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生命保険を解説!<就業不能保険>ってどんな保険?
『就業不能保険』と言われても保険の名称は難しいので、保険名だけ聞いても「何を保障してくれるの?」と思う人は多いと思います。
就業不能保険は「働けなくなったときのための~」という風に紹介されていることが多いため働けなくなった時の収入減に備える保険と認識している人は多いのではないでしょうか。近年注目度も高まりCMでも扱われることが増えている保険ですよね。
意外と給付金支払いの基準が厳しいなんて話もあったりしますが、就業不能保険を検討するときにはどこに注目したらよいのか紹介しておきますね。
働く現役世代の収入減に備える
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就業不能保険は、病気やケガで長期間働けなくなった時に給付金が受け取れます。通常の医療保険は当日~1ヶ月程度の入院を想定とした保障内容の保険ですが、就業不能保険は短期間の入院・手術を範囲外とする代わりに医療保険ではカバーできない長期間の入院や医師の指示のもと在宅療養をしている期間の収入減に対応できるのが特徴の保険です。
単品で加入できるものもあれば、収入保障保険に特約で加入できるものもあります。最近では、公的制度(身体障碍者手帳の等級や障害年金の障害等級)に連動する商品も登場するなど給付条件や補償内容は商品によって異なるので、加入する時にどのような条件で給付対象となるのかといった点はしっかり確認しておきたい部分です。
※収入保障保険・・・被保険者が死亡した場合や高度障害状態となった場合に、 残された家族が生活費を得られる保険。
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就業不能保険は給付条件や保障内容が複雑!抑えておくべきポイント
1.給付金額(保険金額)
保険会社の商品によって契約前の年収に応じた上限額を設定します。1万円~5万円単位で設定できるようになっていることが多いです。給付金額の決め方としては、「毎月の生活費-公的保障」を基準として不足分の金額の保障と保険料のバランスで決めるとよいでしょう。
2.就業不能の定義と補償範囲
病気やケガで働けない状態(保険会社所定の就業不能状態)
※商品によって異なるため働けない状態がどのような状態なのか保障内容をしっかり確認しましょう!
・対象となる疾病を確認すること
・精神疾患の保障有無を確認
傷病手当を受け取っている人の働けなくなった理由の1位は精神疾患(うつ病などのメンタルの不調)です。しかし、精神疾患は就業不能保険の対象外となっている保険会社も多いです。保障対象となっているかどうかは、しっかり確認しておきたいポイントです。
保険選びには、保険料のバランスをみて給付条件が広いものを選ぶとよいです。
▼入院日数が長期になりやすい疾病は?
3.免責期間の注意!
就業不能保険には「免責期間」があります。免責期間が60日という商品が多いですが、30日、180日などと設定設定されている商品もあります。
免責期間が長い方が保険料は安くなります。
※免責期間・・・給付金が支払われない期間
4.支払期間に注意!
・就業不能保険状態が終わるまで(保険期間内)無制限に支払われるタイプ
・契約時に定めた所定の回数分の支払いタイプ
※復職しても回数分の支払いがあるが長期間しても決められた回数分のみ
5.保険期間
「60歳まで」など一定年齢までを保障する。
※就業不能保険は、働く世代の病気やケガで働けなくなった時の収入減を保障する保険です。高齢による介護が必要になったときのためには「介護保険」で備えるなど必要となる保険は変わってくることも考えておきましょう。
就業不能保険でも新生物(がん)による療養で働けなくなった時の生活費を保障することも可能ですが、がんになった時のがん治療にかかる費用保障には「がん保険」が充実しています。年齢や家族構成、資産状況などトータルで考えリスクに応じた上手な保険選びで備えましょう。
会社員・公務員の人と自営業の人の働けないリスク
会社員・公務員の人
会社員や公務員の人は病気やケガで連続で3日以上欠勤すると、4日目から標準報酬日額の2/3の傷病手当金を受け取ることができます。途中出勤して給与支払いがあっても最長1年6か月分支払われます。
※傷病手当金は、社員や公務員などが加入している健康保険から支給される制度です。
※標準報酬月額は、12か月分を平均した1か月あたりの報酬額(給与)です。傷病手当金は、標準報酬月額を30日で日割りした標準報酬日額の2/3で計算されます。
療養期間が長引いた場合は障害年金が支給される可能性があります。障害年金は、病気やケガで日常生活や仕事に支障・制限を受けており、障害の程度が障害認定基準に該当する人が受け取れる年金制度です。会社員の場合、障害基礎年金の上乗せとして障害厚生年金も受給されます。
会社員や公務員は働けなくなった時の公的保障制度も考慮した上で就業不能保険の必要性を検討しましょう。
自営業・フリーランスの人
自営業の人は、傷病手当金がありません。そのため、病気やケガで働けなくなった時の収入減が会社員よりも大きくなります。
そのため、就業不能保険などの働けなくなったときに備える保険の必要性は高くなるでしょう。
損保の「所得補償保険」との違い
就業不能保険と同じように病気やケガで長期間働けなくなった時に給付金が受け取れる保険ですが、就業不能保険は生命保険会社の取り扱いで所得補償保険は損害保険会社の取り扱いという違いがあります。
所得補償保険は基本的に短期の保険期間で支払い対象期間も就業不能保険より短いという違いがあります。
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間違えやすい「収入保障保険」について
「就業不能保険」と似たような名称で間違えやすい保険に「収入保障保険」があります。
就業不能保険は、病気やケガで長期間働けなくなった時の収入減を保障する保険ですが、収入保障保険は「死亡保険」です。自分に何かあって死亡してしまったり、高度障害状態になったときに残された家族に生活費を残せる保険で保険金をお給料のように分割して受け取る方法や一括で受け取る方法を選べるのが収入保障保険です。
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まとめ
医療技術の進歩により寿命は延び、死亡率は低下しているという点は喜ばしいところですが、長期間の病気を治す期間が生じてしまったりすると収入減の期間の生活資金についての心配が出てきました。
日本の医療制度では、一定金額以上の医療費は保障される高額療養費制度がありますし、会社員や公務員の人は公的保障である傷病手当金を受け取ることができます。しかし、傷病手当金は給料の2/3程度の支払いで支払期間は最長で1年半です。働き世代の一家の大黒柱が働けなくなってしまった時の収入減のダメージは大きいことが想像できます。そのような状況の中、働けないリスクの重要性は高くなり、働けない期間の生活費を保障する就業不能保険の重要性はたかまっています。
しかし、ひとえに就業不能保険といってもさまざまな特徴を持った商品が登場しています。就業不能保険の加入を検討するときには多くの商品を比較して給付金の支払い条件などの保障内容をしっかり確認して加入するようにしましょう。
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