『地の指環』個展終了
こんばんは!Ring Artistのinsulaです。
夏の個展、『地の指環』も無事に終了しました!
来てくださった方々には感謝に絶えません、ありがとうございました!
水、火、宙、風、地、とやってきて、自然界に思いを馳せるうちに、なぜ指環を作っているのかなと思うようになりました。
一言で言うと指環を身につける方に、「壮大な自然との繋がりをいつでも思い出してほしい」と言うことなのかな、と思います。
現代の生活をしていると、人間関係や情報の波に呑まれて、自分たちが本当に生きている「今」の世界とのつながりが、どんどんと希薄になっていくように感じます。
海や山に行ったり、山登りやキャンプ、ダイビングや海水浴をしたりするチャンスがあればいいのですが、それも工程や作業に追われ、なかなか自然と自分の対話に時間を割くのは難しいのではないかと思います。
私自身、実は人と一緒に行動するよりも、自然物や現象とゆっくりと向き合って、そこから生まれてくる感情に想いを馳せたり、色々考えたりすることが好きなので、その時間が取れないとすごく消耗してしまいます。
そんな中で、「石」「鉱物」「宝石」と言うのは、最も雄大な時間をかけた自然物で、手元に半永久的に残り、サイズが小さくて持ち運びが容易で、対話するに十分な相手だなと思っています。
寂しい時、悲しい時、暇な時、だらだらしちゃう時、自己嫌悪の時、罪悪感の時、とんでもなく疲れてしまった時、なかなか自分でどうしたらいいかわからない感情に対さなければならないこともありますが、石がじっと指の上で輝いているのを見ると、なんとなく慰められるのを感じます。石は会話も何もしてくれませんが、いつまでもそうしてその煌めきや色を眺めている間に、ふと問題から離れることができたりするのです。
自分よりも、人類の歴史よりも遥か長い時間をただ存在してきた石たち。地球の歴史とともに成長し、人間が発見して磨くことによって初めて価値が認められて外に出る石たち。今回はそんな歴史を感じる『地の指環』たちを集めた展示でした。
なかなかファッションに馴染みにくい指環でもあったのか、個性的な子たちがたくさん残っていますので、よかったらこの後の在庫状況を見て、お気に入りの石をお迎えいただけたら嬉しいです。
水晶の中に別の鉱物が育っている「インクオーツ」と呼ばれる石たちを集めました。これは途方もない時間と、奇跡的な確率、そしてその石の景色を切り取る石研磨の人、指環に仕立てるアーティストの私、そしてその景色を自分のものとしてくださるあなたがいて初めて成り立つ奇跡の出会いです。
その長い歴史を感じていただけたら幸いです。
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insula