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アクチュアリー試験会計解説 平成29年問題1(2)

ここでは一問ずつ解説をしていく予定にしていますが、詳しく説明しようと思うとどうしても教科書の記述と重複します(当たり前ですが)。ですので、教科書に書いてある内容はさらっと説明することにしようかと思います。

問題1(2)は株式会社の機関設計に関する問題です。
基本的に企業会計は株式会社を対象として考えられていることが多いため、会計を学ぶ上においては会社法の知識は重要となります。また、社会に出てビジネスを行う以上、会社組織に関する知識は持っておくに越したことはありません。

株式会社の機関設計に関する問題は、過去何度も出題されています。当然に計算問題ではなく理論問題で出題されており、用語問題・正誤問題どちらでも頻出となっています。

しかし、アクチュアリー試験の会計に限るならば勉強に時間をかけるのは得策ではありません。まずは教科書P14図表1-4、P15図表1-5を理解することを優先するのが良いかと思います。


そもそもとして、株式会社は多数の出資者から資本を集めるのに適したしくみになっています。一方で、家族経営の会社など実際は出資者が少数で身内だけの会社もこの株式会社の枠組みが適用されます。
(以前は有限会社法というものがありましたが、会社法が作られた際になくなり株式会社となっています。ただし、「有限会社」という名前だけが残っています。)

そのため、いろいろな機関設計を用意して、会社が選択できるようにしています。勉強するにあたっては、まず、会社の分類を理解していくことが大切です。

1 公開会社/非公開会社

原則として、株式は譲渡自由です。しかし、家族経営など身内だけの会社では好ましくないものが株主にならないようにする必要があるため、株式の譲渡に制限を課すことが可能となっています。

公開会社の定義は、株式譲渡制限が課されていない株式会社のことをいいます。

一方で、公開会社でない株式会社のことを株式譲渡制限会社や非公開会社などとよんでいます。

上場会社と非上場会社と捉えている人もいますが、譲渡制限はないものの上場していない会社(公開会社であるが非上場会社)も多くあるため、定義からも異なっています。

2 大会社/その他の中小会社

会社法上の大会社の定義は、「資本金5億円以上または負債200億円以上」となります。

気を付けないといけないこととしては、一般に大企業と言われている分類ではなく、明確に会社法の条文で定義がされていることです。これは覚えておくべきかと考えます。

3 監査役会設置会社/指名委員会等設置会社/監査等委員会設置会社

さらに企業統治を行う上で、従来の形(監査役会設置会社)では監査役会が形骸化しており、十分な監査ができていないと諸外国から指摘されていました。そこで指名委員会等設置会社/監査等委員会設置会社という機関設計が設けられています。

長々と書きましたが、本問では「3つの委員会」と言っていることから、答えは(I)指名委員会等設置会社となりますね。

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