3M Company、2024年第4四半期&通期決算。ちょっと、むむむ?
2025年1月21日(火)、夜です。
3M Company の2024年第4四半期の決算が日本時間の20時30分頃に発表されました。
ということで、できたてほやほや?の決算を見ていきましょう!
オリジナルデータ
Financial Highlights
部門別売上高
部門別売上高の推移は以下のグラフのとおりです。
24年第1四半期末にヘルスケア部門がSolventum社として分離されたので、2Q以降は緑色のセグメントの売上が消滅しています。
ヘルスケアを除く3部門すべて、前期(24年3Q)より減収ではあるものの、前年同期(23年4Q)よりは増収。22年も23年も、4Qは3Qよりも減収になっているので、これは季節要因と言ってよいでしょう。
営業利益率
部門別の営業利益率(調整後)は、全部門で前期より減少。
もっとも前年も4Qは3Qよりガクっと減少しているので、調子が悪いとは言い難い。
とはいえ会社全体の営業利益率も低下傾向(下のグラフ)なのはちょっと気がかり。
キャッシュフロー
2022年と2023年は会計年度の終わりに近づくほど営業キャッシュフローが大きくなる傾向がありましたが、今年は4Qでちょっとだけ営業キャッシュフローが下がってしまいました。前年までと違ってヘルスケア部門がスピンオフによりなくなっているので単純比較はできませんが、利益率の低下も考慮するとちょっと「むむむ」な傾向。
ちなみにフリーキャッシュフロー(調整後)の40%を株主配当する方針なので、減配の心配は無用でしょう。
CEOコメント
曰く、
年間を通じて強力な成果を上げ、基調的収益を成長軌道に戻すことができた。
3Mチームの強力な業務実行により2桁の利益成長と堅実なフリーキャッシュフローを実現した。
この勢いを持ち続け、2025年の業績予想を達成できると確信している。
前項のFinancial Highlightsではちょっと「むむむ」と思ったけれど、就任から9か月ほどが経過したCEOの手ごたえは悪くないらしい。
2025年通期のガイダンス
Presentation資料の9ページに記載があります。「おっ」と思ったところを太字にしています。
Organic sales growth(調整後)は 2~3%。
全セグメント(Business Group)で1桁台前半の成長を見込む。
マクロ環境と同じかそれ以上の成長を見込む。
新製品の発表を2桁増やす。
引き続きOn-time-in-full(言葉の説明はこの記事に)を改善していく。
調整後営業利益率は22.7%~23.3%。
2024年比で+1.3~1.9%Up予想。生産性向上だけでなく販売数量増を見込んでいる。
調整後1株利益は$7.60~$7.90。
2024年は$7.30だったので4~8%Up予想。
フリーキャッシュフローコンバージョン(フリーキャッシュフロー÷純利益)は100%前後。
Highlights
私が選んだキーポイントはスライドの1枚目と2枚目。
Strong execution in Q4, capping a solid year
2024年に達成したこと
業績は予想の上限で着地。
Solventum社をスピンオフ完了。
2件の重大な訴訟案件(有機フッ素化合物による水質汚染、軍人用耳栓)に解決の目処をつけた。
過去最大のリストラを実質的に完了。
業績
売上高は58億ドル、organic成長率は前年同期比プラス2.1%。
EPS(調整後)は1.68ドル、前年同期比マイナス2%。
フリーキャッシュフロー(調整後)は13億ドル。
キャッシュフローコンバージョン(フリーキャッシュフロー÷純利益)は145%。
キャッシュフローコンバージョンが100%を超えているということは、会計上の利益にちゃんとキャッシュの裏付けが伴っているということ。
Advancing our top priorities
Organic growth
すべてのBusiness Groupで基調的成長がプラスになった。
新製品の発売が年間で32%増加、予想を上回った。
CEO、就任時に新製品の発表を加速すると言っていたので、有言実行ですね!
Operational excellence
サービスの改善。年間OTIF88%、3ポイント増加
生産性と効率性向上の取り組み
粗利益率の大幅な改善
在庫が2日分減少
総括すると
売上、利益率、キャッシュフローの推移を見ると、悪くはないけど手放しで喜べる感じではなかったものの。
決算数字は予想の上限で着地している、新CEOの1年目の手ごたえは良い感じ、新製品の発表が増加している、販売数量増を見込んでいる、といったことを踏まえると。
飛躍(ジャンプ)の前にいったんかがんだところ、と見ることもできます。
ここ2年くらい株価を下押ししてきた訴訟案件の目処もたったことだし。
2025年の活躍に乞うご期待、というところでしょうか。
ということで、引き続き見守っていきましょう。
Marketの反応
Pre-Market
Pre-Marketの反応は好調。
先週末の終値から4%弱高いところで推移しています。
決算情報がWebにアップされたアメリカ東部時間午前6時30分(日本時間の20時30分)で一瞬がくんと下に行ってるのが気になりますが。
3Qの決算発表の時も寄り付きは10ドルくらい高いところに行ったのに、終値は前日比マイナスだったので、今回もそうなるとヤだなあ😥と思いますよ。
私と同じように「3Qより利益率低いしフリーキャッシュフロー減ってるじゃん!」と思った人がいるんでしょうかね。ま、私は思っても売りませんけど!ガチホールド!😆😆😆
ニューヨーク市場オープン!
とりあえず、寄り付きは順調です😆😆😆。