アクチュアリー試験【会計解説】平成29年問題3(4)
今年のアクチュアリー試験まで、あとひと月ほどとなりました。
以前にも書きましたが、KKTの会計は追い込みが効く科目です。是非、直前まであきらめずに勉強して欲しいと思います。
(4)は引当金についての問題です。
引当金とは、企業会計原則注解18では次のように定義されています。
将来の特定の費用又は損失であって、その発生が当期以前の事象に起因し、発生の可能性が高く、かつ、その金額を合理的に見積ることができる場合には、当期の負担に属する金額を当期の費用又は損失として引当金に繰入れ、当該引当金の残高を貸借対照表の負債の部又は資産の部に記載するものとする。
この定義にも含まれていますが、適正な期間損益の算定という目的からみて、引当金が妥当なものとして認められるために、以下の4つの要件を満たす必要があります
(a) 将来の特定の費用または損失に関するものであること(将来の資産減少)
(b) その費用・損失の発生が、当期またはそれ以前の事象に起因していること(収益との対応関係)
(c) その費用・損失の発生の可能性が高いこと(高い発生確率)
(d) その金額を合理的に見積ることができること(客観的な測定可能性)
選択肢(A)では「その費用・損失の発生が将来の特定な事象に起因」とあるため、定義から誤りであることがわかります。
そのほかの選択肢(B)(C)(D)についてはやや細かな内容を聞いているため、教科書と照らして確認しておくとよいでしょう。
また、教科書では図表10-1に引当金の分類をまとめていますので、表を利用して評価性引当金・負債性引当金や利益留保性の準備金について整理しておきましょう。
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