないとされています。したがって、(A)は正しい記述です。

(B)は収益・費用の発生源泉別分類についてです。

選択肢の文中にある通り、企業活動は、主たる営業活動それに付随する金融活動に大別されます。そして、その活動に応じて収益・費用を分類しています。
このことは教科書の図表12-4で表されています。図をイメージすることができれば解けるのではないでしょうか。(B)は正しい記述となります。

(C)は区分式損益計算書です。

こちらについては、文章で書かれてもなかなかイメージが湧きづらいかもしれません。まずは、教科書の図表12-5を見るか、または、決算短信有価証券報告書などで実際の損益計算書を見てみることをお勧めします。

経常利益を計算しているのは経常損益区分となり、税引前当期純利益及び当期純利益を計算しているのが純損益計算区分となります。
したがって、(C)は誤りとなります。

(D)については包括利益定義そのままで、このまま定義を覚えてもいいかと思います。
したがって、(D)は正しい記述です。

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