ブライダル霧子 ベールと境のお話
【白・架・祝・幻】幽谷霧子
おめでとう霧子。
はじめに
ブライダル霧子本当にありがとうの気持ちで書いています。イラストもコミュも大好きです。
コミュの内容や感想をメモしとくと後で何かと役立つのですが、今回は画像ほしいなということでふせったーではなくnoteにしました。
考察も多少はありますが、「そういえばどこでどんな話してたっけ」と思い出したくなったときとかに読んでください。
もちろんネタバレを含むので気にする方はお気をつけください。
今回はPと霧子の心的・物理的距離を近づける演出が多かったな……!と感じる場面が多く、ハラハラしたりドキドキしたりしながら読んでいました。
言葉を選ばなければPドル、P霧というやつです。
それらが特別好きというわけでもないんですが、「そう読み取れるな……」と感じるシーンが多かったのも確かでした。
そういった感想も含まれますので、その辺が気になる方は「まぁブライダルだからな……」の精神で読んでください。でもやっぱりちょっと近いよね。好き。
さきのこと
Pと霧子が電話でブライダルの仕事の打ち合わせをするシーンから。
娘の結婚想像しただけでガチ目に落ち込む幽谷パパかわいすぎる。
勘違いしたとかじゃなくて、いつか来る未来を想像して今からショック受けてるのでこれは確かに「大変……です……」。
一方のママは、娘が着るドレスを見て喜んでいてにっこり。晴れ着霧子でおばあちゃんが嫁入りするときに持ってきた着物の話思い出しました。
結局パパは最後まで資料すら直視できなかったよう。かわいそかわいい。
ここでの選択肢はいずれも、いつか来る日と、霧子を育ててくれたご両親のことに思いを馳せて終わります。霧子が愛情いっぱいに育てられてるのがわかる描写、見るたび泣きそうになる……
とんとん とんとん
コミュ予想でも出てたシーン。
余談ですが声かけられて「あ……」が出るのは絶対霧子しかいないと思っていました。霧子じゃなかったらめちゃくちゃに暴れていました。
それはさておき。
霧子はもう衣装に着替えてて、プランナーさんからレースや小物の案内をされてるところ。
一瞬過去の背景が挟まるのは、レースから幼いころの記憶を思い出してたんでしょうね。
そしてカーテン越しに「見ますか?」するプランナーさん。
完全に二人を新郎新婦と勘違いするの、ベタだけど「まぁブライダルだからな……」と思っていたら、ただのラブコメじゃなかったんです。
ここのベール直し、初見で(ちょっと唐突に入ってきたな)と思ったんですよね。
ですが最後まで読んだらこのシーン全体の意味が変わってきました。
いったんTrueまで飛びますが、このレースの作家さんとこんな話をしています。
ベールはふたりの境を示すもの。
プランナーさんが二人を新郎新婦と勘違いしてる間はベールをしていなくて、その勘違いが正された後はベールを付けなおしているんですよね。
このベール直し意味ありげに挿入されたなと思ったらそういうことでした。
後半はベールという薄くとも明確な境を挟んだ「アイドルとプロデューサー」として描かれ、逆に言えば前半はその境がない男女として……
結構とんでもないことやってるな。まぁブライダルだからな……
そしてさらに問題のシーン。
頭にかかったベールの感触から、とある場面の回想に移ります。
ふんわり、さらさら……
幽谷ママ(CV:結名美月さん)!?!?!!?
「霧子のお母さんの声聴けるんですか!?」とか「モブに声つくことある!?」とか「いつもの霧子の声音でないみーちゃんの台詞ありがとうございます!!!!」とかいろいろな感情が駆け巡ったのですが。
というかみーちゃんのオタクとしてそこばかり目が行っていました。反省。
そこでこちらのnote、この記事の前にお読みいただいた方も多いかと思いますが、まだの方はまず読んでみてください。
私も「モブに声つくことある?」と「後半似たシーンで声ついてなかったな」というのが引っ掛かってはいました。
ただ、「声付きなのは未来の霧子で、霧子が幼少期の記憶を辿って自分の子供に同じことをしている」というとこまで想像が至りませんでした。言われてみると全て辻褄が合う……!!
こちらの記事ではそれだけでなく、言葉の意味を含めてしっかりと考察されていましたので、是非読んでみてください。
以下、土土さんの素敵な考察に影響されている部分も多々あるのですが、私が初見の際に感じた内容も含めて記載していきます。霧子Pの数だけ霧子の世界があると思うので。LPでもちょっと似たような話をしていましたね。
はい、それで、いや、ママになった霧子……? それってもうパラコレじゃん……ワンカットで立ち絵もないとはいえ、すごい……ありがとうございます……えっつまり何年か後に結婚してできた子供を寝かしつける霧子の声がこれってこと……? 既にかなり混乱しています。それってその……はい……
この先考察どころじゃないかも。
さて、シャニPの悪霊が未来の記憶に心乱されている頃、霧子はベールを直してカーテンの向こうに立つのでした。
プランナーさんが言う通り、式本番でいきなり見たらその場で崩れ落ちる美しさ。この世のものとは思えない清楚の化身。
コミュ中でもここで初めて立ち絵公開なんですよね。選択肢を選んで心構えをしてもなおこの破壊力。霧子……
このイラスト自体はもちろんガシャの画面とかで見てましたが、綺麗な調度品を背景にしてそっと動いてるのを見ると、また感慨深くて……霧子……本当に良かった……
お日さまとまいご
今回のコミュの象徴、一番書きたかったところなのかなぁと思わせるコミュでした。
撮影会場となる結婚式場の下見に来た二人。霧子を娘の学生時代と重ねて泣き出してしまう新郎のお父さんと遭遇したり、庭園での挙式を眺めたり、ゆっくりとした時間を過ごします。
ガーデンウェディングでは、投げられたブーケが噴水に落っこちそうになり、こんな一幕も。
スーツで噴水まで走っちゃうPかっこよすぎるでしょ。ダッシュしてブーケを一番にキャッチする男前さぁ……それでいて受け取らない(それはそう)ことで決定的にはしないこの……はい……まぁブライダルだからな……
普段はいつもゆったり動いてそうなイメージある霧子が、レッスンで鍛えたバネを活かして噴水に飛び込む勢いで走ってるとこはちょっと見てみたい。
そうこうしつつ、なかなか目的地にたどり着けない二人。
最近はその面もややなりを潜めたとはいえ、何かと心配しがちな霧子がこの場面ではとても穏やかな声音なんですよね。
迷子になっているのに「たどり着くのが少しもったいない」と漏らす霧子。
これに対してPは「いろんなもの、垣間見られたし──」「にぎやかで、楽しくて、せつなくて、優しい」と返します。
ここまでの迷子の描写は、霧子とPが今まで歩んできた道程の示唆かなと思いました。二人でいろんな景色を見て、なかなか目的地にたどり着けなくて、でもそれは決して不安ではなく、「着いてしまうのがもったいない」と思わせてしまうほどの時間を過ごしていたんですね。
そして出るのがこの選択肢です。
二人がどこにたどり着くか、たどり着くまでの道のりはどんなものか、そしてたどり着いたらどうなるのか。
この三択は、霧子とPのこれからはいろんな未来があるし、どうとでも想像できるという解釈なのかなと思っています。
選択肢を簡単に解説すると、左は撮影現場にたどり着き、霧子はいつかここに花嫁として立つ日に思いを馳せます。
真ん中では全然違う場所に出てしまいますが、いっぱい寄り道しましょう、と言外に伝えてくれる霧子が見られます。
個人的には右の「……もう少し歩くみたいだ」が好き。
この描写だと、どの道を選んだとしてもPと霧子はずっと一緒だし、どんなに回り道してもそれを一緒に楽しめるし、最終的には二人で同じところにたどり着くのかなと思わされました。
言葉を選ばず言えば、それはもう結婚の一つの形ではないでしょうか。まぁブライダルだからな……
むすびめ
いよいよ撮影本番。ですが……
「君ちょっと代役やってよ」はベタすぎるだろ。まぁブライダルだからな……
にしてもブライダル衣装の霧子を目の前にしてなお、緊張したり変に気負ったりしないシャニPどういう精神力してるんだ……
ここはちゃんとベールしてた。よかった。仕事中だからね。
このベールで再び回想が挟まります。
ウェディングドレスのベールをカーテンや小物にするというのがPの口から語られていましたが、幽谷家でも同じことがあったんでしょう。
幼い日の霧子をベールのカーテンが見守っている幽谷家……なんて穏やかで温かい光景……
このコミュの後半はかなり詩的な文章も多く、またこれまでの霧子コミュでたびたび語られてきた光や音、廻るものについての話も出てきます。
「でも、」の意味も含め、ここについて私は深く考察できなかったのですが、先ほど引用した土土さんの記事で「完全にこれだ…………」と思ってしまったので、是非そちらに眼を通してみてください。
(蛇足です)
霧子に限った話ではないのですが、特に霧子のコミュはいくつも読み解き方や受け取り方があって、人それぞれに描く「霧子の形」が別々にあると思っています。
ただその中でも光や音、過ぎていく時間と経験、それらを結ぶものとしての結婚という表現として、かの考察以上に美しい言葉を自分の中では見つけられませんでした。悔しい。でも素敵すぎる……
ひびいていた、る
気を取り直してTrueコミュです。
撮影も終わり、山奥にアトリエを構えるレース作家さんの元を訪れる二人。
また迷子になりかけるも、霧子がレース状の花を見つけたことがきっかけとなって道を見つけます。
ここの霧子、いつもよりちょっと強気な印象を受けるんですよね。
レースの花が土地の「境」を示すものとして描かれているとしたら、霧子は既に境を飛び越えられる者として描かれている、とか。ちょっとこじつけかもしれません。
そしてレース作家からいろいろお話を聞いていきます。
考えてみたらウェディングドレスのレースを作ってくれた作家の下を訪問するってかなりマメなことしてるな。
この「来られる人は、来てくれますしね」は「でも、飛び込んできてくれたのなら」に通ずるところもあるような気がします。でもそれ以上詰め切れない……
この後、前述した「ベールはふたりの境を示すもの」という話が出てきます。そしてアトリエを後にする二人。
「ベールの時間が終わる」というのは、もちろんこのお仕事の時間が終わってしまうこともですが、直前の話を受けて言うなら「ふたりの境はなくなった」とも取れるんですよね。
受け取り方次第ではそういうことと捉えることもできるんじゃないでしょうか。まぁブライダルだからな……
「せーので……ぴょんって……」
ぴょん、というのは何かを飛び越えるときの擬音です。せーのでいっしょに、二人の境を飛び越えて、というのは、ここからずっと一緒にいるということ……と考えてよいのでしょうか。
せーの、の後にPの回想が挟まり、ベールを脱いだ霧子の姿が一瞬現れます。初見のときはキャストオフ差分とかありかよと叫びました。
いいんですかこんな美しい姿を見せていただいて……
ここについても、「ベールはふたりの境」という点で言えば「ふたりの境がなくなった未来」「アイドルとプロデューサーとして、薄いベールを隔てて歩む未来」の両方を示しているのかなと想像しました。
余談:True Endコミュタイトル「ひびいていた、る」
このタイトルからは「響いていた、る」と「響いて、至る」のダブルミーニングを連想しました。後者はこのコミュの内容そのものですね。
敢えて「る」で区切ったのは、やはり【縷・縷・屡・来】を意識しているのかなと考えました。
「縷」にはいと、きぬ、きれ、ぼろきれといった意味があるそうです。
転じて、「細く途切れず続く様」も表すとか。るるるくではブランケットの意味で使われていました。
今回ブライダルのカードでは「白・架」でレースを表していましたが、カーテンに生まれ変わった後のレースも「縷」と言えるのではないでしょうか。
それもあってTrueでのこの回想は、霧子自身の幼少期の記憶かなと思いました(声がついていないというのもあります)。
幼い頃の記憶、ずっと響いていた、さらさらとカーテンがはためく音。寝る前に羽織ったブランケットを、とんとんと叩いて寝かしつけてくれる音。
「る」という「布」に込められた音、かつては霧子のお母さんが、そして未来では霧子が自分の子供に聞かせてあげる音が、「る」を介してずっと響いて、続いていく。
そんなメッセージの込められたコミュタイトルかと想像しました。
おわりに
ここまでお読みいただきありがとうございました。
初見では霧子の美しさと幽谷ママ(CV:結名美月さん)に心奪われ、ベールの意味が分かった2周目はP霧要素が強すぎないか……?との思いでいっぱいになり、いろいろな表現にようやく目をやれたのは3周目のことでした。
時間をかけて読んでもまだ分からないままなことも多々あり、先の土土さんやフォロワーさんの考察、感想を見て初めて気づかされたり、思い至ることがたくさんありました。ありがとうございます。
他にも考察や解釈などあればいろいろ摂取したいと思います。
そして1年越しのブライダル実装、本当におめでとうございます。
この日をどれほど待ちわびたことか。あの日からブライダル霧子の亡霊と化しつつありましたが、イラスト・立ち絵のあまりの美しさとコミュの光に浄化させられました。本当に、本当にありがとうございました。
明日にはSTEPが実装され、そしていつかパラコレもやって来ます。
霧子の過去と未来がまだまだ見られる幸せ。
これからも霧子と日々を歩めますように。