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2023年度第2四半期(4~6月)GDP of Japan


出典

2023年4-6月期・四半期GDP2次速報(2023/9/8公表)
   
内閣府 国民経済計算(GDP)より


GDP統計を読む

表がたくさんありますが、実態(生活実感)を最も表している実質季節調整系列(年率)を確認しましょう(14ページ)。

2023年9月8日公表 四半期GDP2次速報 14ページより引用

なぜ名目値ではなく実質値を見るのかの理由は別記事名目と実質が参考になります。
原系列ではなく季節調整系列を使う理由は、原系列では休日がたまたま多いとGDPが低く出るなど実態と少しずれが生じるためです。


GDPは年率で前期比4.8%増でした。つまり5%近い経済成長。力強い。
でも実態を見るとちっとも力強くなかったです😥
GDPは各家庭の消費、企業活動、政府による公共投資、輸出などを合計したものです。私たち一般市民の肌感覚が表れているのは各家庭の消費です。GDP統計では家計最終支出という名前がついています。

その家計最終支出ですが、年率換算で前期比マイナス2.7%。つまり弱い。
さらに、持ち家の帰属家賃を除いた家計最終支出に至ってはマイナス3.2%となっていました。さらに弱い。

持ち家の帰属家賃というのは、自宅を保有している人がそれを借家しているとしたら払う必要のある家賃です。自分自身に払っていると家賃と考えてもいいです。つまり実質的には支払っていない費用であり、それを除いた家計最終支出が実際に我々のオサイフから出ていったお金です。これが生活実感に最も近い数字です。
今年の4~6月、その実質値がマイナス3.2%だったということは、昨年より購入するものの量を3.2%減らしたということです。もしも食料品しか買っていないとしたら、昨年より3.2%食べている物が少ないことになります。食べる物食べれていないんだから、そりゃ元気出ないですよ。

ちなみに23年4~6月の家計最終支出(持ち家の帰属家賃除く)は58兆4,463億円でした。日本の人口は1.257億人なので、1人当たりの平均支出は465,000円ほど。1カ月あたりだと平均155,000円です。こういうお金関連の統計での平均値というのはものすごく散財した人に引っ張られて高く出がちなので、肌感覚だとたぶんもう少し低いんじゃないかと思います。


家計最終支出、つまり個人消費がこんなに弱いのに全体のGDPを4.8%に押し上げていた要因は、民間住宅と輸出です。それぞれプラス8.1%、プラス12.9%でした。

相変わらず都心のマンション価格は高いし円安はきつい。困ったもんです😞
富裕層が住宅を買っているのと、輸出企業の収入が円換算で膨らんだせいでGDPが押し上げられただけでしょう。つまりは虚構の反映です。

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