insulaというブランド
こんにちは!Ring Artistのinsulaです。
最近は自身のブランドについて考える時間が多くあります。
たくさんの美しいジュエリーを扱う作家さんや業者さんがいる中で、insulaの指環を選んでいただく理由は何か。insulaの指環でなければならない根拠は何か。私が自分の感性を持って世の中に実現したいことは何か。
初めは純粋にビーズを繋げるのが好きだったり、安く可愛いものをみんなに提供できるのが楽しくて始めたハンドメイドですが、自分のやりたい表現を追求していった結果、今はその時とはモチベーションが明らかに変わってきています。
ガラスビーズではなく天然石や宝石を使うようになり、素材も真鍮やニッケルの合金などから金や銀などに変わりました。
その変化はなぜ起こったのかといえば、「手に取る人に『本物』をみてほしい」という思いがありました。
ものをたくさんの人に売るために、私たちの社会は今、食べ物すら元の原料が何かもわからないもので覆われています。それももちろん美しく目や舌を楽しませ、一時をわくわくさせてくれます。しかしながら、楽しい概念を作り上げ、中身がないものも多いのが現状です。
私は『本当のもの』に触れたときに人の心は初めて充足し、この世界に生きていてよかったなあという気持ちが湧いてくるのだと私は思っています。
『世界は美しい』
それが私がブランドを通して言いたいことなのかなと思っています。
もちろん宝石を巡る諸問題や金や銀にまつわるいろんな世界の思惑も働いています。紛争のきっかけになるダイヤモンドやサファイヤ、過酷な状況下で働く宝石のカッター職人も多く関わっているでしょう。
それでもなるべく良心的で直接現地と取引を行っている業者さんを探して、この方なら信頼できるなというところから石を買っています。自分で行わない加工も全て国内の業者さんや職人さんにお願いしています。
その分おそらくinsulaの指環は相場よりも高く感じられる方が多いと思います。
でも安易な仕入れや安くて綺麗に見える石をたくさん売る、という方向にはinsulaはこれからも舵を切らないようにしようと思います。
生きるっていうのは大変です。
毎日の自分自身の生命維持のみならず、家族のケアをしたり、仕事をして社会に貢献したり、いろんな理不尽にあったりもします。
でも本当は太陽の下で呼吸をしているだけで満ち足りて幸せを感じることもできる。
そんなことをお伝えしたいと思っています。
だから身につける人がいつでも目に入るジュエリーでなければならないし、そこに留める石は本物でなければなりません。
そのための装置が私にとっては「指環」でした。
私が魅了された『本物』の石たちは本当に美しくて、こんなにも綺麗なものが地球上に存在するのか、という感動をいつも与えてくれます。また、ほとんど変化することもないので、いつでも自分の核に戻ってこられる、そんな気がするのです。
自分が選ぶ石というのは、どこか自分自身の中に同じものを持っている感じがします。いつもは選ばない色を選んだり、予定とは違う大きさの石を買ってしまったり、こんな宝石を自分が持ってもいいのだろうか、と思うようなものを選んだりもします。
それはまだ見ぬ自分自身との出会いでもあり、自分自身を知る道標のようなものでもあります。
良くいくつかの指環で悩まれている方にアドバイスするのですが、「こちらの石はお客様にとっては現状維持の石、これから新しく変化していきたいならこちらの石」というのが分かることがあります。すごく自分らしい、とてもしっくりくる、でも物足りないと思っている時は新しい自分に気がつく時。それは石が教えてくれます。
『本当の自分』や『新しい自分』に出会ってほしいから、石も『本当のもの』を選びます。合成石、人工的な処理がされているもの、熱や光で色を変化させているものはとっても綺麗に見えますが、使わないようにしています。(一部使っていることもありますのでお尋ねください。)
だから指環を選ぶ基準は『自分の感性』。
お得だからとか、珍しい石だから、とか、流行っているからという基準ではなく、「だれがなんと言おうと私はこれが好き」
という感性で選んでほしいなと思っています。
心を震わせる石に出会い、それを手にいれることができるタイミングにあるときは、素直に「欲しい」と思ってみてもいいと思います。
その石の輝きはあなた自身の輝きでもあるし、そこに戻ってくることが、私は『美しい世界』とつながる方法だと思っているからです。
石の輝きを認めた時、私は自分の周りの世界が変化するように感じることが何度もありました。もちろん自分の気持ちが変わったからで、何か石に特別な力があるかどうかはわかりませんが、自分自身の輝きを新しく見つけだした時の高揚した気持ちが素敵な未来を連れてくる、という点は私がブランドを立ち上げた時から信じていることです。石の力があるとしたら、その点は確かだと思います。逆に今の自分を引き上げてもらうためにちょっとランクの高い石を無理して買ったりもしたことがあります。後悔したこともあるけど、今はその「ランクの高い石」を普通に扱えるようになっていたりもします。
ジュエリーは元々、ただの「ファッションアイテム」というよりも守護を願ったり、自分より大きなものの力を借りたり、自分のアイデンティティや所属を確かにするものだったと思います。今の世でも、そうした「意味のあるジュエリー」を作れたらいいなと思っています。
ここまで考えてみましたが、なかなか短い文章にまとめるのが難しいところ。
これからじっくり考えて煮詰めていこうと思います。
insula