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喉元過ぎれば、なんとやら

これはいい記事。
最近よく訪問するみかんさんもオススメしてる😆!


それで、ゲッコーさん著の記事を読んで、2011年3月15日(火)のことを思い出しました。


記事には相場暴落時に投資家が取る行動パターンが整理されておりまして、私の場合は

④そのままホールド。積立の場合は継続する
メンタル崩壊しなければ次の上昇タイミングで笑顔になる可能性が高い。

⑤上記④に加えて暴落したタイミングで震えながら買い増し
メンタルが崩壊しなければ次の上昇タイミングでドヤれる可能性あり。ただしタイミングが難しいのは②と同じ。

のパターンに当てはまるのですが。


2011年3月15日、火曜日。

今でも鮮明に憶えています、結果的には④という選択(消極的選択)をして大けがはしなかったものの、私の20年近い投資家歴の中で最大の危機として記憶に残っています。


その日の4日前に起きた東日本大震災と、それが起こした大津波によって福島第一原子力発電所が全電源を喪失、運転中の原子炉3基はすべて破壊されて放射性物質を広範囲にバラまくというチェルノブイリ原発に並ぶ史上最悪の事故が起きました。

3月12日(土)の午後にまず1号機が水素爆発を起こし、作業員の方たちの必死の努力でもうすぐ復旧するというところまで敷設が完了していた電源ケーブルはずたずたに引き裂かれました。
この時点では原子炉隔離時冷却系が動いていた2号機、直流電源のバッテリーが残っていて冷却が続いていた3号機も、この水素爆発の後、事態は悪い方へ悪い方へと推移して結局電源復旧できず、14日(月)には3号機が水素爆発を起こし、15日(火)朝には2号機格納容器が破損して中身が大気中にダダ洩れることとなりました。
歴史に if はないけれど、1号機の水素爆発なかりせば、電源ケーブルの敷設が完了して全号機で電源が回復し、2号機と3号機は破壊を免れたんじゃないかと、悔しくて悔しくて仕方がありません。


15日の午後には東京でも放射線量の上昇が確認されます。
これを受けてなのかどうか知りませんが、15日、東京証券取引所ではストップ安が続出し、日経平均株価は1,300円を超える暴落となりました。15日朝の時点で日経平均株価は1万円にも満たなかったのですから。1,300円というのは10%を超える大幅下落です。


この時、私はすでに個人投資家として、資産のけっこうな割合を株式で持っていました。しかも、全部日本株で。いくら業種の分散が効いていたとはいえ、世界で事業展開するトヨタやソニーなどにも投資していたとはいえ、全部、本拠地を日本に置く企業です。
壊れた3基の原子炉からダダ洩れた放射性物質はそこら中にバラまかれ、4号機の燃料プールの冷却は止まりこの後どうなるのか予断を許さない。暴走が抑えられずに誰も近づけなくなる。日本滅亡の危機。
もう、終わりだ・・・そんな絶望的な気持ちになっているところに追い打ちをかけるように、保有株は次々ストップ安をつけていく。

正直、この時は生きた心地がしませんでした。
この時点ですでに私の投資方針は「有配当の優良企業の株を永久保有する(絶対売らない)」に定まっていたのですが、近くに株式売買できる端末があったらその方針を貫けたかどうか。
市場が開いている間は出社していて株式売買できる状況ではなく、狼狽売りもできなかったので、結果的には1円も損失は出しませんでしたけど、それはただ幸運だっただけかもしれません。


この時の恐怖に比べれば、24年8月5日(月)の令和のブラックマンデーなんてかわいいもの。株式市場が荒れていただけで、過酷事故は起きていませんでした。平和なものです。


事故から10年以上経過して、あの悪夢を忘れてしまったんでしょうか?AIを動かすには電力が必要だ、原子力発電の安定的な電力を利用しよう、とか言う意見を耳にしますが、私に言わせればあり得ない選択肢です。
AIなんぞに電気食わせるために、国が滅びる恐れさえあるリスクをとるなんて。そりゃ発生確率は低いかもしれませんけど。原子力発電というのは事故を起こしちゃいけない技術です。技術である以上、人間が運転する以上、事故の可能性はゼロにはなりません。ゼロに近づけることはできても、ゼロにはならない。
起これば破滅、でも発生確率が極めて低いから数字上のリスクは極小。そんな数字にだまされちゃいけません。


ちなみに私、この時点で東電株も保有していました。
そこまで大きくなかった当時のポートフォリオで1社が倒壊するダメージはそれなりに大きく。なによりまだ投資家としてはひよっこであったので心理的なダメージの方がより大きく。
ちきんはーとな生来の性格とも合わさって、「原発みたいにアブナイもんは絶対反対!」と、思って、おります!



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